グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

食べ物の好みは変わる[ひょっとたらウイルスも?]。

2014-07-31 22:49:16 | Weblog
食べ物の好みは変わる[ひょっとしたらウイルスも?]。


[助手] 博士っ、たいへんですっ。千葉です。
     ヤツが、食いだしましたっ。いきなりですっ。

[博士] なにっ。被害は、なんだっ。

[助手] それがっ。いつものやつじゃないんです。

[博士] えっ。やつは いったい、なにを喰いだしたんだ?

[助手] ええっと、あっ、なんだったっけか。

[博士] おいっ。しっかりしろっ。
     千葉でのやつの被害といえばラッカセイ。そしてニンジン・
     ゴポウなどの根菜や、スイカやタバコなんかを喰うアイツの
     話なんだろうが。おもいだせっ。この おおばかものっ。

[助手] あっ。おもいだしました、すみません、博士っ。
     おおば・オオバ です。

[博士] なにっっっ。
     根菜や、果菜の地下部なんかを喰ってたヤツが、なんとシソ
     をっ。大葉/シソをたべはじめたというのか。
     それは、真実なのかっ?

[助手] はい。サビヒョウタンゾウムシがいきなり大葉をたべはじめ
     いるのが確認されました。これは千葉県内でも初。そしてもち
     ろん全国でも初めてのケースです。


・・・というわけで、いきなり物語風に始めてしまったのは、『サビヒョウ
タンゾウムシという虫が、それまでたべなかったはずの大葉/シソを、唐突
に食べ始めている
』のが確認されたときのおはなしです。これは2005年
くらいのことであったと記憶しています[このときはこの虫に効く農薬の使
用許可がシソではとれておらず、栽培者が困ってしまう事態になりました
]。

こういったケースはときどき起こりうることで、たとえば最新のニュースと
して今年の5月には、ネギの害虫だと認識されているネギアザミウマが、ハ
ウス栽培のブドウを加害[果実果頂部を吸汁]するのが確認されていますよ。

このように、ときどき その食性が変わることがある虫たち。
いったいなにが原因しているというのでしょう。

その原因として考えられるのは、まずはやはり[虫自体が大発生したり・好
みの異なる環境に押し籠められたりしたことで
]食べ物が少なくなってしま
たったことにあるではないでしょうか。いわゆる

 背に腹は代えられぬ

といった状態に陥ってしまった。それゆえに回りの植物を手当たり次第に食
ってみたら予想以上においしく・従来の食べ物が潤沢状態になったその後も
続けて食べ続けるようになった・・・ということなのかもしれません。

ということで今回は、虫の世界でも ひとの場合と同じように、それまで
食べていなかった・たべられなかった食べ物が、突然食べられるようになる
ケースもある というおはなしでした。


◎  ところで西アフリカでの感染拡大が話題となっているエボラ出血熱です。
  この出血熱をおこすエボラウイルスの自然界の宿主は、オオコウモリだ
  とされていますが、ひょっとするとオオコウモリの絶対数が少なくなっ
  ていたり・少なくなった環境にいたエボラウイルスが、まずはヒト以外
  の霊長類を新しい宿主に選んだから、だから感染がひろがっている・・
  なんてことは、ないのでしょうかね。ふと、そんなことをおもってしま
  うこのごろ。

  51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」 「本当は危ない有機野菜






植物の根っこをのびのびと伸ばすために。

2014-07-30 14:48:31 | Weblog
植物の根っこをのびのびと伸ばすために。


長年にわたってのハウス栽培を続けてきた結果、ハウスの土の状態が

 ● 水はけが悪くなった
 ● 土が固い
 ● PH値が高い
 ● 土壌検査してみるとカリやナトリウム・塩素が多い
 

というケースは、けっこう多くあるものです。そのような場合の改善策の
一例をご紹介してみました。よろしかったらご参考に。

 ↓

土の物理性や生物性、そして化学性に問題がある圃場の土壌の改良に
は、まずは 家畜ふんが原料のたい肥の使用を控え、ヨシやカヤ、ススキ
などのケイサン分に富んだ植物を材料としたたい肥による土の改良を数年
にわたって続けていくというのが、なによりの対策です。

