単に「斬られて死ぬ」だけとはいえ、
私にとっては初の経験。
斬られるって、かっこいい!
とテンションは上がったものの・・・。
ご覧頂かなかった方のために、
ここのシーンを少し説明しますと、
倒幕派の人斬り、又右衛門と半次郎が、遊郭にいるところを、
新撰組の斎藤と白井に踏み込まれる。
遊郭は刀を預けて入るため、2人は刀をもっていない。
その2人に刀を渡そうと、
遊郭の女将、お伝が刀を持ってくるも、新撰組に斬られ、
半次郎をかばった遊女、お豊も斬られて死ぬ。
つまり、女2人が絡んだ、
男、2人対2人の
ややこしい立ち回りだったみたいです。
(実はあんまりわかってない)
2か所で同時に立ち回りがあって、
最後に又右衛門が、
お豊に心を残す半次郎を、引っ張って逃げるのですが、
そのタイミングがずれると、どちらかが「待ち」になる。
これはありえないことなので、毎回微妙な調整が入ったんですね。
といっても、ほんっとに微妙な違いなんですけど、
本番初日には次のような手になりました。
<刀を持ってきたお伝が、斎藤に止められ、
自分で刀を抜いて応戦しようとするが、
斎藤に腹を突かれ、そのあと袈裟がけに斬られる>
斎藤役の吉田さんには、予想通り、
稽古中からさんざん迷惑をかけ散らかしてまして、
なんか知らないけど、私が刀を抜こうとすると、
持っている刀の鞘が、
斎藤の刀に当たっちゃうんですよね。
「カッチーン」って音がして、
斎藤はもう一度、突き直さなきゃならなくなる。
そんなところで防戦してちゃいけないんだけど、
なっちゃうんだから仕方ない。
で・・・、
実は初日も・・・、やっぱりダメでした。
それで翌日は、たった一瞬のシーンを、
吉田さんが何度も何度も稽古させてくれて、
そのおかげで、やっと2日目から、
スラッと突かれるようになったんですね。
(どんだけニブいんだ)
でも、うまくいけば楽しくって仕方がない!
おっ、私、かっこいいかも、なんて気分で。
はははは。
で、そのまま、いい調子で公演が進んで、
・・・その数日後のことでした。
(つづく)