本当に心を痛めるのは振られた自分より振った相手
この年になって失恋の話をするのはどうかと思うが、数々の失恋を
経験してきた私は、いつしか振られた自分より振った相手のほうが
辛いだろうと思うようになった。付き合ってた期間や振られた原因
によっても違いはあるが、心底愛する人を失うことは、奈落の底へ
突き落された感じで立ち直るには、ある程度の期間が必要で、やは
り失恋はどうしても引きずってしまう。
愛する人から一方的に別れを突きつけられるので、惨めで辛い気持
ちになるのは確かだが、でも考えてみると、本当に辛い思いをして
るのは振った相手のように思う。何故なら、これほど愛してくれる
人を自ら手放してしまったからである。自分は愛する人を1人失っ
ただけだが、相手は自分を深く愛してくれる人を失ったのである。
自分を愛してくれる人を失うことは大きな損失で、自分に尽くして
くれた人を振るのは辛いことである。相手の人は、当初は平気かも
しれないが、暫くすれば後悔し「自分をこれほど愛してくれる人を
振ったのは間違いだった」と気づくはずである。もし気づかないな
ら、相手を惨めに私は思うだろう。
このように考えるようになったのは、私が失恋した経験から自分自身
に振られた現実を納得するために考え出した都合のいい知恵なのかも
しれない。『本当に心を痛めるのは振られた自分より振った相手』