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小泉の靖国参拝を論じる側は東京高裁の判決などは無視しているところもあるようだが。。。

2005-10-20 00:28:02 | ど素人による法律問題
周知のように小泉が靖国を参拝したが、この参拝および大阪高裁の判決をめぐってはネット上でもすでにかなり詳しく論じられている。
自分は憲法を含め法律には詳しくないし、あまりたくさん情報も集めてはいないのだが、今回の小泉の靖国参拝に関してはいくつものことが複雑に絡みあって批判、あるいは議論されているようで、そうした議論の複雑さそのものが検証されてもよさそうなものだという気がする。

以下に小泉の靖国参拝に関していくつかの問題点を列挙してみる

1憲法違反である(大阪高裁判決、政教分離、思想良心の自由など)
2中国や韓国との外交上の問題(外交日程に支障をきたしている)
3靖国神社そのものに関する「問題点」(A級戦犯合祀の問題など)

これ以外にもいくつも問題点は指摘できるかもしれないが、いくつもの問題点がさまざまなレベルでこの問題を構成しているようだ。
たとえばどこかの大学かなにかの講座で首相の靖国参拝に関するレポートを書けなどと課題が出された場合、やはりこうしたことを全て網羅する必要があるのだろうか。

ちなみにこの裁判の訴状はこちらのサイトの「書面」や「訴状」をクリックして出るものでしょうか。原告の立場などもあるのでしょうが、それにしてもものすごくいろいろな問題が詳細に論じられているようです。

自分としては逆にこうしたことを全て網羅することに疑問を感じている。
はっきり言って、1に関していえば、小泉の靖国参拝自体が違憲かどうかは2とも3とも関係がないだろう。たとえば政教分離について論じる際どの宗教はよくてどの宗教は駄目だ、などと言う議論が起こってはならないと自分は考えているが、この国の一部の論調はまさにそうしたたぐいの議論の様相を呈しているようにさえ自分には思われる。

しかし政教分離ということに関しては憲法20条に「いかなる宗教団体も」とあるから、そもそも憲法問題を論じるならば、靖国神社そのものに関して議論すること自体おかしいのではないか。この赤の部分はよく朝2時ごろの追記です。

ニュース番組などを見ているものには1、2、3のことが次々と言われるので、こうしたことが峻別できなくなってしまうのではないだろうか。

たとえば加藤千洋は小泉の公約として「中国との友好的な関係を保つ」ということを守っていないのではということをたしか昨日の『報道ステーション』で言っていた。
今日は前原との党首討論で小泉が憲法19条の思想良心の自由を持ち出した事に関して隣りの20条は見てないのかということを言って、部分的に憲法の中から自分に都合のよい部分だけを取り上げることを非難していた。
なぜかかなり控えめなニュアンスで言っているし、違う日に言っているということはあるにせよ、やはり加藤の中ではこうしたことが一緒くたになっているかまたは、一緒くたにしたがっているように思える。
さて19条から20条を以下に引用してみよう。

**************************************************************
〔思想及び良心の自由〕
第19条 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。
〔信教の自由〕
第20条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
3 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。
**************************************************************

加藤は20条の中の「国から特権を受けてはならない」という部分を言っていたのであるが、20条は「信教の自由」を定めた箇所である。小泉の靖国参拝は「信教」とまでは言えるかどうかは微妙だが、もし20条一項の二つ目の文を言うのであれば、最初の文も言及しなければ、それこそ「つまみ食い」(と加藤は小泉を批判していたようであったが)に加藤の方こそ陥っていることになるのではないか。
「信教の自由」と「思想・良心の自由」の違いは前者には宗教が絡んでいることであろうが、いずれにせよ19条は憲法そのものに関する非常に難しい問題を含んでいるところだと私は認識していて、もちろん20条も解釈上の難しい点はあるであろう。

ここでは20条の一項にまず焦点を当てたいのであるが、自分としては第三項を解釈する際、第一項にある「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する」という部分を踏まえたものでなければならないと思う。
つまり首相であれ、他の政治家であれ、「信教の自由は保障」した上で、「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」としているのであるから、ここで言う宗教活動とは、(本当はそのような但し書き抜きで「宗教活動は」と言いたいのだが)、参拝のようなものを指して言うのではなく、たとえばなにかの宗教を始めるとか、自分のホームページにある特定の宗教の説明を書いたページを載せるなど、宗教そのものを広める活動のことを言うのではないか。
したがってたとえばある宗教の信者が個人的に行う行為を制限するものではないだろう。これはかってな解釈だと言う人もいるかもしれないが、当たり前のことだと言う人も多いだろう。

実際大阪高裁の判決の中では小泉が参拝することで靖国のサイトのアクセス数が増えたというようなことを言っているようであるが、これは小泉が意図してやったことではなく、小泉が参拝したことの副次的な効果と言うべきものであるから、これは特に宗教を広める行動とは言えず、こうしたことを持ち出して違憲だということはいかにもこじつけめいたことだと思う。

それと大阪高裁の判決は基本的に国が勝訴しているので、国は上告?できないということや、たしか東京高裁では同じような訴訟に関して憲法判断は示さず原告は上告するらしい。
こちらをご覧ください

轡田が言うように大阪の判決に従わないのでは遵法精神が失われると言うのは理解に苦しむ。
ようするにテレ朝は自分に都合のよい判決を持ち出しているのではないだろうか。


最後になってしまうがもちろん日本が近隣諸国に言い尽くせない被害を与えたことは自分も認めざるを得ないし、これからも中国や韓国との友好関係は維持してゆくべきだと思っている。
しかし繰り返しになるが、これは憲法とはまた別の話であって日本も「一応」独立した主権国家であることもたしかであるはずだ。

(すみませんが、いつもそうですが、今日は腕が痛くて、憲法訴訟?ということや、違憲立法審査権と違憲審査など、について他にもこれに関していろいろかきたいことがあったのですが、疲れたのでこれぐらいにさせてください)

このエントリーもまとまりませんが、大阪の判決が確定したらしいことなどは自分の幼いころからの友人が教えてくれたことを記して謝意といたします。また教えてください。

                       (文中敬称略)

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