望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

ウラ話・まさかのカミカミ

2014-02-05 02:16:11 | 舞台・ウラ話

もう済んだことなので、笑っていられますが、

朗読の稽古で、一番驚いたのは、

< けっこう噛むわ~ >

ってことでした。

いや、そんな気楽なこと言ってられないんですが

自分で自分の噛み具合に驚きました。


というのも、
私、初見の台本でも、あまり噛まないんです。

初見でそれなら、
何度も読んでりゃ楽勝でしょ、って、

・・・思うでしょ? 普通。

はい、自分でもそう思いました。


台詞を覚える、普通の芝居ならともかく、
何度も読んでいるものを、

字を追って読んで、

なんで噛むのよ、と思ってたんです。



とーころがどっこい!

噛んじゃうんですよ~。
オソロシイことに。

まぁ、喋る量も半端じゃないけど、
それにしても、稽古中、

一度も噛まなかったことが数えるほどで・・・。

もうどうしようかと思いました。



こういうのって、
会議のプレゼンなんかと同じじゃないか、
と思うんですが、

喋っていて、

「あ、今のところ、アクセントおかしかったな」

とか、

「あ、今の表現、ヘンだった」

とか、

ふっ、と終わったことに気が行っちゃうと、
次もおかしくなったり、噛んじゃったりする。


一瞬でも集中が切れるとダメなんですね。


じゃぁ、普通の芝居はどうかっていうと、
よほどのことがない限り、
過去を振り返る余裕はない!

というか、役者って、
そういう風に訓練されてるんです。

雑念を入れない、
たとえ入ってきても、頭の半分でとどめる、って。


ところが、目の前に台本があると、
視覚で字を追いかけられるから、

一瞬、過ぎた部分を、
見直しちゃったりするんです。

要するに、
朗読は素人ってことなんでしょうね



それから、やっぱり噛みやすい言葉もあります。

意外な言葉が言いにくかったりするんですよ。

「見守るシステム」
「選挙に出馬」
「叫び声をかき消して」
「事実の全面否定、法廷での対決も辞さない」

私が読むたびに緊張していた言葉の一部です。

これをクリアに読んでみて下さい。
意外にむずかしいんだから!

って、人を巻き込んでも仕方ないんだけど。


千秋楽が終わったあとで、久間さんが、

「またやろうか」
って言ったとき、

たしか誰も返事しなかった(笑)


そりゃぁ、普通の芝居よりは、

ずっと稽古時間も少ないし、動きもないし、
セリフも覚えなくていいし、
確かに楽なんだけど。


なんというか・・・しんどかったなぁ、
という記憶が強烈でした。


それともうひとつ、

あの時期、自分の頭の構造が、
変わっちゃっていたようなんです。


(つづく)




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