もう済んだことなので、笑っていられますが、
朗読の稽古で、一番驚いたのは、
< けっこう噛むわ~ >
ってことでした。
いや、そんな気楽なこと言ってられないんですが
自分で自分の噛み具合に驚きました。
というのも、
私、初見の台本でも、あまり噛まないんです。
初見でそれなら、
何度も読んでりゃ楽勝でしょ、って、
・・・思うでしょ? 普通。
はい、自分でもそう思いました。
台詞を覚える、普通の芝居ならともかく、
何度も読んでいるものを、
字を追って読んで、
なんで噛むのよ、と思ってたんです。
とーころがどっこい!
噛んじゃうんですよ~。
オソロシイことに。
まぁ、喋る量も半端じゃないけど、
それにしても、稽古中、
一度も噛まなかったことが数えるほどで・・・。
もうどうしようかと思いました。
こういうのって、
会議のプレゼンなんかと同じじゃないか、
と思うんですが、
喋っていて、
「あ、今のところ、アクセントおかしかったな」
とか、
「あ、今の表現、ヘンだった」
とか、
ふっ、と終わったことに気が行っちゃうと、
次もおかしくなったり、噛んじゃったりする。
一瞬でも集中が切れるとダメなんですね。
じゃぁ、普通の芝居はどうかっていうと、
よほどのことがない限り、
過去を振り返る余裕はない!
というか、役者って、
そういう風に訓練されてるんです。
雑念を入れない、
たとえ入ってきても、頭の半分でとどめる、って。
ところが、目の前に台本があると、
視覚で字を追いかけられるから、
一瞬、過ぎた部分を、
見直しちゃったりするんです。
要するに、
朗読は素人ってことなんでしょうね
それから、やっぱり噛みやすい言葉もあります。
意外な言葉が言いにくかったりするんですよ。
「見守るシステム」
「選挙に出馬」
「叫び声をかき消して」
「事実の全面否定、法廷での対決も辞さない」
私が読むたびに緊張していた言葉の一部です。
これをクリアに読んでみて下さい。
意外にむずかしいんだから!
って、人を巻き込んでも仕方ないんだけど。
千秋楽が終わったあとで、久間さんが、
「またやろうか」
って言ったとき、
たしか誰も返事しなかった(笑)
そりゃぁ、普通の芝居よりは、
ずっと稽古時間も少ないし、動きもないし、
セリフも覚えなくていいし、
確かに楽なんだけど。
なんというか・・・しんどかったなぁ、
という記憶が強烈でした。
それともうひとつ、
あの時期、自分の頭の構造が、
変わっちゃっていたようなんです。
(つづく)
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