望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

ウラ話・劇場の日々・・・「斬られる!」つづき

2011-06-08 11:58:56 | 舞台・ウラ話

斎藤役の吉田さんが、
我慢強く稽古させてくれたおかげで、
ちゃんと「突かれる」ようになり、
調子よく公演が進んでいたときのこと。

その回もまた、うまく突かれて、
よっしゃぁ、と、下を向いたまま、
斎藤の、次の袈裟がけを待ちました。


 が・・・、


・・・あれ? 来ない?


チラッと斎藤を見ると・・・、

目の前には、斎藤の背中が・・・。

ええっ? なに? もう完全に無視?



 ???



あーーーっ、よっしぃ、忘れたなっ!

ってことは・・・、

えー?? これだけで私、死ぬの~?


あのねぇ、今日、私のお客様、一番多いのよ~!!
家族も来てるのよ~。
もうちょっと派手に死なせてよ~~

と心の中で文句タラタラで、
でも仕方なく、あっという間に死にました。


終演後は当然、吉田さんをとっつかまえて、

「よっしぃ! 忘れたでしょ!」
「えぇ? 忘れてましたか?
 あれぇ、今日は完ぺきだったと思ったんだけどなぁ。
 すみません!」
「もうっ!」

でも・・・、
怒った後で反省したんです。

彼の失敗は、この一度だけ。
それにひきかえ、
私は、ずーーーっと、ほとんどうまくいった試しなし。

こんだけ迷惑かけておいて、怒っちゃいけないよなぁ


もちろん、その翌日は、たーっぷり斬ってくれて、
気持ちよーく死なせて頂きました!


で、ほかにも・・・、

って、斬られネタだけで、ここまで引っ張るか??
あのシーン、一瞬なのに。


でも、引っ張っちゃいます!
あんな一瞬で、こんなに迷惑かけたシーンって、
まずないんですから!(自慢にならない 


で、公演の後半にさしかかったとき、
また手が変わったんです。



(つづく)
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