グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

野菜/農産物の衛生的な生産方法について。

2023-08-30 11:10:50 | Weblog
野菜/農産物の衛生的な生産方法について。
昨日のクロ現みたからというわけでもないのですが笑、質問いただい
たので、いまでは一般的となってきた野菜の衛生管理の話で2010
年当時ではまだ珍しかったらGAP/適正農業規範をご紹介した記事と
なります、再録ですが よろしかったらご参考に。

 ↓

市販の野菜に付着している細菌や大腸菌の仲間は

 野菜1グラムに対して10000~100000個

といわれています。これって考えようよってはととても多いように
も思えますよね。でも、大丈夫。この数字の値は、たとえば椅子や
机といった家具にもついているくらいの値なのだそうです。
このように地表から地下部の微生物や昆虫や動物といった生物の存
在し生活している土に接触して生産される農産物には、いろいろな
菌やさまざまな小動物が付着していてあたりまえなわけですが・・・

けれど。問題はこのブログでも たびたびとりあげてきたO-157を
代表とする病原性の大腸菌群です。こういった種類の病原菌は、

 数十個から数百個で人への感染をひきおこす

わけですから、じつに厄介で要注意な存在となります。もし、病原
性の大腸菌群がついた野菜が消費者の手にわたり、その後購入者の
洗浄が不十分なままに生食された場合は、食中毒を引き起こす可能
性が大きくなるわけですからね。
そこで、こういった種類の病原菌を生産物である農作物に付着させ
ないような努力をおこなう必要が生産現場に要求されることになる
わけですね。

しかし。わずか数十個から数百個で感染する可能性のある病原菌を
付着させないようにすることは、一見とてもむずかしそうに思えま
す。けれどそこには原則がある。そう、『O-157やサルモネラ菌な
どの病原性微生物は家畜のふん尿のなかで生殖・増殖する微生物で
ある』という原則です。まずはこれを押さえる。
そういった考え方のもとで、『家畜のふん尿』を念頭において対策
をしぼって管理していくとすれば、野菜への病原性の大腸菌群の付
着を少なくすることは、かなりの確率で可能となります。

そこでまずは生産現場における、菌が付着している可能性のあるも
の/汚染源をつぎに記してみました。

■ 農場段階での病原性微生物の汚染源

  収穫前・・・・家畜のふん尿・土・栽培に使用する水
          ごみ・ネズミ・ハエ・作業者・生産用具

  収穫後・・・・人のふん便・洗浄水・運搬器具・運搬車
         作業者・貯蔵庫・小動物・段ボール

といったものが汚染源として考えられます。したがって、これらの
考えられうる汚染源をつねに検査し消毒することで、生産現場にお
いて、病原菌の付着していない可能性の高い安全な野菜を提供でき
るものとかんがえられています。

そして、もうひとつ大事なことがあります。それは・・・記録。

たとえば、「いつ・だれが・なにを・どういうふうに」消毒したか
を、こと細かに記録としてのこしておくことが大事です。記録を残
すことも、生産する側としてつねにかんがえておかねばならない重
大な事項なのです。

以上、今回ご紹介してた野菜の衛生管理の考え方は『適正農業規範
/GAP』 とよばれる、農業の各段階で衛生管理を実施していこう
という考え方です。これからの農業のあり方を考えると、避けて通
れない大事な考え方だとおもいます。生産段階の次のステージであ
る流通・小売の段階のHACCPと併せて行動すれば、鬼に金棒ってか
んじでしょう。。
前々回のカイワレ大根業界といい、今回のGAPという生産活動と
いい、こういった生産現場からの努力に対しては・・・農業関係者
にプラスして、いち消費者としての立場からも評価してあげたい
持ちでいっぱいです。

ちなみに HACCP。

こちらは1960年代に米国で宇宙食の安全性を確保するために開発さ
れた 食品の品質管理の手法です。 食品の製造工程全般を通じて危害
の発生原因を分析し、重要管理事項を定め、より一層の安全確保を
図る科学的管理法式といわれています。


晴れ ここからは2019年現在の参考資料のご紹介。
  たとえば、あんなに防いでも感染の止まらない豚コレラ。
  気をつけているはずなのに、イノシシや機械や作業者にも
  付着してしまう菌についての回は ​こちら​。
  そして人に影響のない豚コレラはいいとしても、たとえば
  そこから推測してもらいたいO-157の生活圏に関する話は
  ​こちら​。
  そして・・・O-157を保菌した・イノシシが圃場に侵入した
  ことが原因
とされる、米国においての野菜によるO-157
  発生があった事実
も、いま農業生産者は知っておくべきだ
  と思います。
  
