雀庵の「常在戦場/50 ハイチ暗殺事件と中共のポチ」
“シーチン”修一 2.0
【Anne G. of Red Gables/335(2021/7/12/月】7月7日にハイチのモイーズ大統領が自宅で28人の武装グループに襲われ暗殺された。ハチの巣状態だったという。今どき「暗殺」・・・時代錯誤のような感じだが・・・
日本の幕末で一番有名な暗殺は「桜田門外の変」だろうが、非難する人はまずいない。実行犯の水戸浪士ら多くは処刑されたが、明治維新後は「井伊暗殺」は「いい暗殺」になったらしい。井伊直弼は安政の大獄で松陰先生まで殺したからやり過ぎ、過ぎたるは猶及ばざるが如し、志士の怒りを買ってしまった。
忠臣蔵も「いい暗殺」になっているが、「吉良上野介義央の領地の大部分は現在の愛知県西尾市吉良町にありました。地元では数々の善政を敷いた名君として愛されています」とのこと(西尾市)。地元では吉良様は加害者ではなく「悪い暗殺」に遭った被害者になっている。
「暗殺、テロ、ゲリラの違いを述べよ」と言われてもちょっと分からないが、「秘密的な攻撃で敵を叩く」という点では共通している。大っぴらにやると反撃を食ったり非難されるから、こっそりと殺す、という感じ。圧政下では圧政する側、される側、ともにテロを活用するのは効き目があるからだろう。今や宇宙から監視されてピンポイント攻撃で殺されるハイテクテロ・・・恐ろしい時代だ。
「警察国家を転覆するために人民が唯一の実行可能な策はテロである」とレーニンは煽ったとか。数千万人を殺しておきながら「俺がやるテロは正義、敵がやるテロは悪だ」というのが凄い。さすが大物。日本共産党から除名された宮地健一氏(社会運動研究家)によると「テロ」の形態には3つある。
<◆第1は「国家テロ」。国家による国家暴力装置=警察、秘密政治警察、検察、裁判、軍隊を使っての反国家組織、反乱グループや敵対国家にたいする「国家テロ、反体制・反乱指導者への国家テロ」がある。それには、「国家の敵・人民の敵と、国家指導者が認定した階級・グループにたいする民主主義的権利剥奪テロ」も含む。
◆第2は「反国家テロ」。国家以外の組織・個人による「反国家テロ、国家指導者へのテロ、国際的な反帝国主義国家テロ」である。
◆第3は、敵対する非国家グループ間や宗教団体・民族団体間の「組織間テロ、内ゲバ」である。
レーニンが「殺した」ロシア革命勢力とは、(1)80%=9000万の土地革命農民、(2)2.7%=300万の革命労働者、(3)1万4000人のクロンシュタット水兵・基地労働者と各地の兵士、(4)ソヴィエト内社会主義他党派とアナキスト、(5)知識人を指す。自由主義政党カデットと聖職者は、ロシア革命勢力ではないが、レーニンが「殺した」自国民として赤色テロルデータに含めた>
共産主義者=独裁者は主流派以外は「敵」だから容赦なく殺す。スターリンにより政敵と見なされたトロツキーはメキシコまで追ってきた殺し屋にピッケルで脳天を破壊されて死んだ。己の敵になりかねない異端を絶対許さない、というのは毛沢東も習近平も同様である。
庶民は為政者に従うか沈黙するしかない。いつか晴れる日も来るだろうと逼塞するが、ごく稀に「俺はもう耐えられない、せめて一矢報いる、我に続く者あるを信ず」という突破モンはいる。
読売2021/7/3 「香港 警官襲撃後に男自殺…自宅に遺書 国安法批判」から。
<香港の繁華街・銅鑼湾で1日夜、街頭でデモを警戒していた男性警官(28)が男(50)に背後から刃物で刺され、重傷を負った。男は直後に自分の左胸も刺し、死亡した。
