有機資材は、こう使おう。
有機について考えるシリーズ・・・「有機物の“分解”について考えて
みる。」で ご説明した 便利な数値/炭素率 の 続きです。
よい機会ですから、農業用の肥料や改良剤として使われる資材の炭素
率〔C/N比〕の代表的なものご紹介しておきましょう。
農業で使用される主な有機資材の炭素率はつぎのようになります。
■ 炭素率の高いもの〔腐りにくいもの〕
小麦ワラ 大麦ワラ モミガラ イナワラ 山野草
128.8 98.3 75.6 65.1 29.4
■ 炭素率の低い〔腐りやすいもの〕
乾血 骨粉 魚粕 肉粕 菜種 米ヌカ
3.5 4.4 4.7 5.5 7.7 13.2
といった具合です。
ひとくちに有機物ということで、ひとまとめにされることが多いいろ
いろな有機物にも、腐りにくいものと 腐りやすいものがあることが
よくわかりますね。
さて、そこで農業です。
こういった“有機物”の、“腐りにくい”とか、“腐りやすい”といった性質
を上手に栽培に利用するにはどういった方法があるのでしょうか。
たとえば実際の現場では こういうふうに使っていきます。
炭素率の高いものは、その腐りにくい性質を利用して、土の物理性
(通気性・透水性など)の改良に使用します。
たとえば、小麦ワラ・大麦ワラ・モミガラ・イナワラ・山野草などと
いった繊維質の多い有機物で作ったたい肥として利用する。
反対に、炭素率の低いものは、その腐りやすい〔発酵しやすい〕性質
を利用して、肥料効果を狙います。
たとえば乾血・骨粉・魚粕・肉粕・菜種・米ヌカなどを 発酵させて
適量施すといった方法をとるわけです。
そして、ここで注意しなければならないことは、いずれの場合でも生
のまま施さないという点。目的に応じて適量ほどこすことが大切です。
有機は必ず無機になっていくもの・・・その過程でのリスクがあるか
らです。そのリスクとは具体的に
■ 炭素率の高いものは、土中の酸素不足を引きおこしやすい
■ 炭素率の低いものは、病害虫の発生やガス害を引きおこしやすい
という性質があるからです。
昔から、「生の資材を田畑には使うな」とか、「有機資材は、充分に
発酵させてから田畑にいれろ」と いわれてきた理由はここにありま
す〔有機の種類をごっちゃまぜにして生で大量に施すのは・・・環境
破壊に直結してしまいますから〕。
ということで今回は、
有機原料は炭素率できちんと分類し、それぞれの性質にあった処理
を施したうえで、[土の検査のもと]適量づつ適切に使用しよう
というおはなしでした。
◎ 田畑はゴミ捨て場じゃないんだから・・という話でもあります。
適量なら薬、過ぎれば毒。それを見極めるのが農業の技術だ と
いうおはなしでした。
「夢で終らせない農業起業」 「里地里山複合大汚染」
有機について考えるシリーズ・・・「有機物の“分解”について考えて
みる。」で ご説明した 便利な数値/炭素率 の 続きです。
よい機会ですから、農業用の肥料や改良剤として使われる資材の炭素
率〔C/N比〕の代表的なものご紹介しておきましょう。
農業で使用される主な有機資材の炭素率はつぎのようになります。
■ 炭素率の高いもの〔腐りにくいもの〕
小麦ワラ 大麦ワラ モミガラ イナワラ 山野草
128.8 98.3 75.6 65.1 29.4
■ 炭素率の低い〔腐りやすいもの〕
乾血 骨粉 魚粕 肉粕 菜種 米ヌカ
3.5 4.4 4.7 5.5 7.7 13.2
といった具合です。
ひとくちに有機物ということで、ひとまとめにされることが多いいろ
いろな有機物にも、腐りにくいものと 腐りやすいものがあることが
よくわかりますね。
さて、そこで農業です。
こういった“有機物”の、“腐りにくい”とか、“腐りやすい”といった性質
を上手に栽培に利用するにはどういった方法があるのでしょうか。
たとえば実際の現場では こういうふうに使っていきます。
炭素率の高いものは、その腐りにくい性質を利用して、土の物理性
(通気性・透水性など)の改良に使用します。
たとえば、小麦ワラ・大麦ワラ・モミガラ・イナワラ・山野草などと
いった繊維質の多い有機物で作ったたい肥として利用する。
反対に、炭素率の低いものは、その腐りやすい〔発酵しやすい〕性質
を利用して、肥料効果を狙います。
たとえば乾血・骨粉・魚粕・肉粕・菜種・米ヌカなどを 発酵させて
適量施すといった方法をとるわけです。
そして、ここで注意しなければならないことは、いずれの場合でも生
のまま施さないという点。目的に応じて適量ほどこすことが大切です。
有機は必ず無機になっていくもの・・・その過程でのリスクがあるか
らです。そのリスクとは具体的に
■ 炭素率の高いものは、土中の酸素不足を引きおこしやすい
■ 炭素率の低いものは、病害虫の発生やガス害を引きおこしやすい
という性質があるからです。
昔から、「生の資材を田畑には使うな」とか、「有機資材は、充分に
発酵させてから田畑にいれろ」と いわれてきた理由はここにありま
す〔有機の種類をごっちゃまぜにして生で大量に施すのは・・・環境
破壊に直結してしまいますから〕。
ということで今回は、
有機原料は炭素率できちんと分類し、それぞれの性質にあった処理
を施したうえで、[土の検査のもと]適量づつ適切に使用しよう
というおはなしでした。
◎ 田畑はゴミ捨て場じゃないんだから・・という話でもあります。
適量なら薬、過ぎれば毒。それを見極めるのが農業の技術だ と
いうおはなしでした。
