稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。
長々と書いているうちに、
そろそろ、4月公演の稽古が、
始まる時期になっちゃいました~。
いやぁ、グズグズしすぎ、
って、いつものことだけど
このくらいでウラ話も、
とりあえずお開きにしたいと思います。
次の4月公演は、戦後間もなくの、長崎が舞台。
ととと、それはまた今度として、
この公演で、また「リンくん」とご一緒します。
朗読劇で初めて共演した、リン(林)くんは、
れっきとした日本人。
だから本当は、ハヤシ君です。
でも、みんなが「リンさん」と呼んでいるので、
私は、ま、年長でもあり、
「リンくん」と呼んでいます。
私にとって、彼はずっと前から、
注目の役者さんでした。
とにかく、巧い。
こういう人と絡むと楽だろうな~、
とずっと思っていました。
そうなんです。
言っちゃ悪いが、自分より下手な人と絡むと、
ものすごく疲れます。
芝居は台詞のキャッチボールなわけですが、
下手な人は、
こっちがちゃんと投げても捕ってくれないし、
自分勝手に、とんでもない場所に投げ返す。
でも巧い人は、いろんな球筋で投げながらも、
ちゃんと捕球できるボールを投げてくれる。
これが芝居の醍醐味なんですね。
と、話がそれちゃいましたが、
彼はなかなかの才人で、
彼のフェイスブックは、文章も写真も、
ものすごくスタイリッシュです。
本人に許可も得ずに、並べますが、
たとえば、こんな雰囲気。
私もえらくカッコいい。
なんだけど、
彼もお酒が飲めません。
(今回、下戸ネタが多いなぁ
)
でも、私が言いたいのは、そこじゃない!
なんと、彼も、
私レベルの <超ド級の方向音痴> なのです!!!
たとえばコンビニに入る。
ちょっと買い物をして、出た・・・・・・ら、
もうどっちに行ったらいいのか、わからない。
そのために、いつも、
コンビニに入るときは、先に、
「出たら、ゴミ箱の方に曲がること」
とか、
「灰皿と反対側に行く」
とか、
確認してから入ります。
右とか左だけだと、
なぜか違う方に行っちゃうこともあり、
具体的なブツがないとダメなんですね。
で、この話をして、
「あ、一緒です!」と共感してくれたのは、
今までたったの2人。
知り合いの女性演出家と、林くんだけでした。
男性では、初の快挙です。
(あんまり名誉じゃないか
)
でも、それがわかってからというもの、
それまで芝居の話しかしなかった、彼との会話に、
一気に方向音痴ネタが増えました(笑)
中でも、一番聞きたかったことが・・・、
「ねぇ・・・上手と下手、間違わない?」
「・・・間違えます」
やったぁ!!
やっぱりそうか!
うれしいぞ~。
彼ほどのいい役者さんが、
上手と下手がわからなくなる!
一気に安心しました。
いや、安心しても、
なんの解決にもならないんですけどね。
でも、今度の稽古で、
私が上手と下手を間違えても、
同レベルの人間がもう1人いる、
と思うと気が楽です!
(なんか違う??)
と、最後は、
ぜんぜんウラ話じゃない話になりましたが、
長々とお付き合い頂きまして、
ありがとうございました!
またすぐ、4月公演ネタが出ると思いますが、
これからも、お付き合いのほど、
どうぞよろしくお願いいたします!
人気ブログランキング
ブログランキング参加中。
よろしければ、クリックを!
噛む不安におびえながらも、
なんとか無事に千秋楽を終えたとき、
ちょっとね、
自分の頭の構造が変わっちゃってて、
信じられないような不安が、
自分の中に湧き起こっていたんです。
必死で朗読の稽古をしてきて、
ああ、なんとか無事に終わったぁ。
というところで、
なんというか・・・、
セリフを覚える自信がなくなってしまった!(笑)
いや、ホントなんですって!!
台本を読むことに慣れちゃって、
普通の芝居ができるだろうか、って。
大げさだと思うでしょ?
でも、そんな心配をするほど、読み続けたんです。
普通なら、稽古の最初から、
できるだけ台本を離して、
相手の顔を見ながら喋るのに、
あんまり一生懸命に読んでたもんだから、
台本の扱い方が変わってきちゃった。
なんかね、台本を開いた途端、
字を追って喋り、
真正面向いて喋り、
っていう習慣がついちゃった(笑)
たかが5回だけの公演で、
こんなに簡単にクセがつくのか、
自分でもびっくりでした。
といっても私は、
もともと影響を受けやすい人間なので、
私だけな気もするし、
で、
帰りの電車の中で、林くんに、
「恥ずかしいことだけど、
今ね、4月公演のセリフを覚えられるか、
すごく心配なの」
とボソッと言ってみました。
すると彼は、
照れたような笑いを見せながら、
「実は・・・、オレもです」
おお、よかったぁ!
