グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

記憶より記録。収穫を終える前にハウスの土の状態を調べます。

2018-05-29 15:01:05 | Weblog
収穫を終える前にハウスの土の状態を調べます。K

記憶より記録だろっと突っ込みたくなるニュースの多い昨今ですが・・・
今季のハウス栽培もそろそろ終了 ということで定番の回の掲載です。

 ↓

『収穫を終える前、ハウスの土の状態を調べます。』

施設野菜作が終了するハウスでは、次回の栽培に向けてハウス内
の土の状態を調べて
おきます。なんといっても農業経営では農産物の質と
収量をしっかりと確保することが大切・・・土の診断はそんな良品を多収
する経営の、なにより強い見方になりますからね。

たとえば

  作物が 健康に育った部分 と 病気の出やすかった部分 
  収穫物の 品質の良かった部分 と 品質の悪かった部分
  土の 水はけのよかった部分 と 水はけの悪かった部分

 
などといった“違った生育をする、特徴のある部分の土を、自分なりに工
夫しながら、きちんと区別して採取したのちに検査にだす
”ことを、私は
つねづねお薦めしています。

そうすることには理由があります。


わかりやすい図.jpg 見取り図.jpg


この表。土の検査の実例ですが、こういったかんじで、ハウスのいろい
ろな場所と深さを変えて土を採取して、その後に土壌検査してみると・・・・


検査表2.jpg 検査表1.jpg 


じつに いろいろな土の検査値がでるのが現実 だからです〔詳しい数字
例についは また後日に
〕。

そのいろいろな土の状態を、今回の作での 作物の生育をからめながら
判断するのは、栽培者としての大切な仕事。今後のハウス作のためにも

 自分で土をとる場所をきめて
 ↓
 しっかりと土を採取し
 ↓
 試料を まちがわないように検査に出して
 ↓
 できあがってきた土の検査値と
 ↓
 成績のよかった部分と悪かった部分の土のちがいを
 ↓
 自分なりに整理・判断・加味したうえで
 ↓
 いつでも利用できるように、きちんと保存

しておくこと大事です〔病院のカルテみたいに仕立てます〕。

しっかりとおこなった土の診断のカルテは、あなたの農業経営にとっての
とくに栽培について迷った状態のときの〕なにより強い味方になりますよ。

数字はウソをつきません。 たとえば こんなとき は 。


晴れ 広くて・深い 土地の土の検査を、“記録もなしに・てきとうに
  1箇所だけとって、とりあえず検査に出しておく
” なんてふうに
  おこなう土壌検査であっては、生育の判断材料にはなりえません
  そんな土の採取方法についての回は こちら 。
  
 51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」​




果樹の大害虫・・・それは天牛。。

2018-05-26 15:59:42 | Weblog
果樹の大害虫・・・それは天牛。。

天牛と農家さんによばれている虫をご存知ですか。 こちら 。

それがカミキリムシです。この天牛という名前、方言だとばかり思って
いたところ、れっきとした中国語なのだそうですね(びっくりでした)。

じつはこの虫、樹木特に広葉樹にとっては厄介な存在・・・それという
のもほぼ全ての広葉樹種(お庭のミカンやイチヂクにも)に穴を開けて
内部を食害する
からです。内部を食害されると、木は樹勢が弱まり、最
悪なら枯死するといった被害を受けてしまいます。

この虫の厄介な点は、その産卵数の多さです。平均が200個、多い個
体では400個も卵を産むといわれていますので、これでは果樹農家さ
んが捕殺にやっきとなるのもしかたない
こかもしれません。

そして、この天牛の特徴はその器用さにあります。

表面がツルツルの物体であっとしても、簡単に取り付き、そして歩き廻
ります。一度、空中から飛来したゴマダラカミキリ が、そのまま曇りガ
ラスの表面にピタっとくっついて着地する瞬間を目撃しましたが・・・
いやーみごとな技で、まるで忍者にみえましたよ。

 取り付くというよりも、あれは 執り憑く でしたね。

足に吸盤でもあるのかと思いましたが、吸盤ではなく、ハート型で細か
い毛が生えている付節というものを脚先にもっているために、彼らには
このような能力が備わっているのだそうです。

そんなゴマダラカミキリムシですが、丑年〔別名・天牛ですからね
の2010年前後年には ヨーロッパ、特に英国で大被害を引き起こし
たことが話題となりました。その侵入経路ですが、英国には、カエデの
苗木にはいって
オランダを経由で侵入。現在、英国だけではなく、オー
ストリアや、ドイツ・フランスでも確認されているとのことです。

そのような被害の実態を聞くと・・・前述の〔空中からでも上手に樹に
取り付くという
〕器用さに加えて、たとえ飛来を用心していたとしても
卵や幼虫やの形態で〕いつのまにか潜入されてしまうという点。

彼らには やっぱり 忍者 を連想させられてしまいます。

ちなみにヨーロッパ以外の、たとえばアメリカ大陸の米国では、こちら
ではすでに東アジア原産種のゴマダラカミキリが、厄介な林業害虫とな
っていますから・・・ほんとにさすがに素早い。

ということで前回、前前回にひきつづいて、樹木への産卵のための飛来
がはじまっているゴマダラカミキリなど天牛についてのおはなしでした。


晴れ  もちろん農業にかぎらず、お庭の果樹やさらには果樹の
  鉢植えなどでも注意が要
です。最近なんだか樹勢が弱って
  きたような・・と思われたら、早めの点検をお薦めします。 

