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木材の呼称について

2009年01月07日 | 材料の呼称
パーフェローは別名「サントスローズウッド」「ボリビアンローズウッド」などと呼ばれることもある、と昨日ご紹介しました。しかし、実は全くローズウッドではないのです。
木材の流通過程において、木目が似ているため違う木材でも同じ名前で呼ばれたり、或いは目的等によって様々な呼称が生まれるようですが、当然混乱も生じるので、種類を正確に特定するためには、ラテン語の学名を使う必要があります。最初に属名、次に種名という二名法で特定します。
例えばインディアンローズウッドの学名は Dalbergia latiforia、「Dalbergia属のlatifolia種」ということです。一般的に「ハカランダ」と呼ばれるブラジリアンローズウッドはDalbergia nigra、ココボロは Dalbergia resta、「ニューハカランダ」と呼ばれるマダガスカルローズウッドは Dalbergia baronii、アフリカンブラックウッドは、ブラックウッドと呼ばれながらも、Dalbergia melanoxylonなので、ローズウッドの仲間であることに間違いはありません。
(余談ですが、「ニューハカランダ」という名前を最初に聞いた時は「最近伐採されたハカランダ」と誤解してしまいました。この名前を詳細に読み解くと「ハカランダ(Dalbergia nigra)ではないけれども、似ているので、これを新しく、ハカランダと呼ぼう」ということで「ニュー」なのではないか、と私は考えています。)

話は長くなっていますが、ではパーフェローはというと、学名は Machaerium spp.(*)で、これまで上げた木材の属とは全く違うことがわかります。ということは、Dalbergia属がローズウッドと呼ばれるのであれば、パーフェローはDalbergiaではないので、ローズウッドと呼ぶべきではないのです。属が違えば、性質も当然違います。「サントスローズウッド」などと呼ぶと、いかにもローズウッド(Dalbergia)に近い材料だと誤解されかねません。混乱を避けるためにも、やはりパーフェローと呼ばれるべきでしょう。

尚、それぞれの木材の呼称に関しては各種異論があり、また、分類学的な属と種の話やラテン語に関しては専門家ではありませんので、もし間違いがあればご指摘願います。

(*)spp.というのは、属まではわかるが、どのような種かまでは特定はできていない、ということだと思われます。当然Machaerium ○○○○というのは存在するはずですが、具体的な名前のパーフェローを、今のところ私は知りません。知っている方は是非教えて下さい。

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