って、安心しても仕方がないけど。
きっと、あまりにも何度も読みすぎたんだよね~、
って、笑いあいました。
まぁ、もうすぐ4月公演の稽古が始まるので、
そうなれば元に戻るんでしょうけど、
なんというか、
パブロフの犬状態だったのかも、ですね。
さぁ、ホントに今度こそ、
早めに台詞を覚えるぞ!
・・・って、いつも言ってるけど
人気ブログランキング
ブログランキング参加中。
よろしければ、クリックを!
もう済んだことなので、笑っていられますが、
朗読の稽古で、一番驚いたのは、
< けっこう噛むわ~ >
ってことでした。
いや、そんな気楽なこと言ってられないんですが
自分で自分の噛み具合に驚きました。
というのも、
私、初見の台本でも、あまり噛まないんです。
初見でそれなら、
何度も読んでりゃ楽勝でしょ、って、
・・・思うでしょ? 普通。
はい、自分でもそう思いました。
台詞を覚える、普通の芝居ならともかく、
何度も読んでいるものを、
字を追って読んで、
なんで噛むのよ、と思ってたんです。
とーころがどっこい!
噛んじゃうんですよ~。
オソロシイことに。
まぁ、喋る量も半端じゃないけど、
それにしても、稽古中、
一度も噛まなかったことが数えるほどで・・・。
もうどうしようかと思いました。
こういうのって、
会議のプレゼンなんかと同じじゃないか、
と思うんですが、
喋っていて、
「あ、今のところ、アクセントおかしかったな」
とか、
「あ、今の表現、ヘンだった」
とか、
ふっ、と終わったことに気が行っちゃうと、
次もおかしくなったり、噛んじゃったりする。
一瞬でも集中が切れるとダメなんですね。
じゃぁ、普通の芝居はどうかっていうと、
よほどのことがない限り、
過去を振り返る余裕はない!
というか、役者って、
そういう風に訓練されてるんです。
雑念を入れない、
たとえ入ってきても、頭の半分でとどめる、って。
ところが、目の前に台本があると、
視覚で字を追いかけられるから、
一瞬、過ぎた部分を、
見直しちゃったりするんです。
要するに、
朗読は素人ってことなんでしょうね
それから、やっぱり噛みやすい言葉もあります。
意外な言葉が言いにくかったりするんですよ。
「見守るシステム」
「選挙に出馬」
「叫び声をかき消して」
「事実の全面否定、法廷での対決も辞さない」
私が読むたびに緊張していた言葉の一部です。
これをクリアに読んでみて下さい。
意外にむずかしいんだから!
って、人を巻き込んでも仕方ないんだけど。
千秋楽が終わったあとで、久間さんが、
「またやろうか」
って言ったとき、
たしか誰も返事しなかった(笑)
そりゃぁ、普通の芝居よりは、
ずっと稽古時間も少ないし、動きもないし、
セリフも覚えなくていいし、
確かに楽なんだけど。
なんというか・・・しんどかったなぁ、
という記憶が強烈でした。
それともうひとつ、
あの時期、自分の頭の構造が、
変わっちゃっていたようなんです。
(つづく)
人気ブログランキング
ブログランキング参加中。
よろしければ、クリックを!
さて、そろそろ千秋楽にさしかかります。
私の場合、
いつもは、楽屋に入ったら、
だいたい2日がかりで自分の鏡前を整えて、
いざ初日!という流れになります。
自分の居心地のいいように整える、
というのが、
けっこう楽しみだったりするのですが、
今回は、千秋楽が、
ポーンと1週間も飛んで、たった1日!
とても、そんな悠長なことは言ってられません!
朝まったくゼロの状態で劇場に入って、
午後2時には本番が始まるわけなので、
かなりのタイムゲームになります。
この周りの黒幕を吊るのだって、
けっこう時間がかかるんですよ~。
とにかく人手もいないので。
そして、
夜の回が終わったら、速攻バラシ。
バラシというのは、撤収作業のことです。
だから、それを見越して、
楽屋も、
がら~~ん。
余計なものは一切出さない。
鏡前も、
一瞬で片付くレベル。
出演者が少ないから、
楽屋をひーろびろと使えるときに限って、
そんなヒマがない。
皮肉なもんです(笑)
人気ブログランキング
ブログランキング参加中。
よろしければ、クリックを!
そういえば、
「写真見せます」と言っておきながら、
昨日は1枚も写真を出さなかったんだ
すみません!
今日、まとめて出します。
ということで、
最初から写真でいきたいと思います!
意味不明な方は、昨日の分からお読み下さい。
ちなみに、照明がおかしいのは、
休憩時間での再現写真だからでゴザイマス。
さて、暗転になった途端に、
この写真の右側にいる長野くんが、
そっと立ち上がり、
畜光の光を頼りに、
センターの椅子にゆっくり移動します。
一方、それまでセンターの椅子にいた林くんは、
長野くんのゆっくり移動の間に、
せかせかと靴を脱ぎます。
なぜだっ??
・・・ですよね(笑)
なぜなら、
ここで絶対に、音を出したくないから!