51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜






ラベンダーの夏越し作業です。

2023-08-28 16:40:47 | Weblog
ラベンダーの夏越し作業です。

毎年、夏前の6月におこなうピナータラベンダーの剪定↓です。

        剪定後.jpg

飛来してくるコナジラミ対策も兼ねて、ちょっとかわいそう
に思えるくらいに 枝を整えたピナータラベンダー ですが
それから雨のあたらない明るい日陰において見守ること60日
あまり[剪定の回は​こちら​]・・・


    

8月22日現在、夏枝が伸びて↑の籠のスペースでは、6鉢はお
けない状態に育ってきました。そこでこちらも 恒例の秋前の
剪定にかかることにします。

 

愛用のハサミを取り出し、

    

今回は太い枝は切らずに、葉の高さを揃えると同時に鉢から
はみ出し気味の小枝を切っていくにとどめます。
 
    

こんなかんじに、こざっぱりとまとめてみました。


    

とはいっても、8鉢からカットした枝葉の量が こちら↑。
ことしは例年よりも高温だからか、けっこう伸びてましたね。
コナジラミもいたので、これで害虫対策にもなったはず。ピナ
ータラベンダー自身も すっきりしたことでしょう。。


    

いっぽうデンタータラベンダーのほうは、同じ場所において
同じ管理をしていたのにもかかわらず、例年どうりにじっく
りととした枝の伸びにとどまってます。ということで気にな

ということで気になる葉だけカット。  
そのちょっとだけカットした葉を袋にいれて、香り楽しみま
したー。
    

晴れ ラベンダーのネバーエンディング・ストーリー」に
   ついては → こちら 。
 5.jpg 6.jpg

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物理性・生物性・化学性、3つ揃って 土づくり。

2023-08-26 16:49:58 | Weblog
物理性・生物性・化学性、3つ揃って 土づくり。
生物性・物理性・化学性と、三つそろって、作物栽培に理想的な
土が完成します。

 生物性とは、
 病原菌が少ないこと。
 多種多様な土壌微生物が安定した状態で、土にいること。

 物理性とは、
 土の通気性・保水性・透水性などが適正で、
 作物の根が張りやすい環境であること。

 化学性とは、
 土の酸性度が適当な範囲にあることと、養分濃度が適正なこと。

をいいます。

土に入れるものとして、まずは病原菌の少ない資材を入れること
を前提にして考えます。
物理性や化学性を改善するための資材を入れるときは『清潔度』
を基準にして入れる資材を選びましょう。
病原菌の入っている懸念がある未熟な有機物は、はじめから入れ
ないことが良い栽培土を作るコツです。

『清潔度』という基準をクリアした資材のうち、つぎは物理性を
改善する資材を入れます。以前にお伝えした栽培土の作り方でい
えば植物質の材料を原料とした繊維質の多い資材、あるいはピー
トモスなどがこれにあたります。『きゅう肥』ではなく、むかし
でいうところの いわゆる『たい肥』ですね[こちら]。

物理性を改善したのちに化学性を改善する資材をいれます。PH
をあげる資材や、土の条件によっては下げる資材を土の条件にあ
わせて適量入れます。前回お伝えした栽培土の作り方でいえば、
ゼオライトがこれにあたります。いわゆる『石灰』ですね。

最後に作物が必要とする養分を、濃度が適正な範囲で施します。
前回お伝えした栽培土の作り方でいえば、油粕や魚粕などの有機
物を発酵させたものをミネラル分と反応させた化成肥料がこれに
あたります[ミネラルとは鉱物であるはこちら]。

いじょう、土づくりについてのおはなしでした。


晴れ 環境にやさしい農業とは 水を汚さない農業
  だ とも思うんですよ。そんな話は こちら

  51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」 「本当は危ない有機野菜

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状態をみて、入れるものを変えるのが農法。

2023-08-24 15:58:59 | Weblog
状態をみて、入れるものを変えるのが農法。
たとえば施設園芸作などでは、7月8月のこの夏の季節は収穫が
終わって・次作までの準備の段階。経営者にとって、この時期に
気をつけねばならないのは『まずは土づくり』というスローガン
のもとにおこなわれることの多い無茶な土づくりをやってしまう
ことです。ということで、今回はこの時期の土づくりの考え方の
回の再録です。ご参考までによろしかったら。