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染




進化したのか、ゴマダラカミキリ。

2018-05-25 14:14:25 | Weblog
進化したのか、ゴマダラカミキリ。H

前回の「昆虫型ロボットなのか」のつづき。2015年分なります。

 ↓

昨年6月はじめよりも、いくぶんはやい5月の末・・・。

緑〔植物〕のひとかけらもない倉庫街の一画に、今年もゴマダラカミ
キリが飛来してきました。


 来訪.jpg


一昨年そして昨年と同様に、このカミキリムシも、倉庫の入り口付近
に置かれた、刈り払い機の燃料缶によじ登ります。

そして例年であれば、燃料缶に数時間滞在したのち、いつのまにか姿
を消すのですが・・・今年は様子がちがいました。


激しいにわか雨が降ったのです。
そして、その雨がコンクリートの上に水たまりを作ったのですが・・・彼は



 ミズカミキリ.jpg その水たまりに飛び込むのです。

はじめは溺れているものとばかり思い、このカミキリムシを水からすく
い揚げていたのですが、ちがいます。

何度も水から引き揚げても、このカミキリムシは、そのたびに 再び水
に入っていくのです。


 ザンブリコ.jpg

そう、それはまるで、普段から水の中に棲んでいる水生昆虫であるかの
ように


昨年は、この「燃料油を狙ったかのように毎年1匹だけ飛来する虫」は、
じつは「燃料油をエネルギー源とするロボットなのではないのか」とおも
ったのですが、今年は ↓ こう思いましたよ。

水陸両用に改造されたな」、と/笑。


晴れ それにしても不思議な話しなんです。 なぜに毎年・なぜに1匹だけ
  なぜに燃料油、そしてなぜに今年は水の中へ? 
  こうなったら・・・来年の6月が楽しみですね。 燃料缶の位置は、
  そのままおなじ場所にしときましょう。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染




"もしかして昆虫型ロボット!?

2018-05-24 11:46:09 | Weblog
もしかして昆虫型ロボット!?H

次回分関連として、 カミキリムシ編2014年の回 の再録です。

 

緑〔植物〕のひとかけらもない倉庫街の一角。そこに 飛来したのは

一匹の ゴマダラカマキリ。。 ゴマダラ.jpg

着陸地点でしばらく様子を伺っていた 彼 は、安全だと確認したら
しく、目的に向かって足をすすめはじめた。

狙っているのは.jpg

目標にたどり着いた彼は、昨年・一昨年のときの “同胞” と
同じように執着した様子を見せる。そして彼の興味を引くその執着物とは

 iオイルっ.jpg

刈払い機用の 燃料油 なのです。

 ● 6月中旬
 ● 倉庫
 ● そして 毎年倉庫の入り口付近に置かれた燃料油
 ● 燃料油に 近づくカミキリムシ

・・・おそらくは、

 繁殖期である6月のカミキリムシを、燃料油の成分の一部が刺激する

と、いう図式が正解なのではないでしょうか。“ガソリンが好きなクマ
ペンキがすきなクマ”のケースが あるように。


そして <emoji code="h236" />ここからは内緒の話ではあるのですが・・・もしかすると、この
カミキリムシは、燃料油をエネルギー源とする昆虫型ロボットなのかも
しれません/笑。昨年も一昨年も じつは いつも こいつがきてたり。
そうなると・・・操っているのは、やっぱり これ系 ?



▼ 米欧で害虫化もしているゴマダラカミキリの話し は、 こちら 。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg「「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染




“あじさい祭り” が なつかしい。

2018-05-22 10:58:13 | Weblog

​​​​​“あじさい祭り” が なつかしい。

6月の梅雨の開花時期ともなると約2万本ともいわれる色とりどりのアジ
サイが咲いている宮崎県美郷町北郷の「椎野あじさいロード」。

標高600メートルという高さにある椎野地区でみるアジサイの開花の様
子は格別のもの。個人的には、朝晩の霧や霞のかかる時間帯にみるアジサ
イ開花の風景や、この時期に田植えがおわったばかりの普通期水稲の水田
の水面に映るアジサイのお花の色あいが、風情があって好きなんです。

そんな見る人を魅了する山場の里山の水田の畔に連なるアジサイという、
椎野の代表的な景色は、 ↓ こちら[ほかの映像をもっと見たい方には
こちら​]。

  

このアジサイの開花前後の美しさを内外に知らしめようと、例年の行事と
してこの椎野地区では『あじさい祭り』が開催されていたのですが・・・
残念ながら[昨年に引き続き]今年もお祭りは中止されそうな様子です。

お祭りの中止の原因は、主役のアジサイの病気。

約4年ほどまえから見られるようになったアジサイ葉化病花が緑いろに
変色
し・株が委縮し最終的には枯死してしまうこともある]の影響で、樹
勢が落ちて 以前のように同時期にお花が咲かなくなってしまったことや
この病気の影響でアジサイの総株数が減少してきていることにあります。

そしてなんといっても重要視されているのは、この病気に対する治療法が
確立されていないということ。

 新たな感染を増やさないためには発病株を抜いて処分するしかない

という現実があり、被害地区をひろげないためにも祭りの中止はやむをえ
ないといったところなのでしょう。 ↓の記事は、昨年5月の新聞記事。

        

ちなみにこのアジサイの病気の原因はファイトプラズマという名前の、細
胞内に寄生する細菌の一種。感染経路は、おそらくは ヨコバイ類だとい
われていわれていますので、大局からみれば

 温暖化によって増えているヨコバイ類のせいで被害はこれからも拡大

していきそうな状況だともいえそうです。

ということで今回は、古くは万葉集などにも謳われ愛でられてきたお花で
あるアジサイ。その日本の梅雨に咲く代表的なお花のアジサイ の病気で
あるアジサイ葉化病が各地でひろがってきている・・というお話でした。


晴れ この病気が蔓延していくと困るのはアジサイを植栽した
  観光名所とともに、アジサイを町や市の花木としている
  市町村ということにもなりそうですね。

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