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名も無きねこに

カンディード逆上 いいぞ、鞭打ち

2010-04-14 19:50:43 | わたし
『まいにちフランス語』(応用編 : 澤田直)で取り上げられるので、
いい機会だと思い『カンディード』を植田祐次の翻訳で読み始めた。
が、休み無く軽やかに鬱展開が続いて、読んでいるとへこむ。

ヴォルテールはそんなにライプニッツ嫌いだったのか?
確かにモナドロジーは馬鹿っぽかった(いや、哲学的な意味ではなく)。
何故だか、「世界はモナドから出来てんだよ!」とか
口走ってしまうくらい学生の頃はまったけど。
一緒になってモナド万歳ぐらい言ってそうなイメージだったんだけどな。
ヴォルテールも。

散々な目にあってきたにもかかわらず言い回しは控えめだが、
ようやくカンディード君が普遍理性を介さずにしゃべった第九章。
スマートな彼の言い回しが気になって調べた原文と、訳文を書き留めておく。


 「どうしてこんなことをなさったのです。生まれつきあんなに温厚なあなたが、またたく間にユダヤ人と偉い聖職者を殺してしまうとは」(キュネゴンド嬢)
 Comment avez-vous fait, vous qui êtes né si doux, pour tuer en deux minutes un Juif et un prélat?

偉いとは言ってないような・・・気もしたが、
prélat n.m. : 高位 [聖職] 者
だったので、それを汲んでか。

 「美しいお嬢さま」と、カンディードは答えた。「恋をし、嫉妬をし、宗教裁判所に鞭打たれると、逆上してしまうものです」(カンディード)
 Ma belle demoiselle, répondit Candide, quand on est amoureux, jaloux, et fouetté par l'inquisition, on ne se connaît plus.

ne se plus connaître : 我を忘れている, 逆上している
なるほど。

いいぞ、カンディード!
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vers apres-demain

2010-04-06 23:48:36 | わたし
NHKの講座を利用して再開したロシア語。
入門書を読んだのは五年前で、キリル文字も久しぶり。
秋の仏検まで間があるから、ロシア語能力検定試験を受験することにして、
今日申し込みを済ませた。

受験人口数のせいなのか、仏検と比べると検定料は高めだ。
4級で7000円、仏検4級は4000円だ。
お布施にするにはもったいない金額だし、受験するからには合格したい。

東京ロシア語学院に頼んで4級の過去問を取り寄せてみてみたら、
見事にさっぱりわからない。

5月30日の受験までに間に合うか?
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ちょっとした疑問

2010-04-02 23:27:28 | 仏検準一級
『仏文和訳の実際』で、ある文章に引っかかった。
出典に - Gustav Flaubert : "Un Coeur simple" とある。
見覚えがあるけれど(もちろん日本語で)、どこで読んだか思い出せない。

「Félicité が大切にしている鸚鵡の剥製は、かつて使えていたお嬢様と
救いの聖霊の象徴である」という説明をしばらくながめて思い出した。
山田稔の翻訳で読んだ、『素朴な女』の一部だった。

解説と辞書の助けを借りながらでも、
原文で読めるようになるのはいつだろうと思っていたものを
いつのまにか読んでいたことに嬉しくなって、
邦訳本を探し出して『仏文和訳』と照らし合わせて読んでみたら、
一箇所、山田訳と『仏文和訳』の訳で異なる部分を見つけた。

原文 :
"Une vapeur d'azur des encensoirs monta dans la chambre de Félicité. Elle avança les narines, en la humant avec une sensualité mystique;"

山田訳では次のようになっている。
 「青い香の煙は、フェリシテの部屋のなかまでのぼってきた。彼女は鼻をつきだして吸いこみながら、ふしぎな快感にひたった。」

これが、『仏文和訳』ではこうなっている。
 「香炉からの空色の煙がフェリシテの部屋までのぼってきた。彼女は鼻孔を突き出して、神秘的な感覚でそれをかいだ。」

香の煙が部屋にのぼってくるという前半はどちらも同じだが、
後半の "en la humant avec une sensualité mystique;" の扱いに差があるようで、そこが分らない。

原文を最初に読んだときは、山田訳と同じく avec 以下の部分は、
香の煙をかぐという行為によって感覚の変化が生じるという意味に取ったのだけれども、
『仏文和訳』の訳のように、香の煙をかぐ時点で、
すでに「神秘的な感覚」がフェリシテの意識に存在していると理解するべきなのか。
わたしの理解力ではどうも釈然としない。

今日は時間切れなので、調べは明日にまわす。
わたしの頭で決着がつけられるかという、また別の問題があるけれど。

残: 443h
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4月の始めに

2010-04-01 20:57:01 | 仏検準一級
『名詞化辞典』の終わりがようやく見えてきたが、
『仏文和訳の実際』は中々読み進められずにいて、
まだ100ページ以上残っている。
作文もそろそろ始めないと。

残: 447h
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