「囚人のジレンマ」は日常的に起きている
みなさんは「囚人のジレンマ」については既にご存じだと思います
ので、ここでは詳しい説明は省かせてもらます。簡潔に言うと「囚
人のジレンマ」とは、お互いが絶対優位な選択をした結果、二人に
とって最良の結果にならない状態のことである。言い換えると「パ
レート最適」と「ナッシュ均衡」に相違が生じている状態になるこ
とである。「パレート最適」とは、双方にとってベストな選択をす
ることで、「ナッシュ均衡」とは、お互いが最適な戦略を取り合う
状況のことである。
この「囚人のジレンマ」は、日常の至るところで起こっていて、価
格競争、不安時の日用品の買い占めなどは典型的な事例である。例
えば、オイルショックの時トイレットペーパーが無くなる状況が起
きた。供給不安が起こったとしても、トイレットペーパーの消費量
が劇的に増えることはなく、みんなが冷静になって必要な分を必要
なときに買って上手に使えば、みんなにトイレットペーパーが行き
渡るようになるが、しかし現実はそうはならない。なぜなら、みん
なが少しずつ買うことがよいとわかっていても、自分だけのことを
考えたら買い占めてストックしておいた方がよいと思うからである。
このように「囚人のジレンマ」に陥っている状態を考えると、少しず
つ買うことが良いとわかっていても誰かが抜け駆けして買い占めるリ
スクがあるので、列に並んで買えるだけ買うという行動をとってしま
う。
つまり、自分にとって絶対優位な選択をした結果、自分にとって最良
の結果にならない状態のことが日常的に起きていると感じている。そ
して「囚人のジレンマ」に陥らないためには、かなり難しいと思うが
「規制」「裏切りに対する制裁」「日常的な協力関係」が大切である
と思っている。