日本の心・さいき

日本の文化を通じて、世界平和を実現させましょう。

小児科って(その3)・・・

2012-08-05 09:59:13 | Weblog
 「小児科医は、労多くして報われない・・・」と、よく言われます。ある公的病院の部長が、(私が研修医の時に)「金儲けが目的で医師になっているなら、小児科では、それは出来ないから・・・」と言われました。
 採算的に考えると、小児科は、合いませんね・・・→これは、多くの人が認めていることですが・・・。
 病院の場合、その科の医師の数で売り上げを割ると、小児科はいつも下から1~2番って感じの所が多いと思います。それなのに、救急病院で時間外となると、内科の次に小児科、いや、一番多いのは小児科って所もあります。当直体制も、外科と内科と小児科の3本柱にしている所もあります。更には、時間外診察室も、小児科だけは別の所にしている所も・・・。
 採算重視の病院だと、小児科は不採算なので、設置できません。赤字でもいい病院となると、公的な病院となり、現に、小児科を持った病院となると、その7割が公の病院になっているのです。
 それに、採血や点滴をするのも、小さな子どもの場合、(脱水があったりすると)難しいケースが多いし、協力してくれないので、ナース独りで出来ないことが多いし・・・粉薬や水薬を作るにしても、体重当たりで量を決めることが多いので、かなり神経を使います。
 点滴内の抗生剤を入れるにしても、大人は、1回1g1日3gとした場合、3歳未満の子どもだと1日量でも、大人1回分の1gに達しません。
 それに、とても気を使います。親御さんにも気を使います。レントゲン1枚撮るにしても、暴れる子どもをなだめて、時間を掛けて撮ることも多いのです。
 が、内科医がやむなく小児を診て、トラブルになって、病院の人気を落とすケースもあります。それなら小児を診ないとなると、小児科を看板に上げている病院に小児が殺到することになり、小児科医は疲弊してしまいます。現に、小児科医が同じ病院で勤務する期間は、他の科の医師よりも短くなっています。
 小児科医の資源は、限られています。小児科医の集約化が勧められ、小児科医が独りや二人だけの病院がどんどん少なくなっています。が、そんな病院でも、小児科を継続させる為に、それなりに工夫をして、小児科の負担を少なくしようと努力しているケースが多くなっています。
 一般の人に、コンビニ受診は控え様とか、時間内に来れる人は時間内にとか、どんなケースがホント救急になるのかとか、啓蒙しているケースも多くなっています。又、小児科医が独りの場合には、入院が必要な時は他の医療機関に送ったり、時間外には当直医からのコールにしたり、産科の新生児は、出来る範囲で産科医にしてもらったりとか・・・。
 どこまで小児科医がするべきか、・・・→犠牲的精神で小児科医が孤軍奮闘する時代ではないのです・・・?!

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小児科って(その2)・・・

2012-08-04 09:39:29 | Weblog
 小児科の場合、受け持ちの数が少なくても、変化が激しいので、とても忙しい・・・特に救急病院で、入院を持って、救急をして、産科もあるとなると・・・。
 もちろん、年間通じて、とても忙しい時期(インフルエンザ流行時)とあまり忙しくない時期(夏や秋)がありますが・・・。ある病院では、小児科病棟が整形外科病棟と同じ階になることも・・・→その理由として、患者さんの動きが全く反対になるから・・・冬など、インフルエンザで小児科が忙しい時には、整形外科が忙しくなくて・・・秋など、小児科が暇な時には、整形外科が忙しいから・・・?!
 