しかし、問題があります。

それは、こういった植物を材料としたたい肥が、最近では手にいれること
が難しくなっていることです。

そこで、そのような圃場の改良方法として、植物質のたい肥の代用として
ピートモスと腐植酸を使った土壌改良 をお薦めする場合があるんですよ。


  ピートモスをつかった土づくり.jpg


以下の写真は、そのような土壌改良作業の実際例となります。ちなみにこ
ちらのハウスでは肥料濃度が高かったためにイナワラも併用することにい
たしました。

作業はつぎのようになります〔写真の左列は作業工程、右列は各作業工程
時の土の状態です
〕。

 ワラを土の上にばらまき
 ↓
 そのうえにピートモスを散布
 ↓
 家畜ふんたい肥ではなく、腐植酸を散布

 わら・ピート・腐植酸.jpg


その後、このようにトラクターをつかって土中に鋤きこんでいきます。


 トラクター 耕す 完成.jpg


いじょう、塩素やナトリウムやカリが過多になっているために水はけが悪
くなり、そのために病害も多くなってしまったハウス土壌の改良の一例で
した。

このようなハウス栽培の土づくりは、通常夏場の炎天下の時期におこなわ
れます。そんなきびしい条件のなかで〔重い〕家畜ふんが原料のたい肥を、
圃場全体に均一に撒くのは大変な重労働になること も多いものです。

しかし、今回ご紹介した土づくりにおけるピートモスは、散布するのは
けっこう簡単・・・こういった施用にかかる労力も少なく、時間がかからない
点からいっても魅力的な土づくりといえそうですね。

ちなみにピートモスの施用量ですが、3ほろで10アールの圃場であれば
・・・そうですね、圧縮240リットルのピートモスであれば、基準量として
ひとつのほろに5袋くらい・全体で15袋 を使えば けっこうフワフワ感が
でてきますよ。


ののののののののの対策.jpg


心当りのある土壌条件のハウスをお持ちのみなさま、まずはそんなハウス
の、最も水はけがわるい部分だけでも試されててみるのはいかがですか。



◎ 土の状態を知るためにも、土の採取場所や深さをきちんと記録した
  正確な土壌診断は必要ですね。


  51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」 「本当は危ない有機野菜




状態をみて、入れるものを変えるのが農業。

2014-07-30 07:07:32 | Weblog
状態をみて、入れるものを変えるのが農業。K

たとえば施設園芸作などでは、7月8月のこの夏の季節は収穫が終わっ
て・次作までの準備の段階。経営者にとって、この時期に気をつけねば
ならないのは、『まずは土づくり』というスローガンのもとにおこなわ
れることの多い無茶な土づくりをやってしまうことです。
ということで、今回はこの時期の土づくりの考え方の回の再録です。ご
参考までによろしかったら。

 ↓

前回・前々回などでみてきたように、土の状態や作物の生育の情況を
認識せずに、土の改良資材や肥料をただ入れさえすれば良い・または
やみくもにいれない というやり方は、非効率です。

これでは、農業経営がうまくいかない。そこで土の検査をしたり、植物
の生育状態を見たうえで・・・

 ミネラル分の少ない土には
 過剰にならないように、適量のミネラル分を入れる。


ことが大事になるわけです。同じように 

 隙間が詰まって硬い土には、軟らかい資材をいれる。
 水を加えるとドロドロになってしまう土には、
 粒子の大きいものをいれる。
 すぐに乾燥してしまう土には、粒子の細かいものをいれる。

 酸性が強すぎる土には、アルカリの資材をいれる。
 アルカリが強すぎるの土には、酸性の資材をいれる。

 痩せすぎた土地には、肥える資材をいれる。
 肥えすぎた土地には、痩せる資材をいれる。


そして

 病気が多い圃場では ウイルスや病原菌の少ない資材を入れる

といった、それぞれの状況に応じた対処法をとると、作物の生育が
よくなります
〔必然的に経営状態もよくなりますよ〕。

そうなんです、このように土や作物の育つ状態をみて、田畑に入れ
るものを変える工夫
・・・それこそが 農法であり農業ではないのかと
おもうのです。


◎ 農業経営の面からいえば、農産物の生産状況を勘案しながら
  投下する労力や財力を変化させいく
というのもまたアリです
  よね〔作物/商品が売れに売れるといった場合には、とくに〕。

