望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

舞台の裏のウラ話・その6

2014-09-02 22:19:33 | 舞台・ウラ話

そして、恋人役の2人は、
お互いの顔を見つめあって・・・、

 ・・・・・・・・・・?



「おーい、どうしたー。
 止めずに続けろー」

という演出家の声。

そう、男性の方が、
フリーズしちゃったんです。

「すみません!」

「なんか問題あったか?」

場当たりというのは、
問題点を最終的に洗い出す、
という役目もあるので、

突然止まったからって、
頭ごなしに怒鳴られたりはしません。

「実は、〇〇が・・・」

〇〇というのは相手の女の子の名前です。
(劇団だから、後輩は女の子でも呼び捨て)

「〇〇がどうした?」

と演出家が聞いたところで、

彼が返事をする前に、


えっ? 私がなにか???

と、うろたえまくって、
彼女が客席の方を向きました。


  ・・・

    ・・・


微妙な間があった後、

全員がひっくり返らんばかりに、大爆笑!!

稽古中、いつもスッピンで、
愛を語っていた彼女が、

突然、何をトチ狂ったのか、
人が変わったようなばっちりメイク。


「ははははははは」

「なんで楽屋で気づかなかったんだろうね~」

「きっとみんなが出てから、
どんどん1人でエスカレートしていったんだよ」

「そりゃあ、△△ちゃん、フリーズするわ」

「人間が違ってるし」

よーく見ると、
決してパーツパーツは変じゃないんだけど、
そのバランスの悪さたるや!

こういうのって、
きれいとか、きたない、じゃないんですよね。


「時間ないから、そのまま我慢しろ!
 〇〇、あとで、メイク落としとけっ!」


演出家の鶴の一声で、
また場当たりは再開しました。

でも、客席で見ていたキャストは、
なかなか笑いが止まらず、

愛を語りながら、
その背中がフルフルしている(笑)
相手役の彼を心から同情したのでした。


 (つづく)





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