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名も無きねこに

追加で飲む睡眠導入剤のために

2007-04-23 04:04:05 | わたし
 読んでいるうちに眠くなるだろうと、いつもの薬を飲んだ後、『仮面の告白』を手に横になっていた。第四章まで読み進めた。夏の菜園の向こうに走る郊外電車や、厚い雲が性的なにおいを発して、目はかえって冴えてくる。
 明日はまた職を探しに出る。眠らないといけない。
 たった一錠の睡眠導入剤を飲むのに、マグカップ一杯に湯を満たす。何が不安なんだ?
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思考が放り投げられる夢

2007-04-19 07:47:41 | わたし
 床に横になったまま上にピンポン球を放り投げる、そんな感覚で、思考がいくつもの白球になって頭をいったん離れ、弧を描いて落ちてくる。頭の横でキャッチされた球は、再び脳に吸いこまれる。
 球を吸収するたび、冷んやりした風がふいてきて明晰さを呼び起こす。そうしたことをそのまま記録したかった。

 浅い眠りから目覚めて、何かを書き留めておこうかと思ったけれど、どうせ単なる思い付きだろうとそのまままた眠った。
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気になった一節 記録

2007-04-18 03:19:48 | わたし
 - et je poursuivais d'autres songes vers le réveil.

Aloysius Bertrand 'UN RÊVE'
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塵と苔のにおいのする部屋で

2007-04-16 17:43:01 | わたし
 実家の数年ぶりに開放された部屋のベッドに横になっていた。深夜三時のトタン屋根を打つ雨音は、うるさいくらいに大きかった。
 20年も前、祖母の葬儀がとり行なわれたのもその部屋だった。ポーの『アッシャー家の崩壊』でも読みたい気分だった。
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蛸の骸

2007-04-11 20:17:48 | わたし
 及川茂訳の『夜のガスパール』をながめながら、冷凍食品のお好み焼きをゆっくり食べていた。

 絞首台の詩を読んでいると、箸で突き崩したお好み焼きから、丸まった蛸の足先がころがり出た。

 蛸の死骸、と一瞬思ったが、その考えが支配的にならないうちに、口に放り込んで嚥下した。

 いまでも軽い吐き気がする。
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菜の花をみて

2007-04-08 16:16:39 | わたし
 今日は知事選挙がある。投票に行ってから眠るか、起きてから行くか迷った。そうするうちに受け付け開始の時刻が近づいたので、朝一で出かけることにした。

 投票所になっている小学校の体育館へは早く着き、受付まで少し待った。周りを見ると、わたしの他には四五人しか来ていない。期日前投票だって出来るのだから、こんな時間に来るのも、物好きか変わり者なのだろうか。

 投票を終え、校門わきの通用口から表に出ると、日差しがまぶしかった。道の右に沿って流れる、幅30センチ程度のどぶの向こうに、菜の花の小さな畑があった。快晴の空が、黄の花を強調していた。

 ふと、叔父のことを思い出した。

 叔父の暮らしている知的障害者向けの施設では、選挙が近づくと、みんなで字の書き方を練習すると聞いたことがある。練習するのは、とある選挙候補者の名前だ。投票所に行って、紙をもらい、練習した字を書いて箱に入れて帰ってくると、何かご褒美がもらえるとか、そんな話しだ。
 わたしの叔父は重度の知的障害者で、字を書くどころか、話しもできない。話し掛けても、耳で聞いた言葉を、まわらない舌で不器用に繰り返すだけだ。字を書く練習も無ければ、ご褒美も無い。だから施設の職員か、他の入所者からいじめられるという、そんな話しを母から聞いたことがあった。

 日曜の朝の静かな光景も、灰色の薄膜がかかって見えた。
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啓蒙とはそういうものか

2007-04-08 02:57:57 | わたし
 カントもサドも自然を支配しようとする点では同じだとは。
 意表をつかれてしばらく歯痛を忘れた。
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