柿など作物をあたためる話しが続きましたので、つぎは冷やす話に
してみましょう。冷やすことで得られることについての話しです。
↓
野菜を甘くするには、根の部分を冷やします。
根の温度が下がってくると、野菜の体内では吸水が止まり、糖や
ビタミンが増えはじめます。それが甘さの理由です。
寒さがくると植物は成長をやめ、冬を越せるように体内の養分を
増やして耐寒性を高めようするわけですね。〔このような寒気に
当たることで自らが糖やビタミンの含有量を増やし、凍らないよ
うにして生きてる仕組みを低温順化といいます。この能力が備わ
っているかいないかで、夏野菜と冬野菜は、区別されていまます〕
主として東北で増えている「寒締め栽培」は、この技術を応用
したもの。
普通のホウレンソウの糖度が7度程度であるのに対して、寒締め
ホウレンソウの糖度は10度以上あることもまれではありません。
普通のホウレンソウに比べて甘みが強く、市場でも人気を博して
いるようです。
しかし寒締め効果は気象やハウスの環境管理に大きく左右される
ため、品質を安定化するには、なかなかにむづかしいもののよう
です。ちなみに 気温が低くても、根の部分の温度が高いと、糖
度はあがりません。糖度やビタミンの含有量には、気温でなく地
面の温度/地温の高低が、関係しているようですよ。
実際のほ場では、
寒さが厳しくなる前にホウレンソウを収穫できるぐらいの丈まで
育てた上で、ハウスのフィルムを開けて一定の期間、ハウス内が
5度以上にならないように寒さにさらして、寒締めにかかるわけ
ですが・・・
■ 高温の場合は、生育が早すぎて出荷サイズがオーバー
■ 低温の場合は、出荷サイズに達するまでに成長が止まる
などといったことも、おこりえるわけですね。野菜の出荷には出
荷サイズが要求されますから、なかなかに大変なんです〔出荷し
ないでよい家庭菜園ならグッド!〕。
試してみられるのも一興かと。
とても楽しいことなんですよね♪
栽培に工夫を凝らすっていうのは。。
「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」