香港紙サウスチャイナ・モーニングポストによると、男の自宅から遺書が見つかった。遺書には、中国が主導して施行した国家安全維持法や香港警察への批判が記されていたという。
警官は背中の左肩付近を刺され、傷は肺に達した。香港政府のトウ炳強・保安局長は2日未明の記者会見で「テロ事件だ」と非難し、男に共犯者はいないとの見解を示した。
7月1日は香港の中国返還記念日で、毎年、民主派団体が大規模デモを主催してきた。しかし、警察は昨年に続き今年も新型コロナウイルス対策を理由にデモを許可せず、当日は約1万人態勢で警戒していた。
デモ申請が不許可となった民主派政党・天水連線の林進・区議は「政府は住民から声を上げる機会を奪っており、社会には不満と怒りが 鬱積している」と述べた。事件後、ネット上では男を「烈士」などと呼び、追悼する動きが出ている>
香港日報2021/7/5「警官襲撃犯はりんご日報でバイト」から。
<警官を刺傷した後に自身の胸を刺して死亡した梁健輝氏(50歳)は生前、すでに休刊した『りんご日報』で資料収集のアルバイトをしていたことが分かった。
7月3日付香港各紙によると、梁氏はSNSで活発に書き込みを行うユーザーではなかったが、近年の社会運動の情報には相当留意しており、警察への憎悪の感情は極めて深かった。梁氏はUSBに多くの遺書を残してあり、警官を殺した後に自殺すると称し、両親への説明が含まれていた。
警察は2日、屯門の勤務先のオフィスで捜査を行い、単独で犯行に及んだとみられ、まだ共犯がいる手がかりは見つかっていない。梁氏は独身で、前科とメンタル上の病歴はなく、両親と同居していた。性格は内向的で、両親とも会話は少なく、両親も彼の仕事を一切知らなかった。
2008年には数カ月の間、『りんご日報』の資料室で資料収集を担当していた。16年に(事件により不買運動で叩かれた)ビタソイグループに入社し、購買主任を担当していた>
法輪功系の反中メディア「大紀元」2021/7/5は――
<事件当日の夜、香港政府は犯行を「テロ攻撃 」と認定した。キャリー・ラム行政長官は、事件を強く非難し、警察が徹底的な調査を行うと述べた。
しかし、多くの香港市民はネット上で死者を「勇者」「烈士」「兄弟(大切な仲間)」などと呼び、哀悼の意を表していた。2日、事件現場では、警察が厳重に警備し、白い花を持つ市民を止めて調べていた。
米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)は2日夜、YouTubeで梁氏をどう評価するかの投票を行なった。2時間弱で集まった2000票のうち、79%が「烈士」を選び、「暗殺者」「孤狼(攻擊性のある人)」「テロリスト」がそれぞれ約3%、「わからない(歴史が決める)」が約13%だった。
米国在住の時事評論家である唐靖遠氏は3日、自身の動画チャンネル「遠見快評」で、「今回の事件は、中国共産党の驚異的な破壊力を再び浮き彫りにした。中国共産党による一党支配という権威主義体制は、行く先々で人々の道徳観を破壊し、人々を、悪の追随者か抵抗者のどちらかになることを強要している」と指摘した。
中国の専門家である豪シドニー工科大学の馮崇義教授は大紀元に対し、香港エリート層の長期的な抵抗を維持するためには、非暴力・非協力運動がより適切で持続可能な方法であるとし、「香港の希望は失われておらず、香港人は国際社会との結びつきを強め、国際連合と協力して中国共産党に立ち向かうべきである」と述べた>
民主主義者≒アカモドキは「私は善人」と(表向きは?)お行儀が良いが、マルクスの僕である預言者レーニンは「警察国家を転覆するために人民が唯一の実行可能な策はテロである」と煽ったとか。実際に彼は列強諸国の圧迫の中で大急ぎでソ連体制を固めるために「暴力と内戦」を大いに活用したのだ(ホーフマン「スターリン主義と反共主義」)。
