音展のようなオーディオショウでは、馴染のない製品も聴くことができる機会だといえます。
レビュー後編となる今回は、
私自身、初めて聴いたスピーカーを取り上げてみようと思います。
<DIASOL>(2F C)
三菱電機「DIATONE」の流れをくむハイエンドスピーカー「DIASOL i」。
4機搭載された「B4C」ツイーターは、他のダイヤモンドやベリリウムでは聴けないサウンドを放っていました。硬さだけでなく内部損失が高いせいか、よりピュアで力強い高域となっています。あえて言えばセラミックスツイーターに近い雰囲気かもしれません。
ミッドとウーハーは独自素材のものでしたが、ちょっとツイーターの存在感に追随できていない感じです。特に、デジタルアンプで駆動されるウーハーは、いかにも「サブウーハー」という感じの音なので、好みが分かれそうです。(コンパクトながら20Hz台のサウンドが出るのは凄いのですが)
値段としてはペア1000万円ですが、この存在価値は「B4C」ツイーターになるのではないでしょうか。DIATONEの中古品は割れやすい素材ゆえに流通量も限られていますし、カノン5Dのような「DIATONEを知らない子供たち」が増えていくなかでは技術遺産的存在価値があるスピーカーだと思いました。
<Technics>(3F北3)
復活して話題になっていたTechnicsですが、ようやく聴くことができました。
平面同軸振動板をもつ「SB-R1」は、シームレスで癖のない音色。この雰囲気は当時のフラッグシップ「SB-M10000」を思い起こさせるものがあります。ちょっぴり奥まった表現が気になりましたが、吸音材の量を調整すれば大丈夫でしょう。
現代的な要素は、ウーハーの解像度です。今回は新製品のプリメインアンプで駆動されていましたが、締まりのある低域はライバルのTAD「E1」に負けていないかもしれません。
<Focal、B&W(逸品館)>(西7)
圧倒的な物量は、このショウへの意気込みを感じさせるものでした。
Focalは、Electra 「1028BE」と「SOPRA」を聴くことができましたが、フリースタンディング設置であった「1028BE」のヌケの良いサウンドが印象的でした。
B&W「804 D3」は完全に「かませ犬」状態でしたが(?)、やや音に硬さがある印象です。以前のDiamondシリーズの方が、しなやかさを感じることができるのはエージングのせいでしょうか?
ここの素晴らしさは、プレゼンの上手さです。
職業柄というのもあると思いますが、他のブースでは何を言っているのかすらわからない、終始音楽の説明をしていて機材の特徴すら分からないという惨状のなか、一線を画するものがありました。
<花田スピーカー研究所>(2F B)
こちらも素晴らしいプレゼン、、、というか「B&W 805Dとの対決」という強烈なデモでした。
私の感覚ではB&Wのほうが優勢だったように感じましたが(汗)、デモの意気込み、意図するポイントは明確に伝わってきました。デモのために、リアルタイムで切り替えるシステムを作ってしまったりと、もはや脱帽ものです。
<デイプラネット>(2F 205)
(写真はPhile-web記事より)
特徴的なスピーカー「jazzman」を発表。ブックシェルフタイプのサイズ(奥行きは20cmぐらい?)の後面解放箱なのに、野太い低音が出てくる・・・という、摩訶不思議なシステムです。
聴くことができたのは数分でしたが、煙っぽいJAZZの雰囲気は見事だと思いました。
<Teragaki-Labo>(2F 201)
こちらもチョイ聞きでしたが、独特の雰囲気のスピーカーです。
従来のスピーカー評価軸ではただのナローレンジなのですが、本機の魅力はもっと他にありそうです。
<WRAPSOUN>(2F 205)
8角形の形状をもつスピーカー。
時間のため、チョイ聞きしかできず。
<AZISound>(2F E)
面白い形のスピーカー。「CUE」は無指向性タイプで、超柔らかいサウンドです。ベッドサイドに置いておきたい一品でしょうか。
まだまだ面白いスピーカーがあったようですが、
見聞きできたのは、これで全てです。
特設会場でポンと置いても、実力の5割、いや2割程度のサウンドになってしまうのは私も経験済みで、出展社の皆さんもさぞかし苦労されたかと思います。
そんな中で、やはり「プレゼン」は大切だとカノン5Dは思っています。どういう意図で設計して、どういう再生音で、どういう音楽で聴いて(驚いて)ほしいのか。せっかく技術の方がいらっしゃっているのだから、もっとアピールして欲しいものです。
この音展は平均年齢も若く(40才ぐらい?)、また来年も活気のあるオーディオショウを期待することが出来そうです。
音展2015(オーディオ・ホームシアター展 2015) スピーカーレビュー -終-