暗転で誰かが動いている気配がわかってしまうと、
このストーリーの面白さが激減するためなんです。
音がしないように、靴を脱いで、
立ち上がった頃に、
「バフッ」といった殴られる音が出て、
「うっ」という殴られた声を出して、
そこからアセアセと舞台そでに逃げます。
もっと早くそでに引っ込みたいところなのですが、
「うっ」をセンターで言わなければ、
これまた移動がバレてしまう。
続いて、
椅子の背を持ってスタンバイしていた長野くんが、
その椅子に座ったところで、明るくなり、
客席から「そうだったのか!」といった、
ざわめきが聞こえる。
そこで役者は心の中で、
「やった」と叫ぶ、というワケです。
といっても、この暗転が長いと、
間延びして緊張感が消えてしまう。
だからここは、何度も徹底的に当たりました。
あ、当たるというのは、やってみるとか稽古する、
といった意味です。
そのたびに靴を脱いじゃ履き、
履いちゃ脱ぎ、
靴を持って「うっ」と言っては、
そーっとそーっと、そでにダッシュ!
それが、この写真です。
・・・と言おうと思ったら、
この写真、靴履いてるじゃん!
再現写真だと思って、手を(足を?)抜いたな!
まぁ仕方ない。
なんとなくの雰囲気だけお伝えしました
人気ブログランキング
ブログランキング参加中。
よろしければ、クリックを!
これはちょっと珍しい・・・かな?
よくやっていることなのですが、
わざわざ写真を撮ることはあまりないので。
ずばり <暗転中の役者> です。
劇場に入って、舞台ができると、
照明や音のきっかけ、役者の出ハケなど、
稽古場では合わせることのできなかった、
いろいろな事項をチェックし、
問題点をつぶしていきます。
それを場当たりと呼んでいます。
その場当たりの中でも、
絶対にないがしろにできないのが、
暗転チェックなんですね。
といっても、最初から真っ暗!
なんて危ないことはやりません。
まだ舞台の状態も把握できていないので、
とりあえず、まず、明るいままで、
暗転と同じ動きをして、
動線などの動きを確認します。
「確認」なワケです。
だから、全員、
暗転のつもりで動きます。
明るい中で・・・、
暗いつもりになって・・・。
これは、かなりマヌケで笑えます。
(当然、全員真剣そのものですが)
これも、
昨日書いたのと同じシーンの話なのですが、
もう一度書きますと、
「100万、200万・・・」
と、男が金を数え始めたところで、暗転。
そのまま暗い中で、
金を数える男の声が聞こえているが、
突然、殴るような鈍い音。
続いて「ウッ」といううめき声。
次に明るくなったときには、
さっきまで金を数えていた男はおらず、
いつも、その男の使い走りをやらされていた、
おとなしい男が、彼の椅子に座っている。
そこでモノローグで意外な結末が明かされる、
と、舞台上ではそうなるのですが、
暗転の中で、
何が行われているか、というと・・・、
(つづく)
人気ブログランキング
ブログランキング参加中。
よろしければ、クリックを!
気がついたら2月ですねぇ(遠い目)
「今回の」みたいな書き出しで、
当たり前のように書いている、このウラ話は、
たしか12月も上旬の話でした。
ふーーーむ。
2ヶ月も前だぜ・・・。
いや、でもでも、なんのなんの、
まだもうちょっと続けますよ。
こういうものって、書いているうちに、
いろいろと思いだしてくるもんですから(笑)
・・・ということで、
フツーに内容に入ります
1話目の「便乗誘拐」というお話は、
最後の最後に、
「ああ、そうだったのか」という意外な結末が、
モノローグで説明されます。
詳しい話は面倒なので書きませんが、
気の弱いおとなしい男が、
実はすべてを仕組んでいた、というどんでん返しで、
小ずるくて、したたかな男の盗った金を、
その男を殴って、手に入れる、
なーんて書くと、
面白くもなんともない(笑)
いや、でも、お話は面白かったんですよ~。
普通の芝居なら、
薄暗い照明の中、
金を数えている男の後ろに、
ぼんやりと男の影が浮き出て、
その男の手にはバットが・・・。
という演出になるんでしょうが、
朗読なもので・・・、
このあたりは、暗転!
聞こえるのは、男が殴られたときの、
「ウッ」という声だけ。
次に明るくなったときには、
さっきまで金を数えていた男はおらず、
いつも、その男の使い走りをやらされていた、
おとなしい男が、同じ椅子に座っている。
そこから、言葉での説明が始まって、
「おおっ、そうだったのか」
になるんですが・・・、
役者っちゅう生き物は、
まったくねぇ、
どうしても動きたくなるんですね~。
そのシーンを、わざわざ、
ほんのわずかの休憩時間に、
やる必要もないのに、
誰に頼まれたワケじゃないのに、
ご丁寧に、小道具の紙袋まで探してきて、
(本番では小道具も使わないのに)
やってみせてくれています。
だからさぁ、いらない、っつうのに(笑)
しかし、休憩時間の気分転換の方法も芝居、って、
ほんっとに役者っちゅう生き物は・・・。
人気ブログランキング
ブログランキング参加中。
よろしければ、クリックを!