試験の一時間前に会場に到着してしまったが、
今回は待合室が用意されていたので、
雨宿りの場所を探さずに済んだ。
『完全予想』をながめながら待機している間、
試験中いくらかでも脳を働らかせられるように、
固形ブドウ糖を摂取した。
開場時刻になり自席に着いてみると、
教室の後ろから二番目の位置なので、
聞き取りに影響がないか多少不安を感じたが、
不利な場所に座るのは、
何も自分ひとりではないと考えるように努め、
集中力を高めるように気を落ち着かせた。
周囲を見れば、準二級までに比べ年配の受験者が多く、
男女比も半々というところだった。
空席はほとんどなく、皆真剣な面持ちだ。
開始時刻十分前になり、試験官が注意事項の説明を始めた。
筆記用具と受験票、免許証を揃えて机に置いた。
十分後、試験官が試験開始を告げた。
問題冊子に落丁がないことを確認してから、
順番通り、前置詞の問題から手を着けた。
ひさびさの受験で気持ちが高ぶっていて、
一問目から答えが分からないように思えたが、
過去問を解いたときと同じように、
ひとまず全体を通して解いて、
後から何度も見直しをかけるやりかたで試験を進めた。
全体を一周するのに三十分弱、
二周目の見直しでさらに二十分程度、
ほぼ全ての問題の解答を確定するのに
合計して五十分近くの時間がかかった。
問題 1 は、まず空欄に入りそうな語を自分で考えて書き込み、
それから選択肢として与えられている語群に
目を通す仕方で解答した。
Je t'aime beaucoup ( ) cette robe. は
dans, avec のいずれかだろうと考えたが、
幸い語群には dans しかなかったので迷わずに済んだ。
問題 2 は予想より簡単なものが多かったが、
Ce n'est pas la peine d'( ) dans les détails. は分からなかった。
aller loin から連想して aller を入れたが、
正解は entrer だった。
また、 Mettez-vous par ( ) de taille. は、
ranger par ordre de ~ という表現が頭に浮かんで
即座に ordre を入れて正解だったが、
今考えて見ると、rang でもいいように思える。
これについては後で調べる必要がある。
問題 3 は、一周目では入りそうな動詞を選ぶだけに留めて、
二周目以降に時制や話法を検討して活用した。
Fates attention, il y a des gens malhonnêtes !
( ), tout le monde n’est pas honnête !
この問題は苦労した。
その他の四問で使った動詞を除外して、
残った中から se méfier を勘で選んだ。
「méfier = 信用しない」程度の覚えしかなく
自信はなかったが、他の候補よりはまだ意味が通じそうなので、
後は適当に活用して割り切ろうと思いMéfie-toi とした。
三回目か四回目の見直しで、
原文は敬称二人称か二人称複数なのに、
親称二人称で解答しているのに気付き、
あわててMéfiez-vous にして、何とか正解した。
以降の長文・会話文問題は全て一周目で解答を確定させ、
二周目以降は選択した解答を入れて全文を読み返して、
文脈に違和感を感じないか確かめた。
一見したところ知らない単語もあるように思えたが、
二周目以降でどれも意味を思い出して、
最終的に未知の単語は 0 だった。
長文・会話文問題で間違いは無いように思っていたが、
問題 4 でひとつミスをしていた。
改めて見直してみると、
確かに前後の文意に沿わない選択をしていた。
faire n'importe quoi の意味を理解していなかったためだ。
筆記試験は大体過去問と同程度の出来で終わった。
そして予想に違わず、書取り・聞き取りが問題だった。
書取りは懸念していた読み上げのポーズが予想より長く、
支障の無い速度だったものの、書いている最中、
緊張で手の震えが止まらなかった。
わたしの悪筆が判読されうるかどうかという、
結構深刻な問題は別としても、
正解を見る限り少なくとも四ヶ所間違いがある。
( 以下、わたしの解答 -> 正解 )
puique elle -> puisqu'elle
quelque fois -> quelquefois
tombé -> tombée
dûr -> dur
聞き取り問題1は思っていたとおり、
一度目の読み上げで意味を汲み取れる範囲が狭く、
結局最後の読み上げを頼りに解答した問題が二三あった。
八問中七問正解と予想に反して出来が良かったのは、
運と勘にする依存ところも少なくないので、素直に喜べない。
La salle est ( ), mais clients ( ) pour les boissons et la nourriture.
二番目のカッコに「支払う」の意味で
payer をいれるものかためらったが、
verser と言っているように聞こえたことにこだわり、
versent として不正解。
正解は payent / paient だった。
verser が「支払う」という意味を持つのは、
他動詞の時に限られるようなので不正解なのだろう。
A peu près ( ) euros.
これに入る金額はなかなか分からず、
最後になってようやく 2500 と聞き取れた。
数字の聞き取りで苦戦するとは想定外だった。
On peut faire du ( ) sans ( ) personne.
二番目のカッコに入る déranger は一度で分かったが、
一番目に入る bruit は最後まで ui の音しか聞きとれなかった。
何かの参考書で、解答欄を空欄のまま残すより
せめて聞き取れた音を書き留めておく方が
まだいいとあったのを思い出して、
その教えに従って oui, m lui などと書いたものを、
最後の見直しの時間で前後の文脈から考えて
bruit に修正して辛うじて正解になった。
聞き取り問題2は、過去問であまり苦労しなかったので、
今回も同じようなものだろうと高を括っていた。
しかし実際に試験を受けてみると、
本文は何を言っているのか部分的にしか分からず、
質問も完全にはわからない。
正誤式の解答なので何とか七問正解したが、
ほとんど勘でしか解答できなかったことで、
試験後かなり落ち込んだ。
これまでの自己採点結果をまとめると、以下のようになる。
2009年度春季仏検2級:78点(100点満点)
筆記:64点(68点満点)
第1問(前置詞):4点(配点4)
第2問(語彙):8点(配点10)
第3問(動詞):10点(配点10)
第4問(長文1):8点(配点10)
第5問(会話文1):10点(配点10)
第6問(長文2):14点(配点14)
第7問(会話文2):10点(配点10)
書き取り:0点(配点14)
採点基準は不明のため 0 とみなす。
聞き取り:14点(18点満点)
問題1:7点(配点8)
問題2:7点(配点10)
過去の傾向に鑑みても、一次試験の合格基準点は 70 点を
越えることは希なので、解答の書き間違いなどが無ければ、
一次試験通過の見込みがある。
フランス語で原書を読めるようになりたいというのが、
そもそもの学習の動機なので、その面では、
筆記試験の結果はそれなりに納得がいく。
しかし聞き取りのひどさは大いに反省する点があり、
学習時間に見合うだけの成果を出しているとは言い難い。
仮に一次試験に合格しても、二次試験での苦労は必至だ。
フランス語を聞く・話すことについては、
学習方法を再検討する必要がある。
明日から、また方法を模索しよう。