ふふふ、ちょっと暑くなったところで、
少々時期は早いけど、
あの話でもいってみますか。
これも省エネのひとつということで(笑)
打ち上げの席で、何となく始まったんですね。
ま、よくある、例の話が。
どこの劇場でも、どんなに新しくても、
劇場に、このお方は付き物(憑き物?)でして、
写真を撮ると、ボワッと白い塊が写ってたり、
ふっと後ろで気配を感じたり、
・・・するんだそうです。
はい、おかげさまで私、経験ありません。
私、ムチャクチャ、霊感がニブいんです。
鋭い人は、楽屋に入った途端、
「あれっ」と声を上げたかと思ったら、
「いるね・・・」と、ひと言。
(そういう人に限って、あまり怖がらない)
・・・なーんて話を、ココとココに、書いていますが、
劇場って、どんな劇場であれ、
人の思いがこもる場所なんでしょうね。
架空の人間が架空の物語を生きて、
それをそのまま、置き去りにしていくんですから。
実際の恨みも嘆きも、
ハンパなくこもっているだろうし、
たしかに、ちょっと特殊な空間ではあるんです。
また、それと同時に、
「見守ってくれてるんだよ」っていう考えもあり、
まぁ、できれば、
そっちのポジティブな意見を尊重したいと切望しますが。
・・・とにかく、
・・・なんであれ、
・・・いらっしゃるようですね。
これまで、まったく話題にも上らなかったんですが、
「劇」小さんにも、当然、いらっしゃるようでゴザイマス。
千秋楽を終えて、全部をバラして、片付けて、
時間はすでに0時を過ぎて、
打ち上げのテンションも少し落ちてきたころ、
誰かが喋り始めたんです。
「いたよね?」
「いたね」
「え? まったくわかんなかったよ~」(←これ、私)
「〇場の終わり、大勢でハケるじゃない。
私が必ず最後なのに、誰か後ろにいたもん」
「あ、それ、〇〇さんも言ってた。
ついてくるのがいる、って」
「な、なんで、そんなこと平気で喋ってられるのっ?
コワイでしょーがっ!
そのとき、恐くなかったの?」(←これ、私)
「いや、意外に恐い感じじゃないんですよ」
「そうだよね~」
「だって、〇〇さん、暗転でハケたとき、
誰かとぶつかったって。
誰もいないはずなのに」
「私はそういうの、一度も会ったことがないぞ」
「え? だって、暗転チェックのときの光、
みんな見たじゃないですか」
「暗転チェックのときって何? 見てないよ~」
暗転チェックというのは、本番前に、
ちゃんと暗転になるかどうかを見る作業なんですね。
つまり、本番と同じように暗転を作ってみて、
変なところから光が洩れていないかをチェックするんです。
本番に入って、
暗転のはずなのに明るい!
なんて間の抜けた事態になると大変ですから。
その暗転チェックのときに、
「光、見たよね?」
「うん、見た」
「ああ、あの光ね」
「み、みんな、見てるんかいっ!」(←これ、私)
「あの光ですよ。
暗転した途端、下から上にシュッと上がった」
「そう、あるはずのない光が、上に上がっていった。
・・・見てた人多いよね」
私、何してたんだろう・・・。
まぁ、暗転チェックなんて、別に注目する必要はないので、
見てなくても不思議じゃないんですが、
・・・はぁ~、劇小さんにもいるんだ。
こんだけ出てて、一度も気配すら感じたことなかったなぁ。
いやぁ、鈍感で本当によかった~
もうウーロン茶がまわってきた頭で(?)、
眠くてボーっとしながら聞いていたので、
これ以上の記憶が定かではないのですが、
その後も、この手の話が続いていました。
劇場には必ず神棚があって、
出の前に必ず頭を下げていく人もいます。
私は、見事なほど、そういうことをしません。
「バチあたりですが、それが何か?」
という人間であり、役者なんです。
そういう人間だから見えないのかなぁ。
それともただ鈍いから、なのかなぁ。
でも、こんな私を、
ホントにホントに幸せ者だと思います