グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

水棲爬虫類の正体は・・母は強し編。

2013-09-04 18:44:06 | Weblog
水棲爬虫類の正体は・・母は強し編。
〔恐竜か、大海蛇か、海で巨大爬虫類に遭遇した話のつづきです。〕

話は、数年前にさかのぼります。

サンゴの群生する南西諸島や沖縄は、島全体を巨大なサンゴ礁が取り
囲みます。サンゴ礁の内側は リーフとよばれる巨大な浅瀬の海。その
リーフの外周であるサンゴの壁を越えると、一機に深い外洋が広がりま
す。

そんな南西諸島でダイビングに興じていたある日・・・ボンベを背負って
水中を沖へ向かう自分は、リーフの内側から外洋に向かおうと、サンゴの
壁に沿い水面に向かって垂直に泳ぎます。ちょうど同じ時間、サンゴの壁
の向こう側では、自分とは逆に、外洋からリーフの内側に入ってこようとし
た生物がいた。外洋の深い場所から自分とちょうど反対側のサンゴの壁に
そって、その生物は水面方向に垂直に泳いできたわけです。 

水面下2メートル、サンゴの壁を越えた瞬間に、自分の視界に飛び込ん
できたのは、巨大な爬虫類の頭!じつは、このときも、「恐竜!」とおも
ってしまったのです/苦笑。

そう、その正体は体長1.5メートルを超えるアカウミガメです。

立ち泳ぎしてきたカメの顔・・水中10センチほどの至近距離でみるカメ
の顔は、とても巨大でした。
・・・あまりの偶然に、しばらく固まる両者。自分は呼吸することも忘れ
てカメの目をみつづけていました。不思議なことに、むこうもこちらをみ
て、固まっていたのは、ご愛嬌です/大笑。

かんがえてみれば、むこうもだっておどろきますよね。壁を越えたと思っ
た瞬間に、目の前にマスクをつけた人間がいたのですから。


さて、時間をもどして西日本の砂浜。ほうりだしたサーフボードの横に
座って、やっと正気に戻りました。海面から頭を突き出して、こちらを
みる巨大水棲爬虫類の正体・・・それは波待ちするサーファーを立ち泳
ぎで監視するお母さんアカウミガメの姿です。

産卵に訪れるアカウミガメは、これとおもった陸地に近づき、もっとも
外敵の少なくなる時間〔深夜から早朝〕まで、陸地ちかくの海中で待機
します。それはそうですよね、メスのアカウミガメにとって、陸上にあ
がるのは、出生直後と産卵時だけなのですから。
最近の観察記録では、深夜から早朝の時間帯に、たとえば車のヘッドラ
イトや住宅の明かりがみえただけでも、産卵場所をかえるために移動す
るといった研究報告もあるほどなんですよ。
彼女たちは、産卵場所と外敵の存在〔たとえば野犬など〕をじっくり吟
味し、そして観察しているのです。

・・彼女らにとって危険な場所であるそんな陸地に命がけであがってく
るカメ。その姿には頭が下がります。まさに、母は強しです。おもえば、
そんな「母の情念」といったものを無意識に感じるからこそ、人はカメ
の視線を、より強烈に感じてしまうものなのでしょう。


さいごに一言・・いやしかし、大ウミヘビやニューネッシーでなくて
よかったです。喰われなくて、ほんとによかった/ホッ。


注〕アカウミガメ

  体色は赤褐色から黄褐色で、ウミガメ類中最も北で産卵する。貝類
  や甲殻類などの動物性の固いものを食べるため、他のウミガメに比
  べて頭部が頑丈で大きい。温帯域から熱帯域の砂浜を産卵地とし、
  本種の主要な産卵地は日本である。本種の産卵期は八重山諸島で
  四月上旬に始まり、本州では五月下旬に始まって八月まで続く。砂
  浜を掘って一度に60から100個ほど産卵。環境庁(現環境省)編纂の
  『日本版レッドデータブック』で希少種―個体数が少なく、存続基盤
  が脆弱な種―に挙げられている。アカウミガメを含むウミガメ科の全
  種は、ワシントン条約の附属書1 に記載され、商業目的の取引は
  禁止されている。


注〕ちなみにプレシオザウルスなど/全国こども電話相談室より

◎ 地形の起伏にとんだ山国・日本・・・・田舎は、まだまだ生物の宝庫です。。

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