レビュー後編となる今回は、
私自身、初めて聴いたスピーカーを取り上げてみようと思います。
<DIASOL>(2F C)
三菱電機「DIATONE」の流れをくむハイエンドスピーカー「DIASOL i」。
4機搭載された「B4C」ツイーターは、他のダイヤモンドやベリリウムでは聴けないサウンドを放っていました。硬さだけでなく内部損失が高いせいか、よりピュアで力強い高域となっています。あえて言えばセラミックスツイーターに近い雰囲気かもしれません。
ミッドとウーハーは独自素材のものでしたが、ちょっとツイーターの存在感に追随できていない感じです。特に、デジタルアンプで駆動されるウーハーは、いかにも「サブウーハー」という感じの音なので、好みが分かれそうです。(コンパクトながら20Hz台のサウンドが出るのは凄いのですが)
値段としてはペア1000万円ですが、この存在価値は「B4C」ツイーターになるのではないでしょうか。DIATONEの中古品は割れやすい素材ゆえに流通量も限られていますし、カノン5Dのような「DIATONEを知らない子供たち」が増えていくなかでは技術遺産的存在価値があるスピーカーだと思いました。
<Technics>(3F北3)
復活して話題になっていたTechnicsですが、ようやく聴くことができました。
平面同軸振動板をもつ「SB-R1」は、シームレスで癖のない音色。この雰囲気は当時のフラッグシップ「SB-M10000」を思い起こさせるものがあります。ちょっぴり奥まった表現が気になりましたが、吸音材の量を調整すれば大丈夫でしょう。
現代的な要素は、ウーハーの解像度です。今回は新製品のプリメインアンプで駆動されていましたが、締まりのある低域はライバルのTAD「E1」に負けていないかもしれません。
<Focal、B&W(逸品館)>(西7)
圧倒的な物量は、このショウへの意気込みを感じさせるものでした。
Focalは、Electra 「1028BE」と「SOPRA」を聴くことができましたが、フリースタンディング設置であった「1028BE」のヌケの良いサウンドが印象的でした。
B&W「804 D3」は完全に「かませ犬」状態でしたが(?)、やや音に硬さがある印象です。以前のDiamondシリーズの方が、しなやかさを感じることができるのはエージングのせいでしょうか?
ここの素晴らしさは、プレゼンの上手さです。
職業柄というのもあると思いますが、他のブースでは何を言っているのかすらわからない、終始音楽の説明をしていて機材の特徴すら分からないという惨状のなか、一線を画するものがありました。
<花田スピーカー研究所>(2F B)
こちらも素晴らしいプレゼン、、、というか「B&W 805Dとの対決」という強烈なデモでした。
私の感覚ではB&Wのほうが優勢だったように感じましたが(汗)、デモの意気込み、意図するポイントは明確に伝わってきました。デモのために、リアルタイムで切り替えるシステムを作ってしまったりと、もはや脱帽ものです。
<デイプラネット>(2F 205)
(写真はPhile-web記事より)
特徴的なスピーカー「jazzman」を発表。ブックシェルフタイプのサイズ(奥行きは20cmぐらい?)の後面解放箱なのに、野太い低音が出てくる・・・という、摩訶不思議なシステムです。
聴くことができたのは数分でしたが、煙っぽいJAZZの雰囲気は見事だと思いました。
<Teragaki-Labo>(2F 201)
こちらもチョイ聞きでしたが、独特の雰囲気のスピーカーです。
従来のスピーカー評価軸ではただのナローレンジなのですが、本機の魅力はもっと他にありそうです。
<WRAPSOUN>(2F 205)
8角形の形状をもつスピーカー。
時間のため、チョイ聞きしかできず。
<AZISound>(2F E)
面白い形のスピーカー。「CUE」は無指向性タイプで、超柔らかいサウンドです。ベッドサイドに置いておきたい一品でしょうか。
まだまだ面白いスピーカーがあったようですが、
見聞きできたのは、これで全てです。
特設会場でポンと置いても、実力の5割、いや2割程度のサウンドになってしまうのは私も経験済みで、出展社の皆さんもさぞかし苦労されたかと思います。
そんな中で、やはり「プレゼン」は大切だとカノン5Dは思っています。どういう意図で設計して、どういう再生音で、どういう音楽で聴いて(驚いて)ほしいのか。せっかく技術の方がいらっしゃっているのだから、もっとアピールして欲しいものです。
この音展は平均年齢も若く(40才ぐらい?)、また来年も活気のあるオーディオショウを期待することが出来そうです。
音展2015(オーディオ・ホームシアター展 2015) スピーカーレビュー -終-
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