グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

果形から作物の生育状態を知る。

2023-05-15 11:28:58 | Weblog
果形から作物の生育状態を知る。
最終コーナーにはいった今季のハウス施設栽培。前回[こちら]に
つづいて今回はハウスキュウリ農家さんからのご質問いただきま
したので関連回を再掲載してみました。よろしかったら。

 ↓

『キュウリの果形から、作物の生育状態を知る』

キュウリは曲がっているのがあたりまえ、いえ曲がっているほうが
良い
・・・とさえ、思われている消費者さんもおられます。
しかし、この考え方は、キュウリという植物の生育から見た場合
には疑問符がつく考え方だといえるでしょう。

キュウリの定植から収穫終わりまでの生育全体を見た場合に、キュ
ウリ果実の曲がりの発生が多くなるときは、キュウリの樹が疲れて
きたとき に多くなる
ことが統計上報告されています。

具体的には たとえば

 ● 葉が繁りすぎて、光が充分に葉にあたらないとき
 あるいは、
 ● 病気や虫などの影響で葉の機能が落ちたとき、
 ● 天候が悪いとき、
 ● 一度にたくさんの果実をならしすぎたあと、
 ● 肥料や水が不足して、樹にストレスがかかったとき

 
といった状況で果実の曲がりが多くなることが判明しています。

せっかく読んでいただけているのですから、土壌栄養学的に特化
して曲がり果が起きるときの土の状態を説明
しますと、

 ● 実の上部が細いもの肩こけ果は石灰欠乏 
 ● 尻が太いものは、下葉が枯れてきたとき
 ● 2本つながりや、実に葉の奇形果は、ホウ素欠乏 
 ● 果実が縦に割れる裂果は、根が弱っているとき、
 ● 食べて苦い苦味果は、 乾燥が影響 している

ということがわかっています。このようにキュウリ果実は

 なんらかのストレスが、作物にかかるときに曲がる

のです。

したがって対処法は・・・作物にかかっているストレスを取り
除いてやること。

その方法ですが、土壌栄養学的には 不足しているミネラル類
を補う
ことで対処します。また、全体的には最初に述べた作物
管理の適正化に努めることで、“曲がり”に対処していきます。

すっとまっすぐに育ったキュウリの樹から取れる、素直なキュ
ウリの果実は、ミネラルのバランスとれている[こちら]ので、
とてもおいしいですよ。 よろしかったら、ご参考に。
 

晴れ 良品を継続的に出荷できることが、農業経営におけるいち
  ばんの 経営安定策だとおもうんですよね。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜

kk