国会では、岸田新総理の所信表明演説を受けて、与野党の代表質問が行われています。
これが終われば14日には解散が決まっているので、総理は足元を掬われないように、そして野党は存在感を示すために必死になっているようです。
岸田総理の答弁には総裁選に立候補表明した頃の勢いがなく、野党は「自民党は変われない」から野党を応援してとばかりの内容で、まったく心に響きません。
特に、コロナ禍後の経済再生を巡っては、岸田氏が以前から「所得倍増」とか「成長と配分」について話していますが、今の冷え切った日本の経済状態はコロナ禍の前から続いていて、岸田さんは「野党政権の失敗のツケだ」と言っていますが、9年も続いた安倍・菅政権で語ったアベノミクスで株価は上昇したものの、「三本の矢」の一本は折れたまま(国民所得の増加)一般国民の懐具合は減っていく一方で何の豊かさも感じられません。
そのアベノミクスを継承するような岸田総理の答弁には、期待感が沸いてきません。
だから、お手盛り支持率も50%そこそこという低さです。
昨日は「成長なくして配分なし」という旧態依然とした論理を展開して、結局アベノミクスと同様の「企業の経済成長がなければ配分もない」と言っています。
野党は、これと逆に「配分をすればお金が回り、企業が儲かって成長を促せる」と真逆の理論で対抗していますが、お金がない(特に国は借金まみれ)のに、誰がどうやって先に配分するのかが明確ではありません。
今の日本では、小泉政権時代から推進してきた「非正規雇用者」比率が高くなり、コロナ禍のような経済が停滞し、企業が儲からない時には、簡単に会社が人員整理できる状態になっています。
これでは、弱い立場の労働者やその家族は生きていけません。
「企業が倒産したら元も子もない」と言いたいのでしょうが、簡単に行える人員整理で収入がなくなった人がお金を使えるでしょうか。
収入がないから使えないし、当然巷にお金が回らない…、企業が潤う訳がなく、一部の潤ってる会社のお金は内部に蓄積され、会社に残った人も雇用者が減ってるからその分仕事も増えて長時間労働で苦しんでいます。
こんな状況なのに「配分」だの、「成長」だのと呑気な議論をしてる議員さんたちは、本当に世間知らずの大馬鹿もんです。
何が今の状況を生み出したのか、「政財界」のお偉方が二十年以上かけて作り上げてきた日本社会の「負の遺産」のことをよ~く考えて欲しいもんです。