数年にわたって放置しつづけている虫歯が、一昨日あたりから痛みが強くなってきた。
電車に乗ってフランス語の入門書を見ていると、ちょうどいい例文に出くわした。
たしか、J'ai mal aux dents.だったか。
我を忘れるほどの痛みではないにせよ、ともかくこれが痛さなのかと認識を新たにさせられる程度に意識を引き寄せる感覚だ。
抜歯しなければならないか分からないが、明日以降も痛みが引かなければ、また歯医者さんのお世話になろう。
帰りに仏検4級の問題集を買いに古本屋さんによった。
そもそも本を読みたくて勉強を始めているのだから関係ないのだけれど、
貧乏性の故か、外国語学習を始めると、つい資格試験を考えてしまう。
目的と手段の倒置はわたしの生活では珍しくない。
以前目にして気にかけていた100円の問題集はまだ残っていた。
さらにあわせて、これまた100円で並んでいたスペイン語の練習帳も買ってしまった。
仏検問題集はともかく、スペイン語こそ当座はやることも無いだろうに、辞書と入門書は一通りそろえてしまっている。
まあ、いつかやるさ。多分。
空腹感が歯痛に打ち克ったようだったので、古書店の斜向かいにある店に入りカツカレーを注文した。
ピークの時間帯を過ぎているためだろう、店員の少年は同僚と話すことに気が行っているようで、カウンターの上に空いた食器が数組も残されていたままだった。
わたしもわたしで、日がな一日ろくに仕事も無く、泥棒のような真似をしているので、人を責める気にはならない。
買ったばかりの仏検問題集をカウンターの上で開いて、やはり語彙不足が最初の難関になることが見て取れた。
どんな外国語もそうだが、最初は文法事項、次に語彙不足が課題になる。
文法は例外的なものに出会うたびに追々学習していけば良いのだけれど、語彙不足はいつまでたっても悩みの種だ。母国語にしてからそうなのだ。
語彙習得の必要性とカツカレーを前に、虫歯の痛みと対話しているところで携帯がなった。
女性店員の若い声が「注文した本が届いたので、ひまな時に取りにきてください」と電話口でたどたどしくがんばっていた。言葉遣いは仕方ないが、そうだそれでいいんだ。
そそくさと食事を終えて、電車に飛び乗って自宅近くの本屋さんに急いだ。
ブルガーコフの『巨匠とマルガリータ』、マルクスの『経済学批判』が届いていた。
これで当座読むものがそろった。
そういえば、朝の出勤途中、路上で自転車でこけた少年を起こして、「気をつけないとダメだよ」と言って立ち去ったのだっけ。
少年も、ありがとうございましたと礼儀正しかった。
子供たちを見守る心理になれるだけ、心のゆとりを持てた一日だったのか。
珍しい。
電車に乗ってフランス語の入門書を見ていると、ちょうどいい例文に出くわした。
たしか、J'ai mal aux dents.だったか。
我を忘れるほどの痛みではないにせよ、ともかくこれが痛さなのかと認識を新たにさせられる程度に意識を引き寄せる感覚だ。
抜歯しなければならないか分からないが、明日以降も痛みが引かなければ、また歯医者さんのお世話になろう。
帰りに仏検4級の問題集を買いに古本屋さんによった。
そもそも本を読みたくて勉強を始めているのだから関係ないのだけれど、
貧乏性の故か、外国語学習を始めると、つい資格試験を考えてしまう。
目的と手段の倒置はわたしの生活では珍しくない。
以前目にして気にかけていた100円の問題集はまだ残っていた。
さらにあわせて、これまた100円で並んでいたスペイン語の練習帳も買ってしまった。
仏検問題集はともかく、スペイン語こそ当座はやることも無いだろうに、辞書と入門書は一通りそろえてしまっている。
まあ、いつかやるさ。多分。
空腹感が歯痛に打ち克ったようだったので、古書店の斜向かいにある店に入りカツカレーを注文した。
ピークの時間帯を過ぎているためだろう、店員の少年は同僚と話すことに気が行っているようで、カウンターの上に空いた食器が数組も残されていたままだった。
わたしもわたしで、日がな一日ろくに仕事も無く、泥棒のような真似をしているので、人を責める気にはならない。
買ったばかりの仏検問題集をカウンターの上で開いて、やはり語彙不足が最初の難関になることが見て取れた。
どんな外国語もそうだが、最初は文法事項、次に語彙不足が課題になる。
文法は例外的なものに出会うたびに追々学習していけば良いのだけれど、語彙不足はいつまでたっても悩みの種だ。母国語にしてからそうなのだ。
語彙習得の必要性とカツカレーを前に、虫歯の痛みと対話しているところで携帯がなった。
女性店員の若い声が「注文した本が届いたので、ひまな時に取りにきてください」と電話口でたどたどしくがんばっていた。言葉遣いは仕方ないが、そうだそれでいいんだ。
そそくさと食事を終えて、電車に飛び乗って自宅近くの本屋さんに急いだ。
ブルガーコフの『巨匠とマルガリータ』、マルクスの『経済学批判』が届いていた。
これで当座読むものがそろった。
そういえば、朝の出勤途中、路上で自転車でこけた少年を起こして、「気をつけないとダメだよ」と言って立ち去ったのだっけ。
少年も、ありがとうございましたと礼儀正しかった。
子供たちを見守る心理になれるだけ、心のゆとりを持てた一日だったのか。
珍しい。