グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

残さずにしっかり活用。土中養分。

2018-04-26 14:47:57 | Weblog
残さずにしっかり活用。土中養分。05.14K

今シーズンのハウス栽培も、いよいよ収穫を終了する時期が近くになってき
ました。この時期の土壌管理で大切となるのは

 ​収穫の過程でたまりがちになっている養分を使い切る​

こと。そのためには作物の生育をよくよく観察し → 生育診断は こちら

 ​過剰となっている養分を減らし・足らなくなっている養分を加える​

ことで、無駄のない栽培をこころがけることが大切になります。

さてそこで、どのような養分が不足し・どのような成分が残りがちになるの
かといえば・・・この時期の生育診断や土壌検査を実施している経験では

 ​チッソ分が残り、リンサンにカリ・そして石灰や苦土が不足する​

といった傾向が見られるケース が多いようにかんじられます。ということ
で、果実の生理障害である 先端部の枯れや尻腐れ果の発生を予防して上質
の果実をたくさん収穫するためには、バランスのとれた施肥管理を実施する
ることが栽培のポイントとなります。

具体的には

  リンサン・苦土不足には  タイミング2号 
  リンサン・カリ不足には  PKカスタム 追肥したあと かん水
  カリ不足には       カリショット
  カルシウム不足には    ライムショット    
  苦土不足には       マグショット     

といった、[チッソ分を含まない]ミネラル資材の、それぞれの状況に応じた
かん水時の利用をお薦めしています。よろしかったら、ご参考に。


晴れ 作物の状態を観察することで、対処方法を考えること。それが
  大切だと思うんです。そのうえで次回作のための準備をします。
  そんな話は こちら

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜




マダニ被害を防ぐためにも農作業時の服装はしっかりと。

2018-04-24 13:53:00 | Weblog
のマダニ被害を防ぐためにも農作業時の服装はしっかりと。

最低気温が15度ちかくになってきた南九州地方。例年より昆虫の発生が
おそかったとはいえ、さっそくのヤブ蚊被害などもではじめたようです。
そんななか心配されるのは、春先のマダニ被害。とくに畜産農家の畜舎に
タヌキやアナグマの出没しはじめたような地域や、タケノコやシイタケを
栽培しているウラ山などにシカやイノシシが増えてきた地域では要注意で
す。転ばぬ先の杖・・しっかりと防除してまいりましょう。

 ↓

『マダニ被害を防ぐためにも農作業時の服装はしっかりと。』

県内で シカやイノシシ・サルなどによる鳥獣被害 が 広がっています。
最近では単に農地への侵入などはおさまらず、畜舎などへの侵入による
家畜飼料の食被害が発生している地区さえあるとの報告もあるようです。

そのような野生動物の侵入が一般的となった地区において、充分に注意
しておかねばならないこと があります。それが

 「重症熱性血小板減少症候群/SFTS」 

対策です。

ご存知のように、この マダニが媒介するSFTS は、発熱や下痢などの
症状が続き、有効な治療法のないまま最悪の場合は死亡することもある
怖い病気です。野生動物を目撃したり、姿が見えなくても被害を確認した
りした場合は、〔農作業時はもちろんのこととして]裏山にいく場合などで
あっても[マダニ被害に逢わないに]肌を露出しないような服装をすること
をこころがけましょう。 → 関連記事は こちら 。

そんなマダニ被害から身を守る服装例ですが、

ののののののののののののののの農作業時の服装.png

   首にはタオルなどをまき、首筋をださない
   シャツのそで口は 手袋の中に入れる
   シャツの裾は ズボンの中に入れる
   ズボンの裾は 長靴の中に入れる

といったようなものになりますよ[図をご参考に]。

ここ 宮崎県が全国でもっともSFTSにかかった患者数が多い県である
という現実を みなで共有してまいりましょう。


晴れ  健全な農家経営に必要なもの、それはまずはなんといっても
  経営者の健康です。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染




環境にやさしい農業とは。

2018-04-19 15:47:22 | Weblog
環境にやさしい農業とは。K

前回の資料分として、ご参考に。

 ↓

『環境にやさしい農業とは・・・』

畜産農業であれば環境省によって強化された牛やブタなどの畜舎から生じ
る排水中の硝酸態チッソと亜硝酸態チッソ
の暫定基準値〔1リットルあたり
600ミリグラムという基準〕をきちんと守っている農家さんのおこなう農
業であると思います。


ののののの 硝酸態窒素規正アップ.jpg 硝酸態窒素規正アップ全体.jpg


なんといっても 水質汚濁防止法に基づくアンモニア、アンモニウム化合
物、亜硝酸化合物及び硝酸化合物(硝酸性窒素等)の一般排水基準につい
ては、

 1リットル当り100ミリグラム

という数字なのですから[せめて 暫定基準値である 1リットルあたり
600ミリグラムという基準は守ってもらいたい→ 農水資料は、こちら]。


そして耕種農家であれば、家畜ふん尿たい肥の施肥量をきちんと適量使用
されている農家さんのおこなう農業であると思います。

栽培する作物が生育するのに必要な量以上の家畜ふん尿たい肥を多量に散
布しつづづけいれば、河川水や地下水を 硝酸態チッソと亜硝酸態チッソ、
場合によっては原虫や大腸菌・ウイルスなどで汚染する可能性がでてくる
場合も少なからずあるわけですから。  関係資料は こちら 。

