グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

田植えは「虫のしらせ」で。

2016-03-15 15:33:24 | Weblog
田植えは「虫のしらせ」で。

例年であれば春分の日の連休の前後から早期水稲の田植えをスタート
される農家さんも多いことと思われますが、そんな田植の時期の判断
に昆虫を活かすというおはなしになります。
なんといってもここ数年は天候が不順。夏のような陽気がきたかと思
えばまたまた冬に逆もどりといった無茶な天候 の連続ですものね。
ちなみに15日の今朝の宮崎の最低気温は2度前後。“今朝は霜で真白
になっていた”という話でもちきりです。ということでカラスノエンド
ウの繁茂が遅れている今年は27日前後からスタートが主流となるかも。

 ↓

『収穫時のおコメの値段を考えれば早く田植をしたほうがよいのだが、
 田植えの時期が早過ぎると霜害を受ける可能性があり、そうなれば
 肝心のおコメの収穫時期や収穫量に影響を受けることにもなりかね
 ない・・・。はてさて、毎年毎年大きく変動する気象のなかで、田
 植えの時期を判断するのは、なかなかにむづかしいことであるな』

というところまでが、前回までのおはなしでした。そして今回は、そ
のような田植えの時期を決定する判断材料についてのおはなしとなり
ます。

そして そのはなしの結論ですが・・・

 その判断材料のひとつとして昆虫の存在

を利用するという手があります。

というのも、昆虫は気温の上昇とともに生命活動を開始するという性
質があるからです。たとえば日本に住む昆虫は〔もちろん種類によっ
て差はありますが
〕おおむね

 5度から10度でうごきだす〔姿をみせる

という性質がある。そんな虫たちの存在を田植えの時期の判断に活用
すればよい・・
つまり、水田のまわりに、ある種の昆虫が姿をみせてくれたら、それ
を田植えを開始しても良い時期だと判断するというわけです。

より具体的にいうならば、わたくしの判定材料に使う昆虫は、モンシ
ロチョウとキリギリスであり、たとえば

  田畑にモンシロチョウが舞い始めている
  予想より早く、孵化したてのキリギリスが田のまわりの草にいた

となると、田植えを急いでも霜害の心配はない・・・というふうに
気象を予想して、田植えを開始するするわけです。はんたいに、暖か
いように感じられたとしても

  越冬していたモンシロチョウの、舞う姿が見受けられない
  田のまわりの草に、孵化したてのキリギリスの姿がない

ということであれば、田植えの時期を先延ばしにします。

いじょう私論ではありますが、経営的に重要な意味を持つ早期水稲の
田植の時期を決定するには「虫のしらせ」を利用していますよという
おはなしでした。


◎ 付け加えまして・・・キリギリスの餌となるカラスノエンドウが
  目立ち繁茂しはじめてから、キリギリスが孵化してまいります。
  ということで、このカラスノエンドウも、よき判断材料だといえ
  そうです[あとはタケノコで判断される農家さんも]。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染