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名も無きねこに

人を許すことを簡単に実践できればどんなにいいだろうというのは、たしかにそのとおりだと思う

2007-01-29 21:58:18 | わたし
昼休みと帰りの電車でトルストイの『復活』の残りを読み上げた。
『アンナ・カレーニナ』と比べると小説として数段見劣りする。
キリスト教信仰についての立場表明は、リョービンの口を通じて言っていたこととあまり変わらないのか。
前面に出ている法制度や社会批判も、「七回の七十倍」人の罪を許すという素朴な原理の実践に落としこむので、門外漢には腑に落ちない。
どちらかといえば、ネフリュードフが刑法学やら何やら勉強して幻滅を味わっていた件に興味を引かれた。
つい単純に感化されて、この間初めて法学の入門書を買った。
自然法がどうやって実定法を基礎付けられるのか、そのあたりをながめて見ようと思う。

仕事はMS-WORDで索引編集をして一日が終わった。
文書内のリンク編集をすれば、ようやくドキュメントが完成する。
ほぼ半年ほとんど仕事が無い状態から一転して、最後の数日は編集作業に没頭している。
同じお金をもらうのなら、やはり何か作業をしている方がずっといい。

単純作業とはいえ一日ほぼ全力で仕事をした後は、ビルの外の空気が気持ちよかった。

駅からの帰り道で何気なく自分の手を見たら、電灯が投げられる光に別の色が混ざっていた。
はっと思って見上げたら、頭上高く、銀色の月が光っていた。
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睡眠薬を飲み、倦怠感越しに無力さについて 記録

2007-01-28 23:16:10 | わたし
クビになるという事実と、トライアルの課題が難しそうだという印象に支配された週末だった。

エージェンシーにはトライアルについていくつか質問を送った。
返答は直に来るだろうけれど、トライアルに取り組んで自分の翻訳力の低さを直視する羽目になるのが分かっていて、それで気が重い。

クビになる派遣先は、日本でも有数の繁華街だ。その華やかさも、わたしには透明な膜の向こうで繰り広げられる絵の中の世界だ。
Lass Selbstmitleid, dass hilft nicht. 以前ドイツの友人が言ってくれた言葉だけれど、そうではなく押し寄せてくる無力感の波に飲み込まれるのが、わたしには苦しいのだ。

体調も昨日今日は良くない。
疱疹は治まってきつつあるけれど、今日は咽の粘膜が痛い。
ソーダ水を飲むと一時的にチクチクした感じが無くなる。
微熱もありそうで体にも力が入らない。

昨日無理に出歩いたのはいけなかった。

家にいても、階下の認知症っぽい老婆が一日中大声や物音を立てるので、勉強にも身が入りにくく、居たたまれなくなって古本屋さんめぐりに出かけた。

やはり探して見てもベルトランの『ガスパール』は無い。
ついでに寄った隣町の図書館でも、運悪く貸し出し中のようだった。
岩波文庫ではなく、最近刊行された2000円ぐらいの版を探しても、大きな書店でも扱っていなかった。
『悪の華』は手元にあるんだから、こっちを読めばいいんだけど、これだけ探し回って無いとなると、かえって見つけたくもなる。
地元の図書館にはあるらしいんで、今の仕事が終わったら平日の昼間、ゆっくり図書館まで散歩して読書を楽しもう。
みじめな無職生活でも、それなりの楽しみ方はある。
それに甘んじていてこんな人間になってしまっているのは、自覚しているつもりだけれど、たまにはこころを休めたい。
わたしのこころなんだ。わたしが休めたいと思っても、それは不当な要求ではないだろう。
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似非っぷりが板についたら それは本職の似非なんだろうか?

2007-01-25 23:37:14 | わたし
今の勤め先をクビになることを知らされて二週間、何の音沙汰も無かった派遣元からメールが来た。

翻訳物の査読・品証業務か翻訳コーディネーター業務のどちらかを紹介したいそうで、もし品証希望ならこれをやってねと、トライアルの課題ファイルがくっついていた。

解凍してファイルを読んで気が重くなった。
内容のレベルが高い。
わたしは今までいったい何をしていたんだろう。
まあ挑戦するだけ挑戦しよう。

残り数日となった今の業務も翻訳ごっこは終了して、いまはDTPごっこの最中だ。
元ネタのPDFを見つつスタイル設定をいじったり、いい気分転換になっている。
画像を加工するのもひさしぶりにやると楽しい。
翻訳のお粗末さは一朝一夕に処置はできないのだから、せめてドキュメントの体裁だけでもそれなりのものにて残していきたいな。
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トランキライザーで増幅される詩集

2007-01-23 00:50:47 | わたし
三好達治訳の『巴里の憂鬱』を読んだ。
あちこち手を広げてみたり、気を多くしていたので、読了まで足掛け二月。
一人の詩人の手による詩集を読み通すのもひさしぶりだ。

十代の頃、ボードレールを好きになれなかった。
これから来る何かに対する期待が大きかったからだろう。

いくつかの戦いに敗け、恥を塗り重ねた分、本の読み方が変わった。
でもまだ、『悪の華』は手強そうだ。
ボヌフォワに回帰するのは、少し先になるだろう。
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歴史的空腹

2007-01-16 23:08:29 | わたし
古在由重編訳版の『ドイツ・イデオロギー』を読み始めた。
昼休みや電車の中でながめる程度では、なかなか内容が頭に入らない。