「政権は銃口から生まれる」と毛沢東は言い、死ぬまで軍隊の指揮権を離さなかった。いずこの国も旧国家から新国家への移行は「暴力と内戦」による。ジャンケンや選挙ではなく「暴力と内戦」が新しい国を創ってきたのだ。それを十分に知っているはずの産経新聞だが、表向きは「テロ、暗殺、暴力、内戦」を煽るわけにはいかないから「台北支局」による以下の記事でお茶を濁している。
<2021/7/2「香港で警官刺され重傷 共産党創建100年の夜」
中国共産党が創建100年を迎えた1日夜、香港の繁華街コーズウェイベイで、警官が男に刃物で刺されて重傷を負った。男は警官を刺した後、自分の胸を刺して病院に搬送されたが、死亡したという。香港警察はこの日、1万人規模の警官を香港全域に配備し、当局への抗議活動を取り締まっていた。香港メディアによると、国旗侮辱や公務執行妨害などの疑いで少なくとも19人を逮捕した。
英国から中国への返還記念日でもあるこの日、香港では例年、市中心部で大規模なデモが行われてきた。今年は警察当局がデモの出発場所となるビクトリア公園を封鎖し、デモを押さえ込んだ>
まあ、いずこの国も14億市場の中共を敵にしたくはないから反共メディア以外は大人しい記事のようだ。「テロの嵐で習近平にNO!を」「タリバンに学ぶ自爆テロ!」なんて先進国のお行儀の良い商業メディアは書けない。全体の風向きに従うのが常で、夏彦翁曰く「1000万人なら我も行く」か。
ピュー・リサーチセンターの最新の国際世論調査では中共はますます嫌われている。産経2021/7/2「先進諸国の大半で中国に否定的評価 米機関調査」から。
<日米など先進諸国で中国に対する否定的評価が最高水準にあることが米調査機関ピュー・リサーチセンターが実施した国際世論調査で明らかになった。
同センターが2~5月に実施した先進17カ国・地域の成人約1万8900人を対象に実施した調査によると、15カ国・地域で過半数の人々が中国を「好ましくない」とみていた。
特に否定的な評価が多かったのが日本で、88%が「好ましくない」と回答した。スウェーデン80%、オーストラリア78%、韓国77%。米国76%がこれに続いた。また、韓国と米国、カナダ(73%)、ドイツ(71%)では「好ましくない」がこれまでの調査で最高となった。
また、「中国は国民の自由を尊重していない」との回答は、17か国中15か国で80%を超えた。
米中のどちらと強い経済関係を望むかについては、シンガポールを除く16カ国・地域が米国を選んだ。
中国の習近平国家主席への信頼度は、シンガポール(70%)を除く16か国・地域で10~36%の低水準だった。最低は日本で10%。
中国との経済関係を犠牲にしてでも人権問題を重要視する回答が70%以上を占めたのは米国、オーストラリア、ニュージーランド。日本は54%、台湾は45%。一方「経済関係を優先する」との回答が上回ったのは韓国(57%)とシンガポール(55%)だった>
ピューは米国人だけの数字も発表している(拙訳)。
<ほとんどのアメリカ人は中国に「冷たい」見方をしている。中国に対する否定的な評価は2018年の前回調査以降、大幅に増加した。今日、アメリカ人の67%が「体感温度計」で中国に対して「冷たい」感情を抱いており、2018年調査の46%から増加している。「否定的な感情」も増えており「非常に冷たい」感情を持っているという割合は23%から47%に上昇した。(倍増!)
