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法医解剖を初めて見た。赤ん坊だった。それを見て気分が悪くなるということはなかったが、無惨に解剖されている感じがして、かわいそうだった。自分の身内や知っている人だったら、見ることが出来ないだろう。
○専門1年、6月4日(日)曇。
生化学ばっかり勉強している。勉強のし過ぎで、首が凝っている。鼻血も出た。目が充血している。気分転換に天文館に出た。自分の大好きな(ポンポン菓子とギョーザが昔から大好き)特大のギョーザを食べた。金魚5匹をもらった。途中でクラスの○○譲を見かけたが、見て見ぬ振りをして通り過ぎた。好きな娘だったら、飛んで行ってこの金魚を勇んでやるのに。ギョーザを食べている時、隣に座った女の娘がとてもかわいい感じの娘だった。しかし、話し掛けることが出来なかった。俺には、そんな才能はないもんね。仕方ない。
○専門1年、6月10日(土)晴。
熱が39度2分あるのに学校に行った。生化学の実習は、さぼれないのだ。
○専門1年、6月12日(月)雨。
熱があったのが嘘の様だ。だが、ちょっぴりフラフラしていた。早く実力のあるいい医者にならなければいけない、早く医学を修得したい、・・・いつもそう思っている。今日は、死体十体(前の学年の人が解剖したもの)を見て筋学の勉強をした。ホルマリンの匂いが臭くて、目が痛くてたまらなかった。指導教官が少ないのは問題だ。
○専門1年、6月17日(土)雨。
組織学対策委員会(解剖2の試験の為)から、「傾向と対策」をもらった。生化学の授業の後、細見の所に行ってすきやきをごちそうになり、一緒に歌を歌った(細見がギターを弾いて)。彼は、青春を満喫している感じだ。
○専門1年、6月22日(木)雨。
発生学の集中講義があった。熊大の藤本教授で、熊大では、解剖3まであるとは、驚いた。
○専門1年、6月29日(木)晴。
生化学の実習の時間、稲益助教授と萩原講師から呼び出しがあり、「夏休みに生化学の教室に来て手伝わないか、二人やる気のある人が欲しい」と言われた。光栄。だけど、今の自分の実力では生化学の先生に申し訳ないが・・・。
○専門1年、7月11日(火)晴。
いい日だった。解剖2の試験があった(82点だった)。実習の試験は、25問、顕微鏡を見て、1分間で、臓器名を当てて書いて行かなければいけなかった。自信を持って言えるのは、15問だけ(結果は、80点)。井口がノートを実に上手にとっていた。2学期からは、彼を見習わなければ。
○専門1年、7月29日(土)晴。
衛生学、公衆衛生学、医動物学、生化学、小さな本を一応読み上げた。今週は、メチャクチャ頑張って習っていない学科の勉強までした。これだ。
午後から天文館に行って、例の所で150円程ギョーザを食べ、その後、200円の温泉の風呂に入りに行った(次兄推薦)。俺って、ブルジョアかなあ・・・。次郎物語を読み上げた。
○専門1年、8月4日(金)晴。
映画デーって感じの日だった。朝、申し訳程度に、臨床生理学の内分泌を勉強してから、高島屋であった「人間の条件」の映画を、朝の11時30分から、翌朝の9時40分まで掛かって全て見た。人間の条件と次郎物語の長大作を終了しただけでも、この夏休みの価値はあったかな。
*夏休みに入ると、1週間の内の5日間を医学部図書館で朝の9時から夜の8時まで必死になって勉強した(厚い基礎医学書を最後まで読み上げることに専念した)。8月7日~9月2日まで、生化学教室(午前中は、生化学教室、午後は、医学部図書室)に通った。そこでは、自分の部屋と対照的に冷房完備で、実に快適であった。