日本の水を管理してきたのは。N
農業以外の職業に就かれている方や都市部にお住まいの方のなかで、
『日本の用水路・排水路の水管理の問題と、農家は無関係である』と、
思われている方もおおいのではないか、と思います。
しかし実際はちがいます。
日本の農業用水は、〔主として〕土地土地の農家によって構成される
水利組合の手によって守られてきたという歴史があります。
そのような“水”の問題に関する、昔からの約束事についてのお話と
なります。2008年前後の記事ですが、ご参考までに、よろしかっ
たら。・・・人数をかけた奉仕作業よりも経営優先となりがちな大規
模農家や企業農家ばかりになったら、これまでどおりの水管理がこの
ままずっとつづいていけるのかどうか、そのあたり正直いって不安に
[排水路が詰まって洪水とかそんなこと]なります。
↓
『春の小川は用水路』
なにげなく見過ごしてしまいがちなのですが、冬の時期に枯れていた
田畑地帯にある小川が春になると流れていることに気づかれたことは
ありませんか。
じつはこれ、自然な小川ではなく農家の手によって人為的に流されてい
る用排水路の場合が多いんですよ。農家を主体にした水利組合の管理
のもと、計画的にながされている農業用水なんです。
田の水を管理する水利組合は、農業生産を行う上で欠かせない用排水
施設の整備・管理や農地の整備いわゆる土地改良を目的として設立さ
れた農家の人たちの組織です。この土地改良区は全国に約7,000・
関係する農家は約300万人・関係する農地は約300万haといわれ
ています。
そんな日本の農業用用排水路の総延長は なんと 約22万km!
この距離は、ほぼ地球5.5周にも達っするのだそうです。現場にい
るわたくしなども、この話しを聞いたときにはさすがにびっくりしま
した。いや、すごいものですね。
そんな、網の目のように張り巡らされた日本の用排水路についてのお
はなしです。
田植えに先立つ2ケ月前、水稲農家の苗づくりと並行してこなわれる
のが、集落ごと・水の流れる系統ごとの用水路の清掃です。
イネの栽培がおわってからおよそ半年、繁茂した草や、その後の増水
などで埋まった土砂などが用水路から除去されます。もちろん投げ込
まれたゴミの処理も、当然あります。。
この用水路清掃には、その水利を利用する方たちが参加するわけです
が、かなりな時間と労力がかかります。自分の経験では、ひとつの水
利系統で半日くらいの出役となります。
規模を拡大したり・高齢化の農家の農地を借りたりして田畑を耕作す
る方は、この共同清掃に何らかの形での参加が義務付けされますので、
これがなかなかに大変。耕作規模が大きくなるほど、水路を多く利用
するほど、出役は増えるわけですから、その負担も大きくなっていく
わけです。
これもまた、日本の耕地面積の土地集積が行なわれにくい大きな
原因 の ひとつにあげられますね。
余談ですが・・・農外から農業に進出しようとする企業や、現場を知
らない農業評論家の方には、農業を行うに当たってどうしても必要と
なる、このような作業に関する認識が欠けているようにおもえてなり
ません。
そうそう、新規就農された方などは、こういった就農前には分からな
かった地域の共同作業の多さに驚かれる場合も・・・多々あるんです
よね。
したがって、農家の絶対数が減ると・・・農業の生産活動がうまく
回らなくなることにを得て、いえそれ以上に水に関する害がまちがい
なく増加していく・・・わたくしはそうみています〔経営効率
を重視する“先進的農家”や企業が、管理を喜んで肩代わりしてくれる
とは思えない気がするものですから〕。
そういった農村におけるある種の義務や慣習についても踏み込ん
でいます。 ↓ 。
「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
農業以外の職業に就かれている方や都市部にお住まいの方のなかで、
『日本の用水路・排水路の水管理の問題と、農家は無関係である』と、
思われている方もおおいのではないか、と思います。
しかし実際はちがいます。
日本の農業用水は、〔主として〕土地土地の農家によって構成される
水利組合の手によって守られてきたという歴史があります。
そのような“水”の問題に関する、昔からの約束事についてのお話と
なります。2008年前後の記事ですが、ご参考までに、よろしかっ
たら。・・・人数をかけた奉仕作業よりも経営優先となりがちな大規
模農家や企業農家ばかりになったら、これまでどおりの水管理がこの
ままずっとつづいていけるのかどうか、そのあたり正直いって不安に
[排水路が詰まって洪水とかそんなこと]なります。
↓
『春の小川は用水路』
なにげなく見過ごしてしまいがちなのですが、冬の時期に枯れていた
田畑地帯にある小川が春になると流れていることに気づかれたことは
ありませんか。
じつはこれ、自然な小川ではなく農家の手によって人為的に流されてい
る用排水路の場合が多いんですよ。農家を主体にした水利組合の管理
のもと、計画的にながされている農業用水なんです。
田の水を管理する水利組合は、農業生産を行う上で欠かせない用排水
施設の整備・管理や農地の整備いわゆる土地改良を目的として設立さ
れた農家の人たちの組織です。この土地改良区は全国に約7,000・
関係する農家は約300万人・関係する農地は約300万haといわれ
ています。
そんな日本の農業用用排水路の総延長は なんと 約22万km!
この距離は、ほぼ地球5.5周にも達っするのだそうです。現場にい
るわたくしなども、この話しを聞いたときにはさすがにびっくりしま
した。いや、すごいものですね。
そんな、網の目のように張り巡らされた日本の用排水路についてのお
はなしです。
田植えに先立つ2ケ月前、水稲農家の苗づくりと並行してこなわれる
のが、集落ごと・水の流れる系統ごとの用水路の清掃です。
イネの栽培がおわってからおよそ半年、繁茂した草や、その後の増水
などで埋まった土砂などが用水路から除去されます。もちろん投げ込
まれたゴミの処理も、当然あります。。
この用水路清掃には、その水利を利用する方たちが参加するわけです
が、かなりな時間と労力がかかります。自分の経験では、ひとつの水
利系統で半日くらいの出役となります。
規模を拡大したり・高齢化の農家の農地を借りたりして田畑を耕作す
る方は、この共同清掃に何らかの形での参加が義務付けされますので、
これがなかなかに大変。耕作規模が大きくなるほど、水路を多く利用
するほど、出役は増えるわけですから、その負担も大きくなっていく
わけです。
これもまた、日本の耕地面積の土地集積が行なわれにくい大きな
原因 の ひとつにあげられますね。
余談ですが・・・農外から農業に進出しようとする企業や、現場を知
らない農業評論家の方には、農業を行うに当たってどうしても必要と
なる、このような作業に関する認識が欠けているようにおもえてなり
ません。
そうそう、新規就農された方などは、こういった就農前には分からな
かった地域の共同作業の多さに驚かれる場合も・・・多々あるんです
よね。
したがって、農家の絶対数が減ると・・・農業の生産活動がうまく
回らなくなることにを得て、いえそれ以上に水に関する害がまちがい
なく増加していく・・・わたくしはそうみています〔経営効率
を重視する“先進的農家”や企業が、管理を喜んで肩代わりしてくれる
とは思えない気がするものですから〕。
そういった農村におけるある種の義務や慣習についても踏み込ん
でいます。 ↓ 。
「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」