それでも帰りの電車では少し読み進んだ。
第一部フォイエルバッハで、序盤の問題整理が終わって、道具立ての解説に入ろうかというところだろうか。
同時代のドイツ人は、どうして歴史研究が下手なのか。それは歴史を作りだす人間があるための基盤を眼中に入れないからだ。ということらしい。
少し田んぼに水を引きそうな勢いもあるけど、ヘーゲルまでの哲学を批判して乗り切ろうというやる気が漲ってて、読んでいるこちらも咳をするだけで頭痛がしてしまう。

切りのいいところで乗り換え駅に着いた。
空腹を歴史的に感じたので、99円ショップでバナナを買った。
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全部B評価 Aが一つも無い

2007-01-15 22:19:53 | わたし
去年の暮れに提出したDHCの課題が添削されて帰ってきた。

正確さ・表現力・完成度どれもが80点ぐらい。
予想よりましだけれども、やはり見落としが多い。
明らかな誤訳をやってしまっている二三の部分を除けば、あとは詰めの問題だ。
以前、人様の翻訳物を査読して翻訳者を選定したこともあったけど、第三者的に自分の仕事を見ると、あまり採用したくない。

文芸・医療・IT分野から各一問翻訳したうち、一番点の高かったのが文芸で、これは九割方良かった。それでも一箇所原文から離れてしまっているし、人称代名詞の処理が文脈上の話者の視点をなぞっていない。
医療の問題は八割を切った。内容が分からないで苦労した覚えがそのまま結果に出ている。
ITは八割強の点数で、訳語の統一が不徹底な部分と、接続詞で続く複文の処理でミスをして文意の強調点を置き違えた。間抜けだ。

今日も疱疹の症状がひどくて、体を動かすだけでも辛い。
もう少し体調が回復したら、添削結果とこれまでのテクストを徹底的に見直すことにしよう。
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まったく

2007-01-13 03:17:18 | わたし
まるでわたしはチャーリー・ゴードンだ。
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少し理不尽でも気にしない

2007-01-13 03:02:21 | わたし
帯状疱疹か乾癬かどちらとも分からない発疹で全身が痛み熱も出ていたけれど、さすがに三日も休むのはまずいので、無理して出勤した昨日、クビを申し渡された。

残念なのですが今月いっぱいで契約終了です、と担当営業が言う。
三ヶ月の契約期間ということで、契約書を交わしたばかりだ。
そして契約終了まで三週間も無い。
こういう場合は、残念なのですがではなく、申し訳ありませんがだろう。

クライアントがクビと言えば、ヘイと言ってスタッフを解雇し契約終了期間の調整もできないで、いったい彼らの仕事は上前をはねることに尽きるのか。
とはいえ、わたし自身も体調を崩しがちだったし静養したいところだったので、あまり気にもしていない。
ただ今後の取引先リストからは、この信用ならないエージェンシーは抹消する。
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酸化していく肉体について 雑感

2007-01-11 00:17:31 | わたし
帯状疱疹らしき症状で昨日、今日と二日寝込んだ。
一昨日から夜中に目が覚めて、トイレに行って嘔吐している。

肉体は毎日腐敗している。
時間の恐ろしさから目を反らすためには、酔っていないといけないとボードレールは言う。
酒、詩、徳、何であれ自分を没することしかできないのか。
恐ろしさを目前に掲げ続ける勇気は、どうすれば湧いてくるだろう。
精神は腐敗させたくない。
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労力を分散して浪費

2007-01-06 03:19:05 | 仏検三・四級
年末年始の休暇は惰性でタラタラと過ごした。

今のところ主力を注ぐべきDHCの講座も、先月の締め切りぎりぎりの日に課題を提出して以来、すこしサボり気味だ。
今年は英語力をもうすこしなんとかしたい。何せ商売のネタなのだから、腕前を磨いていかないことには、いずれはお声もかけてもらえなくなってしまう。
DHCも意識を高めて取り組まないと、ただ問題を解いて提出しての繰り返しで、翻訳のノウハウは何ら身につかない。どんな教材でもそれは一緒だ。
と言いつつ、翻訳以外の面、特にスピーキング能力を底上げしようかと、英会話を学べる場所もちらほら探し始めた。

テンプル大学が生涯学習講座で英会話コースを開設しているのを知り、資料を取り寄せてみた。
7レベルぐらいでクラスを分けているようで、各レベルの目安として英検の級が書いてあった。
一番上のAdvancedで英検準1級以上と言うことらしい。
来年の目標に英検1級再受験を視野にいれて取り組むには、効果が期待できないだろうか。
個人レッスン形式でなければ、他の学習者との兼ね合いで、アウトプット面での訓練としてわたしの求める水準より低くなってしまう可能性がある。
勤務地の近くなので通学はしやすいのだけれど、個人レッスンを受ける手段を探す方から考えてみることにしよう。

ボヌフォワ、ボードレールと遡って来て、どうしてもベルトランの『夜のギャスパール』を読みたくなって、帰りは少し遠い古本屋さんをはしごした。
目当ての『ギャスパール』は見つからなかったものの、偶然ラーゲルクヴィストの『バラバ』が目に入った。
邦訳が絶版になっているから英語で読もうと英訳本を注文して、今では書棚で埃の堆積に埋もれている。
英訳はまあまた別の機会にとっておいて、ずっと探していたんだから、ともかく邦訳書をよみたい。

まだ仏文法の入門書にとりかかったばかりだけれど、ぶっちぎりの速さで気ばかり先行しているので、仏検3級の問題集を買った。CDもついていて100円なんて値段がついていると、即買ってしまうのがわたしの性だ。
『ギャスパール』の原文を載せているサイトも見つけたし、英語と並行して少しフランス語も力をいれよう。
ロシア語はしばらく無かったことにしておこう。
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