  51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」 「本当は危ない有機野菜








「水中を自在に泳ぐモグラ」を見た。

2014-07-27 01:04:30 | Weblog
「水中を自在に泳ぐモグラ」を見た。

いまから5年以上も前のこと。

夏は海よりも渓流[かわ]ということで、暑気払いに膝下ほどの清流でシュノー
ケリングしていたときのことです。マスクの右手のほうから、ヒトのこぶしほど
の長い尻尾がついた茶色いタワシ状の物体が流れに逆らって流れてきたかと思うと
いきなりすごいスピードで潜水しそのまま岸辺の岩陰のほうに泳いでいきました。

 なに?いまのはなんだ?

と、岩陰の先までいってみると、その先には川岸。ということは、あの尻尾のつ
いたタワシは、いきついた岸から陸に上がって歩いていったことになります。

 姿はモグラみたいだけれど、尻尾があるのをみるとネズミ?

そんな動物なんているはずもない、何かの拍子に水に落ちた野ネズミの死に物狂
いの泳法をみせられたのかもしれないな・・・と勝手に解釈していたところ、後
日そんな生物が実際に存在していることを新聞で見て知ったのです。


それが 左下のこの小さい動物である → 長田小学校.jpg

ニホンカワネズミです。

そう、ニホンカワネズミとは「モグラでもなくもちろんネズミでもないのだが、
ネズミのような尻尾と水かきのついた足を持ち、清流を自在に泳ぎ回りながら
水中や水辺で魚類・カエル・水生昆虫等の小動物を捕食し、河畔の土中や石の
下に営巣するというモグラの仲間である動物
」だったのです。

この清流にしか棲まないというカワネズミ、地方によっては「水中モグラ」と
もよばれていることを、その5年ほど前の新聞記事[宮崎県三股町・長田小
学校のやまめクラブの活動とともに
]は伝えていましたよ[こちら]。

いやー、しかしです。
世の中って、ほんとに広いものですね。

まさか、 水中を泳ぐモグラというか、水中でも生活できるネズミというか、
そんな生き物がほんとに日本にいるなんて。いまではテレビで取り上げられた
り、施設で飼われてるようにもなって[ユーチューブは こちら]結構有名に
なりましたが、当時はほんとにびっくりものでした。

ということで今回は、[マスコミに登場するのは むしろカッパよりも少ない
かもしれない
]ニホンカワネズミという生き物のご紹介でした。


◎ 予備知識がないまま、たとえばカピバラやシャンハイハナスッポンに
  遭遇したとしたら・・・きっと “ネズミ”や“スッポン” の化け物
  [イコール妖怪]だと思い込んでしまうのも無理ないことなのでしょ
  うね。。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染




カッパに取られるものといえば。

2014-07-26 04:07:28 | Weblog
カッパに取られるものといえば。 

カッパに取られるものといえば、ヒトの肛門にあるとされた想像上の玉
である「尻子玉」であるのが普通なのです。しかし、前回 ご紹介した
島津伝承館で公開されたカッパの手足の入った箱」の 説明書きには
尻子玉とは別の、ある意味意外ともいえるものがとられると書いてあり
ました。 

それは・・・シタ。 
なんと、ヒトの舌だったのです。

その説明書きの解説を見た瞬間に、“閻魔さまでもなかろうに”って、
ついついつツッコミいれてしまいましたよ/笑。

それにしても今も昔も猛暑の夏。

たまらない暑さに耐えかね、清流の流れに涼を求めたくなるのは、誰し
も同じ。そんな川遊びにでかけたヒトを見ては舌を抜く河童/カッパが
沖水川の水系にいたとしたら、そして そのようなたちのわるい悪さを
繰り返していたしていたととすれば、
それは上村休助さんならずとも〔祟られるかもとは思いつつも〕ズドン
と鉄砲で撃ちたくもなりますわな。と、箱の説明文を見てわたしは思っ
てしまいましたよ。

川で見かけた不思議なモグラのはなしにつづく。


◎  失神したときに舌が丸まってしまうという話は、格闘技の世界では
  よく耳にする話です。昔の方は、水でおぼれて失神したヒトの、そ
  んな舌の状態を見て、「河童に舌を抜かれた」なんてことを想像し
  たものなのでしょうか、ね。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」