こんにちは。社会保険労務士の大澤朝子です。
きょうは、年金番号のお話しです。正確には「基礎年金番号」といいますが。
日本国民は、原則20歳になると全員、自動的に年金番号(基礎年金番号)が付されます。
この基礎年金番号は住民票のデータを使いますので、本人は何もしなくていいのです。
(注:20歳前に会社に就職して厚生年金保険に加入した場合は、その時点で基礎年金番号
が付されます。これは、会社の手続きにより行われます。)
さて、この基礎年金番号は、生涯一つの番号で管理していきます。
年金記録は、原則として20歳から40年以上も管理していくわけですので、いくつもあっては
権利が分散されてしまいます。ですから、原則として一つです。
ところが、転職先になどに「年金手帳」を出さなかったばかりに、年金記録上、検索しても
その方の基礎年金番号が見つからなかったなどの事情で、
新たに基礎年金番号が付されてしまうことがあります。
新たに基礎年金番号が付されてしまいますと、前の基礎年金番号の記録が
誰のものでもない、宙に浮いた年金記録になってしまいます。
つまり、これまで納めてきた前の基礎年金番号の年金保険料が
全く、自分自身の年金額に反映されないことになります。
これは、考えたら怖いことではありませんか?
お金を払ったのに、その分の年金がもらえないんですから・・・。
転職先に年金手帳を提出しない理由は、前の職歴がわかってしまう・・・、
納めていなかった国民年金保険料の請求が来るのではないか・・・、
とにかく他人に手渡すのがもったいない・・・、
などの理由のようですが、自分の納めた年金保険料を一括管理できる
一つの「基礎年金番号」で資格を取得し、生涯一貫して年金記録を伸ばしていく方が
”お得”なのは言うまでもありません。
社労士事務所を経営してますと、驚くなかれ、
この「入社してきても年金手帳を出さない」人の割合は、比較的多いのが現状です。
そのため、私の事務所では、入社時に必ず年金手帳を出してもらうように、固く顧問先
さんに申し上げています。
”消えた年金記録”は、実は、こんなところから端を発していますから、皆さん、
年金手帳は、もったいながらずに、必ず転職先の人事課等にご提出くださいね。
明日、元気だったら、この続きを書きたいと思います。