農産物輸入で地方経済が衰退する理由。。み
『日本の景気がよくならないのは、〔政府が容認し〕企業が労働者=消費者で
あることを忘れて正規社員を減らし賃金カットをしていった結果ではないのか』
という説があるのをご存知の方も多いと思います。
以下は、外国、とくに中国からの農産物加工品が目についた2008年前後の
農家と地方経済についての話しとなります。上記の説と同じように、政府や企業
が農家=消費者であることを忘れいるのではないかという私論ですが、よろし
かったらご参考に。
↓
『農産物輸入で地方経済が衰退する理由』
農産物輸入のうち、とくに冷凍野菜が日本経済に与える影響について、典型的な
サトイモ栽培を例にとってお話したいと思います。
元来サトイモは、収穫・選別・出荷に手のかかる作物です。日本での栽培におい
ても、収穫は機械だとしても、選別・出荷についてはほとんど手作業となる野菜
です。特に親イモから子イモや孫イモをはずすことに、労力が掛かります。
栽培農家では、通常は選別・出荷までこなしますが、労働力に都合がつかない場
合は、イモをはずさないまま販売したり、収穫・選別・出荷のすべてを野菜の集
荷業者に委託したりもします。したがってサトイモの農家の手取り価格は、
農家自ら収穫・選別・出荷した > 収穫のみした > 作業全部を委託した
といった順番となります。この場合、労働力が最もかかるサトイモを「収穫・選
別・出荷した」が、手取りは一番高くなります。作業全部を委託すると、労働力
はかかりませんが、手取りは当然少なくなります。
このようにサトイモ農家は、そのときどきの労働力や市場価格を読みながら、い
ろいろな出荷の形態でサトイモを出荷していました。
しかしここで、登場するのが、中国もの輸入冷凍サトイモです。サトイモという
作物が安いばかりではないのです。さらに「皮を剥き、下茹で」という加工した
状態であるにもかかわらず、価格が安いのです。中国産の「加工してある上に調
理済みの料理となったサトイモ」のほうが、日本の農家の最も安い販売形態であ
る「作業全部を集荷業者に委託」したサトイモよりも安い。
これでは日本の国産サトイモ栽培に勝ち目はありません。
消費者は、家計にやさしいうえに、加工までされた中国もの輸入冷凍サトイモに
飛びついていきました。
このような状態が続くことで、日本の農家のサトイモ栽培は壊滅的な影響を受け
次第に減少してったのです。
消費者は利益を得ました。しかしです・・・地域経済でみるとどうでしょう。
このような農業における経済的な落ち込みが、サトイモ産地をかかえる地方全体
に与える影響は、まったくないものなのでしょうか。
いえ、影響はあります。
例えば「皮を剥き下茹でされた冷凍サトイモ」ですが、日本の加工業界で行われ
るはずであった「皮を剥くこと」や「下茹でされること」という労力が、当然不
用になっています。それだけではありません。商品を作るために使用されるはず
の包装などの材料代、長い目でみれば加工場の機械などもいずれは消えてしまう
のです。
また、農家がサトイモの生産を中止することにより、サトイモ栽培にかかる資材
も購入しなくなります。種子代・肥料代・農薬代・ビニールなどの資材代、それ
らにかかる輸送代も発生しません。サトイモの製品にかんする輸送代や人件費も
消えます。
長い目でみれば、掘り取り機械やトラクター・トラックなどの自動車や農業機械
にも影響が及びます。これらの機械を製作している産業界、販売している流通業
界、さらにの購入資金を貸したはずの金融機関にも影響が出てくるのです〔トラ
クター1台で数百万の世界ですからね、農家って。小さい農家でも総計1000万
ちかくの機械があるのはふつうの世界なんです〕。
このように輸入される農産物(冷凍加工食品も含めて)が日本経済に与える影響
とは、実は農業分野には留まらない大きなものとなるのです。
このように輸入される農産物(冷凍加工食品も含めて)が日本経済に与える影響
とは、実は農業分野には留まらない大きなものとなるのです。
この話はサトイモだけに限った話・・・この傾向はサトイモ以外の野菜でも同様
です。たとえば塩茹でにされて、温めるだけで食べることができるエダマメやホ
ウレンソウがあります。サラダに使えるやブロッコリーやコーンがあります。こ
れらの輸入冷凍野菜の全部の輸入量が日本の経済に与える影響は、サトイモとい
う一作物の比ではありません。
農産物輸入は、まずは地方経済を、さらに時を経ることによって日本全体の経済
を収縮させていくのです。
そして2008年秋、各地で日本最大の農作物であるコメの価格が暴落しています・・・。
▼ たとえば 葉もの野菜や根菜類に使う機械類は、まったくの別物。
作物を変えるたびに、ン百万・ン千万の機械代がいるのが農業なんですよね。
その農家の機械需要が無くなったとしたら、それだけでも地方経済はたい
へんです。
「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
