きのねの本音

染色や木彫り そして気の合う仲間たち
大好きなものに囲まれ シニアライフを楽しんでいます
時には 愚痴や本音もポロリ

父が植えたユスラウメ

2017-05-29 05:34:28 | 田舎日記
主の居なくなった家にも、

庭の柿の木は、緑の葉を茂らせ
アジサイの花は、
たくさんの蕾をつけていた。

昨年と何も変わっていないのに…。

父が90歳の時だっただろうか?

ユスラウメの小さな木を買って来た。

「え〜 もう植える場所ないのに…」
その時、
私は、不服を口にした気がする。

家の周りは、既に、たくさんの植木や花が
家を取り囲むように、植えられていた。

そのユスラウメの木は、
庭の畑の隅に植えられ、
少しづつ大きくなり、
私の背丈を超えた。

昨年、初めて実を付けたが、
食べる程の数は無かった。

今年は、真っ赤な実を沢山つけていた。

お父さんに、出してあげたら、
なんと言うだろうか?

「甘いのう…」と言うだろうか?

それとも、何も言わずに、
口に入れるだろうか?

そんなことを思いながら、
潰れそうに熟した実を摘んだ。

洗うと、真っ赤でルビーのように輝いた。

ガラスの器に入れ


「お父さん、今年の初物、先に召し上がれ」

仏壇に供えて、手を合わした。






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