昔、長瀬川課長という上司がいた。
別の事業部で活躍していたそうだが、会社がその分野から撤退して仕事が無くなり、
わたしの居た所に飛ばされてきた。
再び仕事を失ってリストラされることを怖れて、上から降ってくる仕事を全部引き受け、
それを全部部下に丸投げしていた。
仕事を選択しないと全体の質が下がるだけではないかと聞いてみたら、
「全部選択して、全部に集中するんだ」という訳の判らない回答を得た。
昨日から『形而上学』(アリストテレス 出隆訳 岩波文庫 1959) を読み始めたら、
冒頭から重要な箇所が連続しているように思えて、全文に線を引きたくなった。
かつて TCP/IP の解説書にマーカーで書き込んでいったら、結局全文ピンクに染まったのを思い出した。
要所を押さえられないのは理解出来ていないからだ。
自分の頭の出来に嫌気が差した所で、「全部選択」と変わらないことに思い至った。