四代目桶屋金之助の世界

おろかなるひとり言
胸を張れるような自慢話などはありません。
照れくさい話や恥ずかしい話ばかりです。

さよなら森田童子さん

2018-06-13 10:35:12 | 音楽
♪たとえば ぼくが死んだら
 そっと忘れてほしい
 淋しい時は ぼくの好きな
 菜の花畑で泣いてくれ

 ※『たとえば ぼくが死んだら』より

ほんとうに死んでしまったんだ、森田童子さん。
今朝の新聞、小さな記事。
でも自分にとっては大きなショック。
好きな歌手だった。

訃報を知ったのは昨日。
先日(6/10)に書いたブログ、
“森田童子『まぶしい夏』”に
ブロ友さんから死去のコメントが入って、それで知った。

♪地平線の向こうには 
 おかあさんと おなじやさしさがある
 だからぼくはいつも 地平線の向こうで
 死にたいと思います

 ※『地平線』より

友人の死をきっかけに歌を創りだしたという。
だからでしょうか、‘死’をイメージする歌が何曲かある。

♪今 ぼくははるか 死の意味を飛ぶ
 さよなら ぼくを愛さなかったともだちへ

 ※『終曲のために 第3番「友への手紙」』より

♪夏は淋しい 白いランニングシャツ
 安全カミソリがやさしく ぼくの手首が走る

 ※『逆光線』より

森田童子さんの歌の世界には、
悲しい、寂しい、泣くなどの言葉などが頻繁にでてくる。
そして、自分を‘ぼく’と言い、相手を‘君’と表現して歌っていた。

♪長い髪をかきあげて 
 ひげをはやした やさしい君は
 ひとりぼっちで ひとごみを
 歩いていたネ
 さよなら ぼくの ともだち

 ※『さよなら ぼくの ともだち』より

高校生のころ、深夜放送から流れてきた『さよなら ぼくの ともだち』
いつのまにか森田童子の世界に入っていた。
そしてなぜか涙が出そうになったことを覚えている。
70年代青春、挫折、それが胸に突き刺される。

♪春のこもれ陽の中で 君のやさしさに
 うもれていたぼくは 弱虫だったんだヨネ

 ※『ぼくたちの失敗』より

この歌が発表された10数年後に
TVドラマ「高校教師」の主題歌になりヒットとなる。
すでにこの時点では活動を停止している。
テレビ局から出演の依頼があっても表舞台には一切でなかった。
カーリーヘアーにサングラス。
素顔はださなかった。
そがまたよかった。

今朝から森田童子のアルバム(CD)を流している。
「グッドバイ」、「マザースカイ」、「友への手紙 自選集」
そして、唯一のライブアルバム「東京カテドラル聖マリア大聖堂 録音盤」
つぶやくように観客に語りかけている。

僕のすきな歌の中に『センチメンタル通り』がある。
♪いつかこの街すてる時
 君はひとりで 出てゆけるかい
 みんな夕方になると 集まった映画館
 すっかりさびれて しまったけれど
 今夜は久しぶりに 君とロックハドソンの
 ジャイアンツでも しみじみ見たい気持ちだネ

今日は森田童子さんの歌(詩)の世界をしみじみと聴きたい気持ちだね。
この後はラストアルバムになった『狼少年』でも聴こう。

ライブアルバムの『さよなら ぼくの ともだち』の冒頭で語りかけている
‘君と僕は、同じ線で結ばれた友だちという、
 やさしい放浪者だった。君と二人して、
 夜明けの街の荒々しい空気に酔いしれて、
 二人はさまよった。何時か、君と僕は、
 同じ線で結ばれた友だちという、やさしい放浪者だった。
 さよなら ぼくの ともだち’

さよなら森田童子さん。
ご冥福をお祈り申し上げます。 
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする