今年初めての真夏日になった今日ですが、皆様いかがでしょうか?外は暑くても、奥野ビルはひんやり涼やか。エアコンを入れることなく一日過ぎました。
さて、先日お客様から「ラペットの着け方」についてご質問を受けました。まず、今回ホームページにUPしたラペットがこちら。
私自身は今まで、この下の画像のようにキャップクラウンに付ける形か、
ブリュッセル王立歴史博物館のカタログTrois siecles de dentelles aux Musees royaux d'art et d'histoireより抜粋
もしくは、「皇帝フランツ一世、女帝マリア・テレジアとその子供達」(1756年)で描かれた向かって左から二番目マリー・アントワネットの姉マリア・アンナのように、髪の毛の後ろにひらひら付ける方法が一般的だと思っていました。
Copyright KHM-Museumsverband, Gemäldegalerie
ですが、探してみるとこんな画像も。1725年のイラストですが、様々な着け方のバリエーションがあったことが分かります。
LACE A HISTRYより抜粋。1725年のイラスト
こんな風に頭の上に折りたたんだような着け方も。こうしたラペットの着け方のバリエーションは、ドレスと一緒で、時代と共に流行があったもの、と思っていたのですが、お客様から「手芸が語るロココ」に「バルブは単なるアクセサリーではなく、どんな時に下げていいか、結んでおかなければならないかが、きちんときまっていた。」と書かれていますよ、お知らせいただき、フランス宮廷では何かしらラペット(フランスでは、「髭」を意味するバルブと呼ばれていました。)についてのプロコトルがあったことを再確認しました。(もしそういったプロコトルの詳細をご存じの方がいらっしゃいましたら、お教え下さいませ。)また、当時、「身分の高い人ほど長いラペットを身に着けた」という説もあるようです。
その後、二本一組だったラペットは一本になったり…
Lacein Fashion from the Sixteenth to the Twentieth Centuriesより抜粋。
ちなみに19世紀半ばにはこんな着け方に…
AntiqueLace: Identifying Types and Techniquesより抜粋。1840年代のファッションプレートです。
このようにラペットは、ファッションアイテムとして18世紀初頭から19世紀後期まで生き延び、約200年もの間、女性の後ろ頭をひらひらとロマンティックに飾ってきたのです。
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名古屋市中区栄3丁目14-14 (大津通栄ガスビル向い)
tel 052-241-1533
(問)エンジェルコレクション tel 03-6228-6230 もしくは090-1832-7704
特設ページ*** http://www.angelcollection.jp/myoukouen201906/201906.htm