実際には、 ↓ こんな話もあるわけですし。

ののの ルーズなふん尿管理記事.jpg


ということで今回は、 環境にやさしい農業とは水を汚さない農業だ と
いうおはなしでした〔水は、ひとつの産業のものではなく国民みんなの財
産ではないかと思うんです
〕。


晴れ 水は 水に棲む生きものたちのものでもありますよ、ねっ。
  そしてなにより水神さまや 河童をはじめとするもののけ 
  のおすまい でもありますし。
  
51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜











春先にも硝酸塩中毒には気をつけよう。

2018-04-16 15:15:35 | Weblog
春先にも硝酸塩中毒には気をつけよう。

春先になると話題となる硝酸塩中毒に関する事例。この写真の記事も

のののののの 新聞記事・硝酸

たい肥を連年・毎作のように使用し、土中の硝酸チッソが蓄積した土壌
から収穫された牧草を、牛に与えたときにおこりがちになる[激しくな
ると牛の突然死にもつながる]硝酸塩中毒に関する記事となります。

この春先になるとおこりやすくなる硝酸塩中毒。

体験的にいえば、おこりやすい天候というものがありまして、たとえば

 ■ 寒い日がつづいたあとの 急に ぽっと あたたかくなった朝
 ■ 雨がつづいたあとの 急に 天気がよくなった朝

などに収穫した牧草では、とくに注意が必要となります。 ということ
で、そのあたりの話を図示したのがこの図ですが、農水省ページからの
図中の左下
土の中や土の表面に 生き物の遺骸やふん尿が多量に存在する場合 が
これにあたります。

 硝酸塩
のののののの このあたりですね。

さらに問題は、農業の問題だけにはとどまりません。

そう水環境の汚染です。大量の有機物の分解に伴って発生した硝酸塩
の河川や地下水への流入です。いまや都会に限らず、地方においても
日本の井戸水を汚染しているという現状があります。

ということで今回は、農業における春先の未熟な有機物の大量施用は
牛の健康を妨げるばかりではなく、環境における水汚染を引き起こす
可能性もあるので気をつけましょう・・というおはなしでした。

そして今回のおはなしの補則として、関連したバックナンバーは

 ■ たい肥料の多い圃場での対策 の回は こちら
 ■ 井戸水や地下水を汚染する場合は こちら
 ■ 口蹄疫にも関連したかも の はなしは こちら

となります。よろしかったらご参考に。


晴れ 硝酸塩の問題と併せて心配せねばならないのは、ヒトにも
  影響を及ぼす原虫やウイルスそして大腸菌による水の汚染
  の問題です。とくに家畜フンが原料の未熟なたい肥が多量
  に施されている場合は、硝酸塩よりもむしろ人畜共通感染
  症のほうが緊急の課題となります。

 51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜




想定外の事態は当たり前の農業、とはいっても。

2018-04-12 17:00:11 | Weblog
​​​​想定外の事態は当たり前の農業、とはいっても。

4月05日の朝、事務所の倉庫裏に植えたアカメガシの垣根の育ち具合
を確認しているときのこと。

    
     

展開したアカメガシの赤い新葉のうえに はらはらと降ってきたのは
灰。そう、火山灰です。

これは鹿児島と宮崎県にまたがる霧島連山方向からの灰。3月から噴
火のつづく新燃岳由来の火山灰なのです。

北東の方向に向かう風にのって宮崎県の北部に舞い降りてくることに
なったこの降灰は、5日の午前のあいだ降りつづくことになって

    

    

クルマのワイパー部分などでは、こんな具合に積もっていきました。

この状況をみて頭をよぎるのは、どうしても農作物の被害。灰が積も
ることにより、生育が悪くなったり収穫した作物の商品価値が下がっ
たりする被害です。

いまの時期でいえば、収穫をまじかに控えるお茶をはじめとして、そ
ろそろ収穫期にきた春もののホウレンソウやキャベツなどの葉もの野
菜。加工部門でいえば干しシイタケやシーズンの終わりにかかったと
はいえ名産のセンギリダイコンもありますし、もちろん家畜の食する
飼料作物などへの降灰の影響も心配されるところです。
そしてビニールハウス栽培やトンネル栽培などの被覆資材などに積も
る灰の影響も軽視できません[日照不足をひきおこします]。

もちろんせっかく育てて収穫する農作物。おこってしまった被害をす
こしでも軽減するためにの手立てや対策は、すばやくおこなわれてい
るのですが、そのひと手間にかかる費用と時間は・・・やはり惜しい
というか、もったいないというか、農家にとってはなかなかにたいへ
んな負担になります。

まして・・・噴火がいつ終わるのか予想できないことも大きな悩み。

だって 明日の収穫を控えて作物に積もった灰を落とし、水で高圧洗
浄したとおもって安心ていたら、翌朝またまた降灰被害に見舞われち
ゃった・・・なんて笑えない話も、噴火のつづいいるかぎりありえる
話となるのですからね。

というわけで今回は、想定外の事態は当たり前で計画どおりにいくこ
とのほうが少ないという農業という産業についてのおはなしというか、
ぼやきでありました。


晴れ 場所によっては、桜島に霧島、そして阿蘇の灰被害もありうる
  のですから南九州には 火山がいっぱいですね。・・というか
  よくよく考えたら日本って、じつに活火山国でありますよねー。
  
51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」本当は危ない有機野菜」​​


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