連休初日の4月29日、御所野縄文公園を回ってお昼になったので、古民家レストラン「うらら亭」を目指す。すぐ近所で、その気になれば歩いても行けそうな距離である。
2、3組先客がいたのだが、1時近い時間だったので、あらかた終了な感じだった。「今お水お持ちしますね」と、案内されたのは座敷の席。座卓は津軽塗だった。うーむ、由緒正しそうだ。つるし雛がたくさんあって、華やかなんだか不気味なんだか不思議な空間になっている。
こんな感じ。女将さんが1人で切り盛りしてる風で、結構待たされるのだが、急ぐ用事も無いし、きょろきょろしてるだけで古民家は楽しい。平安朝の屏風があったり、欄間の細工が面白かったり、梁がぶっとかったりと興味深い。
しばらくすると、注文を取りに来てくれた。パスタとカレーのランチセットをお願いする。待ってる間にと、女将さんがファイルを見せてくれた。そのファイルは、孫娘がこの古民家について調べた自由研究と、これまで「うらら亭」の記事が掲載された新聞をまとめたもの。どうやら元々は八戸でレストランを開いていたらしく、実家の古民家に移転してきたようだった。自由研究によれば、床の間のある奥の部屋には、くせ者対応のための槍があるという。それは客の目から見えない位置の長押に二本備えられていた。古民家自体は築150年ほどのようだが、その100年前からのこの地に住んでいたという。古くは蚕を飼っていたらしく、その頃の家は、白川郷などの合掌造りのようなものだったらしい。
そうこうしてキョロキョロして、ファイルを読み切ったあたりで、パスタとカレーが到着。食べ始めてから、水が来ていないことに気づく。お願いすると「あらごめんなさい」とうっかり忘れていた模様。「お水も美味しいですよ」と持ってきてくれた水は、その言葉に違わず美味しい水だった。食後のコーヒーは、この水で水出しコーヒーにしているらしい。
美味しくデザート付きのランチを平らげて、さて会計、と立ち上がったところからが本番だった。
他のお客さんもハケたところだったので、古民家の説明をしてくれたのだ。まずここには座敷わらしがいるらしく、願い事をするとかなうらしい。そして良いことがあったりするらしい。グーグルマップでは中まで撮影されていて。床の間には、ピンク色のとオーブが写っている。そしてそれを拡大してくると、子どもの顔になっているという。拡大してみてください。・・・確かに・・・。
「スマホお使いですか?」と聞くので「はい」と答えると「カメラモードにしてください」有無を言わさぬ迫力である。で、撮った画像が
である。オーブが写ってるとなんか良いことがあるらしいが、この画像にその気配はない。このあと、映像モードにして、1往復の撮影も薦められて、撮ってみた。床柱のエンジュを撫でながら、願い事をするとかなえてくれるということで、ちゃんとお祈りしてきた。
ここは大矢家といい、敦賀から初代がやって来たそうである。盛岡市長を務めた大矢馬太郎なども、元を正せばこの家からだという。大矢家250年祭などという、他の家ではちょっと考えられない、一族大集合祭りみたいなことも何年か前に開催されたらしい。御所野縄文公園も、側を通るバイパスも元は大矢家の土地らしく、とにかくもう財閥である。商家だったというが、なんの商売だったのだろう? と聞くのを忘れた。蚕をやっていたということは、このあたりのをまとめて、生糸の商売でもやっていたのかしら? まあそれは聞いてみないとわからない。
ここを取材などで訪ねた後、いろいろと良いことがあったとの報告もあるらしく、嬉しそうに話してくれた。会計をしているとその傍らに、1メートルくらいの高さがある、ガラスの水出しコーヒーメーカー(っていうのかな?)がある。これで毎日6時間かけてコーヒーを抽出しているのだという。雑味がなくスッキリとしたコーヒーだった。
レジのあるところは脇に台所、奥にトイレがあって、是非トイレも見ていって、といわれたので見てきた。確かに昔の戸で、傍らには便所のフタも二つあった。
一戸の御所野縄文公園にほど近い「うらら亭」。時間に余裕を持って訪ねてみると良いでしょう。ああ面白かった。
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