お母さんのお弁当

 家族でどこかへ出かけるときに、たまにだけれどお弁当を作る。市販のお弁当だと高カロリーなものが多いし、入っている野菜の量も少ないが、手作りだと野菜たっぷりのヘルシーなものができるうえに安上がりだし、お愛想でも家族に喜ばれる。
 いいことばかりだけど、お弁当を作ることになれていない自分にとっては、これがなかなか一仕事である。時間は掛かるし、入れるおかずのアイデアもあまりない。
 今になって思い返すと、中学、高校と毎日お弁当を作ってくれた母は大変だったろうと思う。いまさらのように、ありがたいと思う。
 一番印象に残っているお弁当は入学試験の日に作ってくれたお弁当で、包みを開けると、お弁当箱の上に二つに折った紙片が乗っていて、母からの短い励ましの手紙であった。胸がいっぱいになるような気がしたけれど、隣にいる友人に見られるのが恥ずかしいので、こっそりのぞき見るように読んで、そっとお弁当袋の底に仕舞った。
 そのときのお弁当の中身は忘れてしまったけれど、メモ書きを読んだときの気持ちは今も覚えている。
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