 平成○○年8月4日(土)の9時前(←公的病院は、この日は休日なのですが)回診し(←もちろん、独りで)・・・7月31日(火)の時間外の午後に来院して入院した1歳の男児(熱性けいれんと気管支炎とブドウ球菌による全身の伝染性膿化疹)と・・・8月2日(木)の夕方、嘔吐で急患で来院し、21時過ぎまで点滴し、経過いい様に見えたのに、翌日(8月3日)の朝、再び嘔吐してグッタリなって入院した4歳の男児(アデノウイルス感染症+アセトン血性嘔吐症)と・・・8月3日(金)に頭痛と嘔吐と発熱を訴えて入院した11歳の女児(アデノウイルス感染症、無菌性髄膜炎の疑い、熱中症の疑い)の3人を退院させました(これで、一般小児科の入院の受け持ちが0になりましたが・・・)。
 私が、親御さんに「・・・退院!」と言うと、とても嬉しそうな顔を親御さんがします。実は、この時の嬉しそうな親御さんの顔を見ると、自然と、頑張って小児医療をやろうと言うモチベーションが確実に上がります。
 小児科医の場合(勤務で、地方の救急病院の場合)、その多くは、紹介せずに自分なりにそこで医療が出来ます。自分の判断で処方し、自分の判断で入院させ、自分の判断で退院させ、その先どうするかも、自分の判断ですることになります。(←もちろん、親御さんの了解が必要です。又、他の医療機関への紹介が必要と思えば、紹介状を書いて他の医療機関にお願いしますが・・・)
 自分のペースで治療が出来(←実際は、薬にしても、薬剤師さんからチェックされ、検査や入院中の治療の内容にしても、レセプトで、全てが上からチェックされていますが・・・)、代謝の盛んな子どもでは、結果が直ぐに出ます。
 車で例えれば、その多くが新車なので、そこだけ治せば良くなる感じで経過がいいことが大半なので、小児科医にとっては、とても助かります。当たり前ですが、良くなってくれることが小児科医のモチベーションになっています(←少なくとも、自分の場合はそうですが・・・)。
 それに、私の場合(他の小児科医も同じと思いますが)子どもから、沢山の「気」をもらっています。ありがとうございます・・・。

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小児科って(その1)・・・

2012-08-03 18:21:45 | Weblog
 「小児科は、二人分の医療費をもらうべき、一人は、子どもの診察代。もう一人は、(その多くは付き添いの)母親の診察代。子どもを治そうと思えば、母親から協力してもらわないといけない。その母親に説明して納得してもらうのが大変・・・だから、二人分・・・」と言われたベテランの老小児科医が身近にいましたが・・・←充分に納得できますね。
 私の場合でも、一番苦労するのは、病気の子どもを治すことよりも、親御さんへの説明ですね。こちらの説明が悪く取られて、トラブルになることも・・・。
 弁護士を通じての医療訴訟まで行くのは、小児科の場合、世間が思っている程、多くありません。しかし、ちょっとしたトラブルは、日常茶飯事って感じです・・・。
 他科のドクターから、以下の様に言われたことがありますが・・・。
その1)「あの泣き叫ぶ中で、どんな心境で小児科の先生達、診療しているんですかね・・・」(ある外科医)
その2)「子ども見るのはさほど厭じゃないですが、親はどうもね。今は、いろんな親がいるし、半端な知識でいろいろうるさく言ってくるから大変!私には出来ません・・・」(ある整形外科医)
その3)「イヤー、小児科の忙しさは半端じゃないですから・・・子ども(娘)が医大に行っていますが、小児科だけにはならない様に言っていますが・・・」(ある内科医)
その4)「小児科の先生、大変と思います。こちらは(お産でベビーを)出しさえすれば、後は小児科の先生がしてくれるからいいけど・・・小児科の先生、後、ずっとだから大変・・・」(ある産科医)
その5)「娘が小児科医をしていて、新生児担当で、たまたま途中で家(普段は親と別居生活)に帰って来て、娘を見てビックリした・・・やつれ顔で、髪は乱れ、目は落ち込み、化粧は全くしてなく、色気はなく、相手がいて結婚何てとても考えられなかった(相手がいてもゆっくりデート何て時間的に無理無理無理)・・・」(ある内科の開業医)

