小栗重吉の碑
愛知県の半田に行って、本当に久しぶりに絵の先生に会うことができた。
子供の頃習ったきりで、その後、先生が個展を開いたりするときなどに会うくらい。
アトリエにお邪魔して話し、短い時間だったが楽しい時間を過ごした。
半田のミツカン、国盛の倉庫群を観に行ったときに、ミツカン展示場前に設置された看板に気付いた。
小栗重吉という人に関するものだった。初めて知った。
昔、漂流する羽目になり、500日近くの漂流の末、アメリカの沖で救助されたそうだ。
漂流というのは、その時代、突出した形で図らずも異文化を知ることになるという観点から実に興味深く、
以前から、それに関する本など読んでいた。
よく冒険小説のテーマにもなり、面白いものが幾つも出ている。
小栗重吉は史上最も長い期間に渡り漂流した人として知られている、となっている。
当時、アメリカまで漂流し、無事帰ってきたというのは、その見聞きしたことなどを含めて
どんな感じだったのだろうと想像は膨らんだ。
図らずも、ではあるけれど貴重な存在であったことは間違いない。
そういう人がこんなところにいたとは驚きだった。
遠州灘で遭難したというから初めは黒潮に乗ったに違いない。
そうすると、北方に流されるのではなくて、しばらくして太平洋へ向けて投げ出されるはずで、
遭難の経路を見ると、どうもそのようだ。どんなだっただろう?興味深い・・・。
生還しただけでも大したものだと思う。
もしかしたら、他にも漂流の憂き目に遭い、人に知られないまま、という人も過去にはいたかもしれないと思った。