このところのお気に入り、それがこのクスミ・ティーのショコラ・エピス。元々は、いつもパリで滞在するオデオンの側のマルシェにクスミ・ティーの支店が出来たのがきっかけ。缶のロシアンチックなラベルに惹かれて、小さな缶をお客様へ買付けのお土産に求めたところ、これが大ヒットで、その次の買付けの折に自分のために手に入れた、というのがはじまりです。
思えばここ数年、ロンドンでよく立ち寄るフォートナム&メイソンのアールグレイクラシックから始まって、同じフォートナム&メイソンのローズプーチョン(日本でも購入できるけれど、なぜかロンドンで量り売りを買った方が断然美味しい!やはり新鮮だからでしょうか?)、フランスでしか手に入らないトワイニングのティーバッグ、オランジュ・カネル(いわゆるオレンジ・シナモンですね。イギリスの会社、トワイニングの製品なのに本国イギリスには一切売っていないのです。)。マリアージュ・フレールのあまりにも有名なマルコ・ポーロ、薔薇の香りのセレナード、そしてボレロと次々浮気を重ね…。ボレロは、ブルーの矢車草やオレンジ色のマリーゴールド花びらが入っていて色合いも綺麗、独特のフレーバーが癖になる美味しさでした。そして、このクスミ・ティーのショコラ・エピス、これがチョコレートのお菓子と一緒にいただくと何ともいえない味わい深い美味しさ!今回サロンでもお出ししているので、是非味わっていただきたいです。
調べてみますとこのクスミ・ティー、1867年に帝政ロシアのセントペテルスブルグでクスミチョフ(あぁ、何というロシアンチックな名前!最初知ったときには思わず笑ってしまいました。)が創業。皇帝の御用茶商となるも、1917年のロシア革命でフランスへ亡命、フランスでも好評を博した、という訳です。これって、まるでうちでも扱っている香水瓶のプリンス・マチャベリのようですね。きっとロシア革命の際には、こうした貴族趣味の文化はみんな他のヨーロッパの国々やアメリカに流出してしまったのでしょうね。
パリに行った折には私達がよく立ち寄るデパートBHVにも、いつも滞在するホテルの近所のスーパー モノ・プリにも、今回は今までなかったクスミ・ティーコーナーが出現。パリでも今クスミ・ティーが熱いようです。(ほんとかしら?)もう日本でも手に入るほどですから、ホント、日本人の味覚に対する情報の早さには頭が下がります。