日産の前会長ゴーンさんが保釈されるかと思いきや東京地検特捜部は、特別背任で再々逮捕するという手段に打って出ました。
「前会長は自分の資産管理会社と銀行との間で、金融派生商品であるスワップ取引を契約していたが、2008年秋のリーマン・ショックの前後に多額の評価損が発生した。同年10月、契約の権利を資産管理会社から日産に移すことで、約18億5千万円の評価損を負担する義務を日産に負わせた疑いがある。」(ネットニュースより)
ということで、計約91億円の役員報酬を有価証券報告書に記載しなかったとする金融商品取引法違反の疑いで2回逮捕され、今回の特別背任での逮捕と日産を私物化するような行為を続けていたようです。
倒産寸前に追い込まれていた日産を工場閉鎖による大量リストラでV字回復させ、出身会社のルノーを上回る自動車会社として復活させた功績は大きいものの、その実績を背景に長年やりたい放題…。
最近では、ルノー株の多くを有するフランス政府の意向も絡んで、日産をルノーの傘下に置き、実質的にルノー・日産・三菱自動車をフランスの自動車会社として統合しようなんていう画策をしていたようです。
フランス政府は、この計画で世界有数の自動車会社を手中に収め、雇用拡大を図っていたとも言われています。
その計画に待ったをかけたのが日本政府?…。
日産・三菱自動車という基幹産業をフランス政府の思うようにしてはアカンという意思が検察に伝わり、今回のゴーンさん逮捕でフランス政府の自由にはさせないという思惑が働いたのではないでしょうか?
世界からは、特捜部の事件を小出しにして再逮捕で拘留期間を延ばすやり方に批難が集まっていますが、これが日本の検察組織のやり方です。
「痴漢」のような事件でさえ、そうなのですから、ゴーンさんのような国策絡みの事件では、特に容疑者を取り逃がすようなことがあってはならんというのが本音でしょう。
保釈なんぞしようもんなら、証拠隠滅と日産内部での権力闘争にやられてしまうかもしれないということもあり、絶対に拘置所から出せないということです。
これから日産や三菱自動車が日本の企業として活動するためには、フランス政府やルノーの魔手から逃れるすべを考えなければなりません。
現段階では、日産の株式を40数パーセントも保有しているルノーの思惑でしか会社を動かせない状態ですから、まずはルノーから株式の譲渡を図らなければならず、ルノーの株式を持つフランス政府の同意を取り付けなければなりません。
ここで日本政府がどう動くか注目です。
国内政治では、有無を言わせず強引な手法をとっている安倍さんですが、海外ではイイ顔しいの彼がフランスに対してどこまで頑張れるのか?
フランスは国を上げて対抗する姿勢を見せているのに、日本政府は今のところ企業内で解決する問題としています。
この情熱の違いが日本にとって大きな損失にならなければいいが…と、心配になってしまいます。