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原点に戻って・・・

2012-08-02 16:38:58 | Weblog
 今回のロンドン・オリンピックのバドミントンの試合で、今までないことが起きていました。
 素人の人間が見てもよく分かる感じで・・・真剣さが全く感じられなくて、無気力って感じの試合になっていて、会場からも終始ブーイングが・・・。で、勝ち残ってきた優秀なバドミントンの選手なのに、それが理由で、世界ランキング1位と3位と12位のチ-ムが、失格になっていました。
 中国と韓国とインドネシアの選手8人で・・・→中国と韓国の場合は、属するグループのリーグ戦で勝つと、次のトーナメントで、同じ国同士の選手と戦わないといけなくなるから・・・インドネシアの場合は、世界ランク1位の中国チームと戦わないといけなくなるから・・・と言うのが理由らしいのですが・・・?!
 高いお金を払ってこの試合を見に来ている人にとっては、「エッ、何これ!」って感じになって、罵声を浴びせたくもなるでしょう・・・!
 そもそも、平和の祭典のオリンピックの原点は何だったのか・・・クーベルタン男爵も、これを知って、遠くから泣いているかも知れない・・・?!
 勝ち負けばかりにこだわって、スポーツマンとしての原点を忘れたり、薬物を使ってまで勝とうとするのは、明らかにルール違反ですね。
 同じ様なこと、世の中には、沢山ありそうですが・・・?!
 皆から選ばれた政治家は、皆の為に政治をする人でないといけないし、それが出来る様に、周りも協力する必要があると思います。
 教育をする上では、その目的として、子どもの人格形成が一番問われるべきだと思います。それを無視した感じで、忙しさの為に、教師がいい教育が出来なかったり、教育委員会がしっかりと機能していなかったり・・・(更には、教師や教育委員科までもが、採用時に不正をしたりしていたり)・・・子どもたちに過剰に他人との競争心を植えつけられたりして・・・→それが原因で不登校になったり、イジメが起きたりしていたら、それはやはり、改めるべきでしょう・・・。
 医療の場合は、どうでしょうか?アメリカの医療は、ビジネスと割り切っている様ですが・・・?!

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「きららの里」の「夏祭り」で演奏・・・

2012-08-01 20:42:17 | Weblog
 8月1日(水)の午後1時半より、老人施設の「きららの里」の2階で、恒例の「夏祭り」があり、そのオープニングで、篠笛・和太鼓の演奏をしました。
 篠笛で、「宵待ち草」「会津磐梯山」「黒田節」「船頭小唄」と演奏して、盆踊り太鼓で、「炭坑節」と「龍ヶ岳音頭」を打ちました。篠笛の時は曲に合わせて唄って頂き、太鼓の時は、(真剣に聴いている感じの人が多かったのですが)手拍子を頂きました。自分としては、ほぼ満足の出来でしたが・・・。
 その後、手術室に入り、帝王切開に付きました。元気な男の子が産まれました。
 台風が来ているせいで、天気がも一って感じですが・・・雨はまだ降っていません(今から降るのかな?)。
 昨今、外来で、時間外に、熱の高い子がしばしば来院して、けいれんの子を続けざまに、3人受け持ちましたが・・・幸いに経過が良くて、ホッとしていますが・・・。
 大分県の郷里(佐伯)の温度を調べてみますと・・・→熊本県(牛深)よりも、上が3度、下が2度低い様です。大分県の東側は、新幹線が通ってなくて、交通の便があまり良くない感じですが、気温と台風の観点から見ると、恵まれている感じですが・・・?!
 人間って勝手なもので、暑い時は、寒い時の方がいいと思い、寒い時は、暑い時の方がいいと思う傾向にありますね・・・?!
http://www.youtube.com/watch?v=IzFVXd2tCiE&feature=youtu.be

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患者様・・・

2012-08-01 08:36:20 | Weblog
 多くの医療機関で、「患者様」って言葉を使っています。患者様中心の医療、響きはいいのですが・・・現実は、保険財政が厳しいし、スタッフ(特に田舎の病院での医師や看護師)はぎりぎりでしているし、そんな中で、一人一人、満足に行く医療をするのは、至難の業です。「患者さん」と言う言い方が私は好きなのですが、そして、「お医者さん」と言う言い方も好きなのですが、私の考え方、間違っているでしょうか・・・?
 小児科の外来でも、熱さましの座薬下さい、点滴して下さい、抗生剤下さい、レントゲン撮って下さい、検査して下さいと、昔と違って、患者様からの強い訴えが多いです。薬まで指定して来るケースもあります。その多くは、外来で支払うお金は、無料です。
 ある病院で、点滴がなかなか入らなくて、「45分間も入らなかった・・・子どもがは泣き叫んで傷だらけで・・・」って感じの投書があったり、「代診の医師でも前の主治医の処方をそのままするのが当り前では・・・」との苦情が病院にあったりと、医師にも手厳しい時代となりました・・・(医療側も、反省すべき所は、素直に反省すべきだと思いますが・・・)。
 患者さん側の医療側に対する不満、医療側の患者さん側に対する不満が増大すればするほど、患者様中心の医療とは、程遠くなる感じがして、この先が危ぶまれる気がしています・・・?!

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