自由形式回答の質問「あなたが中国について考えるとき、最初に考えることは何ですか?」を分析したところ、「中国人や国の長い歴史と文化」はほとんどないことが分かった。代わりに中国政府の政策や国際的な振る舞いなどと経済が焦点になっている。中国についてアメリカ人が懸念している事柄は人権20%、経済19%、政治システム17%である>
習近平とその子分が今、一番恐れているのは軍による暗殺ではないか。冒頭の「ハイチのモイーズ大統領暗殺」の実行グループはコロンビア国籍26人、アメリカ国籍2人の少なくとも28人にのぼる」(WIKI)そうだが、最近「コロンビアのデューク大統領は、習近平国家主席にビデオで挨拶した」という。
<北京7/9新華社 コロンビアのデューク大統領は最近、習近平国家主席と中国政府と中国国民にビデオで感謝と挨拶を述べた。デューク大統領は、両国が外交関係を樹立して以来、中国の継続的な支援に感謝していると述べ、特に最近、中国はコロナワクチン接種プロセスを支援し、二国間関係をさらに強化し、両国の友好関係を持続的に発展させ、両国の人々の発展のためのより多くの機会を創出したと述べた>
ハイチは「台湾承認国」である、つまりハイチのモイーズ政権は中共にとって“敵性国家”である。コロンビアのデューク(ドゥケ)大統領が中共との関係強化を促進するためにハイチのモイーズ政権を叩きポイントを稼ぐ・・・といった想像もあり得ない話ではないだろう。まるでミステリー映画。
おまけにモイーズ大統領を襲撃したテロリストのうち11人が治外法権の台湾の在ハイチ大使館に侵入し、あたかもテロが台湾の指示によるものだと偽装したようだ。台北中央社2021/7/9「台湾の在ハイチ大使館に侵入者 地元警察が傭兵11人を逮捕」から。
<台湾と外交関係を結ぶハイチで8日早朝、武装集団が首都ポルトープランスの在ハイチ中華民国大使館の敷地内に侵入し、警察に逮捕された。一部の窓やドアが破壊されたが盗難被害などはなかったという。
ハイチでは7日未明、モイーズ大統領が暗殺される事件が発生し、非常事態宣言が発令された。これを受け大使館は7日から9日まで対外業務を停止しており、職員も全員リモートワークに切り替えていた。大使館の庭にいた不審者を見つけた警備員の通報を受けた警察が捜索を開始し、同日午後4時ごろに傭兵11人の身柄を拘束した。
外交部は、暴力行為に対する「強い譴責」を表明するとともに、ジョゼフ暫定首相が難関を乗り越え、民主主義的な秩序を回復させるのを支持する台湾の姿勢を改めて強調した>
コロンビア映画最新作「中共忖度による台湾排除のクサイ芝居」を見せられている気分。ダサっ!
習近平は帝王学である三跪九叩頭の蛮族夷狄をお行儀良くする華夷秩序、朝貢外交を学んでいないのではないか。下賜をケチったらアカンで、毛主席曰く「欲しがるものはみんなくれてやれ」、天子様は太っ腹でないと務まらないのだ。コロンビアは「ボクは忠実な良い子です、もっとおカネを!」とアピールしてるんとちゃうか? ホンマに気が付かんボケやな、奥さんに捨てられるんも当たり前や。
一事が万事、習近平は中共軍を完全掌握しているのかどうかも怪しいで。一人っ子ばかりの将兵にやる気があるんか、督戦隊はちゃんとあるんか、外国相手にまともな戦争経験がないのに戦えるんか・・・小生にとっても分からないことばかりだ。もっともっと研究しなければならない。習近平・中共は小生のボケ防止に役立つことは確かである。
目安箱:ishiifam@minos.ocn.ne.jp
https://blog.goo.ne.jp/annegoftotopapa4646
まぐまぐID 0001690154「必殺クロスカウンター」
“シーチン”修一 2.0
【Anne G. of Red Gables/335(2021/7/12/月】7月7日にハイチのモイーズ大統領が自宅で28人の武装グループに襲われ暗殺された。ハチの巣状態だったという。今どき「暗殺」・・・時代錯誤のような感じだが・・・