 ↓

前回・前々回などでみてきたように、土の状態や作物の生育の情
況を土壌検査などで認識せずに、土の改良資材や肥料をただ入れ
さえすれば良い
・または反対に やみくもにいれない というやり
方は、非効率です。

これでは、農業経営がうまくいかない。そこで土の検査をしたり、
植物の生育状態を見たうえで・・・たとえば

 ミネラル分の少ない土には適量のミネラル分を入れる

ことが大事になるわけです。同じように 

 隙間が詰まって硬い土には、軟らかい資材を、
 粒子の小さい圃場には、粒子の大きいものを、
 乾燥してしまう土には、乾燥しにくい粒子の細かいものを、
 酸性が強すぎる土には、アルカリの資材を、
 アルカリが強すぎるの土には、酸性の資材をいれる。

また

 痩せすぎた土地には、肥える資材をいれる。
 肥えすぎた土地には、痩せる資材をいれる。

そして

 病気が多い圃場ではウイルスや病原菌の少ない資材を入れる

といった、それぞれの状況に応じた対処法をとると作物の生育
がよくなります〔必然的に経営状態もよくなりますよ〕。

そうなんです、このように土や作物の育つ状態をみて、田畑に
入れるものを変える工夫・・・それこそが農法であり、ひいて
は農業経営なのではないのかとおもうのです。

参考方法として、土壌検査の土の取り方の回は ​こちら​、有機
資材の性質をあらわす炭素率の回は ​こちら​となります。よろ
しかったらご参考に。。


晴れ とりあえずてきとうに、そのあたりの土を検査に出して、
  検査結果の対策を無視して、 たとえばカリや塩素の多い
  土[関連回はこちら]にもあいもかわらず家畜ふんたい肥を
  やりつづける・・・[関連回はこちら]などといったやり方
  では、栽培に支障がでてくるのは時間の問題だと思いますよ。


 51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」 「本当は危ない有機野菜

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穴森さまにお詣りに。

2023-08-23 15:55:52 | Weblog
穴森さまにお詣りに。
コロナの関係もあったということで、4年ぶりに羽田の穴森神社に
お詣りさせていただいたのですが、4年前には計画の段階であった
ご改修が無事に完了されておられました。ということで自分として
改修後の初お詣りとなりました。そんな様子を よろしかったら。。



2020年の改修工事が始まる前の穴森神社さまの様子は ↓

本殿に向かって右手にある小さな4つの祠[ほこら]を順に参拝しつ
つ、その奥まったところにあるのが「奥の宮」。
そしてその「奥の宮」の背後にある築山が「祭山」となります。


図ではこうなります。     見取り図.jpg

というふうな塩梅であったのですが、コロナ明けということで先日
2023年の8月に4年ぶりに参拝させていただいたところ、
2020年4月19日に完了した改修工事で とくに図でいうところの
祭り山あたりが大幅に改築されているということで、今回はそんな
改修後の様子をお伝えしたいと思います。

本殿にお参りしてから正面右わきの、改修に併せて新調された鳥居
をくぐって奥の院へと進みます。

   この鳥居をくぐって奥の院へ。

すると新築された奥の院が眼前に。 

その奥の院にお参りする前に少し下がって空を見上げたら、岩塊
というか、いや山というべきか、上部の方向に新らしい祭り山が


      

まさに ドオオオオンというかんじ で、視界に入りましたよ。

 祭り山です。

改修前は 祭り山の存在がわかりにくいかんじであったのですが、
[→ 祭り山にたどりつけなかった話は こちら]

 こんどは すぐにわかりました。


頂上部の上の宮さまも新築でした。  

頂上部から見たご本殿のようすはこちら。左の道路があり、その
横は さきほど潜り抜けてきた ずらっと連なる鳥居連があり、
そして 銅板で葺かれた本殿のお社が続きます。 ↓

      

そしてどうなったのかと気になっていた穴森さまの夏場のシンボ
ルであるバケツ稲というかプランター稲というかの イネ栽培な
のですが、社務所からみた正面の一角に 小さいながらもきれい
な水田がそこに存在して ほっ♬ 。


                

     

これでこそ穴森さま、さすがの穴森さまでございました。


     

さてさて、宮崎行きの飛行機のフライト時間まで2時間。また
お参りさせていただきますと、ご本殿に向かってご挨拶して
羽田空港へと向かいました。


晴れ 改修前の時期のバケツ稲の様子は こちら、そし
  て こちら となります。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜 

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