『日本の景気がよくならないのは、〔政府が容認し〕企業が労働者=消費者で
あることを忘れて正規社員を減らし賃金カットをしていった結果ではないのか』
という説があるのをご存知の方も多いと思います。
以下は、外国、とくに中国からの農産物加工品が目についた2008年前後の
農家と地方経済についての話しとなります。上記の説と同じように、政府や企業
が農家=消費者であることを忘れいるのではないかという私論ですが、よろし
かったらご参考に。
↓
『農産物輸入で地方経済が衰退する理由』
農産物輸入のうち、とくに冷凍野菜が日本経済に与える影響について、典型的な
サトイモ栽培を例にとってお話したいと思います。
元来サトイモは、収穫・選別・出荷に手のかかる作物です。日本での栽培におい
ても、収穫は機械だとしても、選別・出荷についてはほとんど手作業となる野菜
です。特に親イモから子イモや孫イモをはずすことに、労力が掛かります。
栽培農家では、通常は選別・出荷までこなしますが、労働力に都合がつかない場
合は、イモをはずさないまま販売したり、収穫・選別・出荷のすべてを野菜の集
荷業者に委託したりもします。したがってサトイモの農家の手取り価格は、
農家自ら収穫・選別・出荷した > 収穫のみした > 作業全部を委託した
といった順番となります。この場合、労働力が最もかかるサトイモを「収穫・選
別・出荷した」が、手取りは一番高くなります。作業全部を委託すると、労働力
はかかりませんが、手取りは当然少なくなります。
このようにサトイモ農家は、そのときどきの労働力や市場価格を読みながら、い
ろいろな出荷の形態でサトイモを出荷していました。
しかしここで、登場するのが、中国もの輸入冷凍サトイモです。サトイモという
作物が安いばかりではないのです。さらに「皮を剥き、下茹で」という加工した
状態であるにもかかわらず、価格が安いのです。中国産の「加工してある上に調
理済みの料理となったサトイモ」のほうが、日本の農家の最も安い販売形態であ
る「作業全部を集荷業者に委託」したサトイモよりも安い。
これでは日本の国産サトイモ栽培に勝ち目はありません。
消費者は、家計にやさしいうえに、加工までされた中国もの輸入冷凍サトイモに
飛びついていきました。
このような状態が続くことで、日本の農家のサトイモ栽培は壊滅的な影響を受け
次第に減少してったのです。
消費者は利益を得ました。しかしです・・・地域経済でみるとどうでしょう。
このような農業における経済的な落ち込みが、サトイモ産地をかかえる地方全体
に与える影響は、まったくないものなのでしょうか。
いえ、影響はあります。
例えば「皮を剥き下茹でされた冷凍サトイモ」ですが、日本の加工業界で行われ
るはずであった「皮を剥くこと」や「下茹でされること」という労力が、当然不
用になっています。それだけではありません。商品を作るために使用されるはず
の包装などの材料代、長い目でみれば加工場の機械などもいずれは消えてしまう
のです。
また、農家がサトイモの生産を中止することにより、サトイモ栽培にかかる資材
も購入しなくなります。種子代・肥料代・農薬代・ビニールなどの資材代、それ
らにかかる輸送代も発生しません。サトイモの製品にかんする輸送代や人件費も
消えます。
長い目でみれば、掘り取り機械やトラクター・トラックなどの自動車や農業機械
にも影響が及びます。これらの機械を製作している産業界、販売している流通業
界、さらにの購入資金を貸したはずの金融機関にも影響が出てくるのです〔トラ
クター1台で数百万の世界ですからね、農家って。小さい農家でも総計1000万
ちかくの機械があるのはふつうの世界なんです〕。
このように輸入される農産物(冷凍加工食品も含めて)が日本経済に与える影響
とは、実は農業分野には留まらない大きなものとなるのです。
このように輸入される農産物(冷凍加工食品も含めて)が日本経済に与える影響
とは、実は農業分野には留まらない大きなものとなるのです。
この話はサトイモだけに限った話・・・この傾向はサトイモ以外の野菜でも同様
です。たとえば塩茹でにされて、温めるだけで食べることができるエダマメやホ
ウレンソウがあります。サラダに使えるやブロッコリーやコーンがあります。こ
れらの輸入冷凍野菜の全部の輸入量が日本の経済に与える影響は、サトイモとい
う一作物の比ではありません。
農産物輸入は、まずは地方経済を、さらに時を経ることによって日本全体の経済
を収縮させていくのです。
そして2008年秋、各地で日本最大の農作物であるコメの価格が暴落しています・・・。
▼ たとえば 葉もの野菜や根菜類に使う機械類は、まったくの別物。
作物を変えるたびに、ン百万・ン千万の機械代がいるのが農業なんですよね。
その農家の機械需要が無くなったとしたら、それだけでも地方経済はたい
へんです。
「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」