「桜咲いてる展勝地見たことない」とカミさんが言うので、行ってみることにした。オレは何度か見たこともあるのだが、さすがに日本のさくら名所100選、みちのく三大桜名所にもなっているだけのことはあり、何度見ても良いものである。
以前行ったときには、ちょうど「おいらん道中」の行われてる日で、満開の桜のもと、絢爛豪華な花魁が(参加者には、北上市民劇場で旧知の面々がいて、そういう意味でも面白かった)外八文字でゆっくりと歩いて行った。
まあ、それ以来の満開展勝地となる。駐車場が有料&渋滞になるので、ちょっと離れたところに車を置いて、土手を歩いて行くことにする。最初はうっかり離れすぎているところに停めてしまい、しばらく歩いてから「こりゃちょっと遠すぎるな」となり、改めてやや近いところに停め直した。
徐々に近づいてくる桜並木は、八分咲きといったところで、見頃になってきている。とても暖かかったので、もしかしたら帰る頃には、満開になっている可能性もある。老木が多いこともあり、一本の木に付く花の数はややまばらになっているものもあるが、さすがの桜回廊である。
途中には、いつもは楽天の球場でパフォーマンスをしているジャグラーが来ていたり、パンフルートを演奏する外国人っぽいグループがあったり、岡山から猿回しが来ていたりと、お祭り気分が盛り上がっている。
そして展勝地と言えば「餅」である。つきたての餅をさまざまな味付けで売っているのである。そして、うちのカミさんは、オレに「餅に対する愛情が足りない!」と説教するくらいの餅好きなので、ここに来たら絶対に餅を食わねばならぬのだ。
岩手で餅と言えば一関地方で、彼の地では、一説によると年間60回も餅をつく行事があるという。年間60回って……え? 週1回以上? 毎週1回以上餅ついてんの? いやまあ、現在ではそんなについてないと思うけど、とにかくまあ、そんなことを聞いたことがある。
でまあ、餅はハレの日の食べ物で、つまりそれはごちそうということなんだけど、それにはどんな背景があるのだろうか? これも聞いた話で確証は特にないのだが、モチ米を作る田んぼは、1番条件の良いところを選ぶという。いくつかある田んぼの中で最も良い田んぼを選んで作るのだそうだ。また、1日のうちで日陰になる時間が無いような場所を選ぶという。つまり、モチ米は選ばれた場所でのみ栽培される、言わばエリートのような米なのだそうだ。
とまあ餅に関する豆知識などを頭に思い浮かべながら、桜を眺めつつ餅を食うぜいたくである。
そんなこんなで桜と餅を堪能し、車まで帰る途中、明らかに行きより花が開いている。わずが1~2時間で満開を迎えてくれたようだ。ありがたいことである。
満開の展勝地を後にし、さて、何かお土産的なものを……はた! やはり北上に来たら「カケタの唐揚げ」を買わねばなるまい。というわけでカケタ養鶏所直売所で、ムネとモモを1枚ずつ購入。
北上には唐揚げの名店「カケタ」VS「すえひろ」の構図があるらしいのだが、まあどちらも美味しいことは間違いない。
桜と餅と唐揚げ、なんか花より団子だな。あ、ミシェルの石窯工房にも寄ったんだけど、さらに花より団子になってしまうので、とりあえずこのくらいで。
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