窓辺のシクラメン

 実家には大きな南向きの窓があって、その前には、かごに毛布を敷いて作られた猫用ベッドや猫用座布団が、人(猫)数分並べられている。
 それに比べて、我が家ではあまり日当たりが良くないから、一日中日の当たる南向きの窓はとても羨ましい。冬のあいだはほとんど日の入らなかったのが、春になってようやく午前中だけは台所の東側の窓辺に日溜りが出来るようになって、そこに、脱衣かごの簡易ベッドで眠るみゆちゃんとシクラメンの花の鉢が並んでおさまっている。
 シクラメンは、去年の12月のはじめに植物園で買ってきたもので、冬のあいだに姿を消してしまった植物園のミケちゃんが、日の当たるベンチに寝そべってごろごろと喉を鳴らしていたのを最後に見たのが、このシクラメンを買った日だった。
 この4ヶ月間というもの、鮮やかな紅色の花を次々と咲かせて楽しませ続けてくれたのだけれど、先週、とうとう最後のつぼみが咲いてしまって、その後急速に元気がなくなってしまった。もう枯れるのだろうと思う。
 地上に出ている葉や茎が枯れても、地下の球根は枯れずに眠っているのだろうが、シクラメンを越夏させるのは難しいというから、たぶんこれでおしまいだろう。長いあいだ窓辺を明るくしてくれた花が、あとはもう枯れていくだけなのを、できるだけきれいに見えるようにしてやって、毎日眺めている。


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