関税ゼロが引き起こす水害被害拡大のメカニズム。
『大型で強い台風●●号は、日本の南海上をゆっくりと北西へ進み、
関東甲信の山沿いでは局地的に非常に激しい雨が降っています。
このために太平洋側を中心に非常に激しい雨が降るおそれがあ
り、気象庁は、土砂災害や低い土地の浸水などに警戒を呼びかけ
ています。』
という、ありがちなニュースの例でみられるように、いま日本各地
では、水害被害の多発と、その被害の拡大ぶりが伝えられるように
なってまいりました。そこで、今回は、そのような被害拡大のメカ
ニズムについてのお伝えしてみました。よろしかったらご参考に。
↓
採算にあわないために放置される、適切な間伐がおこなわれないまま
に密植の状態が続く人口林では、地表に日光さえ差し込まない状態で
あるために樹の根張りが悪くなり、結果として地盤の弱体化をひきお
こしてしまいます。
そこに台風などの強い風雨が加われば、その地盤が崩れ、植えられて
いる樹ごと崩壊してしまう。その後の被害拡大のメカニズムですが・・・
山林が大雨で崩壊 → 流木が河川に流失 → 流木が橋の橋脚に
ひっかかり → 川の流れをせき止める → 橋が急激にダム化して
水かさが増す → 氾濫 → 濁流が田畑や住宅地に押し寄せる
と、いった経緯をたどることが各地の被害現場で検証されています。
その典型的なケースとして、2005年の7月9日から10日にかけ
て大分県を襲い、死者は4人・行方不明者1人を出した豪雨災害 が
あるのですが、当時の土木事務所・林業試験場の見解はつぎのように
なります。
「10日未明に降った1時間に84ミリという強雨の影響で九重町の
山林約32ヘクタールが崩壊、玖珠〔くす〕川に多量のスギ・ヒノ
キが流れ込み、豊後渡橋の橋脚に集積、水をせきとめる形となり
氾濫をひきおこした。」
「直径20~30センチのスギ・ヒノキが現場には山積み状態。数が
多すぎて流木の数もわからない」
というものです。
残念な話しではありますが、もはやこのような光景は、日本の河川の
上流部において、ちょっと激しい水害がくる度に繰り返される日常の
風景になっているのです。
そしてこれからですが・・・こういった放置された人工林の崩壊が原因
となって引き起こす大水害は、大都市圏にお住まいの皆さんの住環境
においても、ふつうにおこってくることになる〔今年は大都市圏での
数十万人規模の避難勧告なども実際にありましたものね〕。
それは、 日本産の木材の価格が引き続き下がり続けている からです。
◎ たとえば日本一のスギの生産量を誇る宮崎県の例ですが、本年の6
月には、1立法メートル当り約6900円 という史上始まって以
来の過去最低価格を記録するほど。“50年かけて山を管理しても
採算がとれない”状態が続いているのです。企業的な感覚からいえ
ば、山を放置したくなるのが人情ってものですよ。
「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
『大型で強い台風●●号は、日本の南海上をゆっくりと北西へ進み、
関東甲信の山沿いでは局地的に非常に激しい雨が降っています。
このために太平洋側を中心に非常に激しい雨が降るおそれがあ
り、気象庁は、土砂災害や低い土地の浸水などに警戒を呼びかけ
ています。』
という、ありがちなニュースの例でみられるように、いま日本各地
では、水害被害の多発と、その被害の拡大ぶりが伝えられるように
なってまいりました。そこで、今回は、そのような被害拡大のメカ
ニズムについてのお伝えしてみました。よろしかったらご参考に。
↓
採算にあわないために放置される、適切な間伐がおこなわれないまま
に密植の状態が続く人口林では、地表に日光さえ差し込まない状態で
あるために樹の根張りが悪くなり、結果として地盤の弱体化をひきお
こしてしまいます。
そこに台風などの強い風雨が加われば、その地盤が崩れ、植えられて
いる樹ごと崩壊してしまう。その後の被害拡大のメカニズムですが・・・
山林が大雨で崩壊 → 流木が河川に流失 → 流木が橋の橋脚に
ひっかかり → 川の流れをせき止める → 橋が急激にダム化して
水かさが増す → 氾濫 → 濁流が田畑や住宅地に押し寄せる
と、いった経緯をたどることが各地の被害現場で検証されています。
その典型的なケースとして、2005年の7月9日から10日にかけ
て大分県を襲い、死者は4人・行方不明者1人を出した豪雨災害 が
あるのですが、当時の土木事務所・林業試験場の見解はつぎのように
なります。
「10日未明に降った1時間に84ミリという強雨の影響で九重町の
山林約32ヘクタールが崩壊、玖珠〔くす〕川に多量のスギ・ヒノ
キが流れ込み、豊後渡橋の橋脚に集積、水をせきとめる形となり
氾濫をひきおこした。」
「直径20~30センチのスギ・ヒノキが現場には山積み状態。数が
多すぎて流木の数もわからない」
というものです。
残念な話しではありますが、もはやこのような光景は、日本の河川の
上流部において、ちょっと激しい水害がくる度に繰り返される日常の
風景になっているのです。
そしてこれからですが・・・こういった放置された人工林の崩壊が原因
となって引き起こす大水害は、大都市圏にお住まいの皆さんの住環境
においても、ふつうにおこってくることになる〔今年は大都市圏での
数十万人規模の避難勧告なども実際にありましたものね〕。
それは、 日本産の木材の価格が引き続き下がり続けている からです。
◎ たとえば日本一のスギの生産量を誇る宮崎県の例ですが、本年の6
月には、1立法メートル当り約6900円 という史上始まって以
来の過去最低価格を記録するほど。“50年かけて山を管理しても
採算がとれない”状態が続いているのです。企業的な感覚からいえ
ば、山を放置したくなるのが人情ってものですよ。
