増えたアナグマ。
宮崎県の中央沿岸部周辺で、以前は聞いたこともなかったアナグマによ
る農業被害が増えているようです。
最初に耳にしたのは、2010年らいのこと。沿岸部から10キロほど
内陸にあるとなり町の台地で栽培されることが多いメロンやスイカの被
害。当時、なにごとも勉強だと思って被害にあった方の畑を見にいくと
被害にあった果実はもちろんですが、それよりも気になったの畑の周囲
が穴だらけにされていること。
さすがにアナグマ。
穴掘りはうまいものだと、感心驚嘆させられてしまいました。
そして思いましたよ、これは農業者にしたらほんとにおおごと。なにせ
穴を掘られることで大雨時などに畔とかの崩落被害が出れば、被害額も
ケタ違いに大きくなり、作物の被害だけにとどまるタヌキの被害どころ
で済む話ではないな・・とおもわされたものでした。
それから数年。
昨年から今年にかけて、知り合いの農家さんたちから何度も聞かされた
のが、畜舎に侵入してきては、牛の飼料をむさぼり喰うアナグマの話で
す。なかには ヒトが牛舎内にいる昼間の時間、ヒトの気配があるのに
もかまわずに白昼堂々と飼料を食む[必然的に丸まると肥ったでかい]
個体もいるということで、狙われた牛舎は災難だなあと思いました。
何より困るのは、まずは アナグマの長い爪によるヒトへの攻撃による
危険でしょう。さらにはマダニや疥癬症を媒介するヒゼンダニをもって
いるかもしれないこと。さらには大切な牛に伝染する牛結核を媒介する
ことも忘れるわけにはまいりません。
また、アナグマが一部でも食した飼料は[匂いがつくせいなのか]牛が
食べないという話も耳にしますし。
ということで、転ばぬ先の杖・・まわりの畑の作物被害があったとき
や牛舎内の飼料に食被害があったときにはすぐに駆除の手配をしたほう
がベターだなと、いうおはなしでした。
・・・さて。 そして問題は、そんなアナグマが増えた理由です。
ひとつは、疥癬症によるタヌキの減少によるもの。同じアナのムジナと
いうことわざどうりに、似たような生活圏にいることも多いといわれる
タヌキがへったことで、アナグマの増える余地が増えた。じっさいに
“毛の抜けたタヌキをみたころから、アナグマが増えた”というはなし
はこのあたりで良くききます。
そしてもうひとつ。
最近ですが、このナショナルジオグラフィックの記事をみたとき
そういえば、アナグマ被害が多い
ここやあそこ、あちらやこちらでは、
口蹄疫被害による牛の埋葬地であった場所の近くだったな
などと、勝手におもってしまったのですが・・・ この推理の真贋や
いかに。。
宮崎県の中央部でおこった口蹄疫については こちら。
「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜 」