日本の幕末で一番有名な暗殺は「桜田門外の変」だろうが、非難する人はまずいない。実行犯の水戸浪士ら多くは処刑されたが、明治維新後は「井伊暗殺」は「いい暗殺」になったらしい。井伊直弼は安政の大獄で松陰先生まで殺したからやり過ぎ、過ぎたるは猶及ばざるが如し、志士の怒りを買ってしまった。
忠臣蔵も「いい暗殺」になっているが、「吉良上野介義央の領地の大部分は現在の愛知県西尾市吉良町にありました。地元では数々の善政を敷いた名君として愛されています」とのこと(西尾市)。地元では吉良様は加害者ではなく「悪い暗殺」に遭った被害者になっている。
「暗殺、テロ、ゲリラの違いを述べよ」と言われてもちょっと分からないが、「秘密的な攻撃で敵を叩く」という点では共通している。大っぴらにやると反撃を食ったり非難されるから、こっそりと殺す、という感じ。圧政下では圧政する側、される側、ともにテロを活用するのは効き目があるからだろう。今や宇宙から監視されてピンポイント攻撃で殺されるハイテクテロ・・・恐ろしい時代だ。
「警察国家を転覆するために人民が唯一の実行可能な策はテロである」とレーニンは煽ったとか。数千万人を殺しておきながら「俺がやるテロは正義、敵がやるテロは悪だ」というのが凄い。さすが大物。日本共産党から除名された宮地健一氏(社会運動研究家)によると「テロ」の形態には3つある。
<◆第1は「国家テロ」。国家による国家暴力装置=警察、秘密政治警察、検察、裁判、軍隊を使っての反国家組織、反乱グループや敵対国家にたいする「国家テロ、反体制・反乱指導者への国家テロ」がある。それには、「国家の敵・人民の敵と、国家指導者が認定した階級・グループにたいする民主主義的権利剥奪テロ」も含む。
◆第2は「反国家テロ」。国家以外の組織・個人による「反国家テロ、国家指導者へのテロ、国際的な反帝国主義国家テロ」である。
◆第3は、敵対する非国家グループ間や宗教団体・民族団体間の「組織間テロ、内ゲバ」である。
レーニンが「殺した」ロシア革命勢力とは、(1)80%=9000万の土地革命農民、(2)2.7%=300万の革命労働者、(3)1万4000人のクロンシュタット水兵・基地労働者と各地の兵士、(4)ソヴィエト内社会主義他党派とアナキスト、(5)知識人を指す。自由主義政党カデットと聖職者は、ロシア革命勢力ではないが、レーニンが「殺した」自国民として赤色テロルデータに含めた>
共産主義者=独裁者は主流派以外は「敵」だから容赦なく殺す。スターリンにより政敵と見なされたトロツキーはメキシコまで追ってきた殺し屋にピッケルで脳天を破壊されて死んだ。己の敵になりかねない異端を絶対許さない、というのは毛沢東も習近平も同様である。
庶民は為政者に従うか沈黙するしかない。いつか晴れる日も来るだろうと逼塞するが、ごく稀に「俺はもう耐えられない、せめて一矢報いる、我に続く者あるを信ず」という突破モンはいる。
読売2021/7/3 「香港 警官襲撃後に男自殺…自宅に遺書 国安法批判」から。
<香港の繁華街・銅鑼湾で1日夜、街頭でデモを警戒していた男性警官(28)が男(50)に背後から刃物で刺され、重傷を負った。男は直後に自分の左胸も刺し、死亡した。
香港紙サウスチャイナ・モーニングポストによると、男の自宅から遺書が見つかった。遺書には、中国が主導して施行した国家安全維持法や香港警察への批判が記されていたという。
警官は背中の左肩付近を刺され、傷は肺に達した。香港政府のトウ炳強・保安局長は2日未明の記者会見で「テロ事件だ」と非難し、男に共犯者はいないとの見解を示した。
7月1日は香港の中国返還記念日で、毎年、民主派団体が大規模デモを主催してきた。しかし、警察は昨年に続き今年も新型コロナウイルス対策を理由にデモを許可せず、当日は約1万人態勢で警戒していた。
デモ申請が不許可となった民主派政党・天水連線の林進・区議は「政府は住民から声を上げる機会を奪っており、社会には不満と怒りが 鬱積している」と述べた。事件後、ネット上では男を「烈士」などと呼び、追悼する動きが出ている>
香港日報2021/7/5「警官襲撃犯はりんご日報でバイト」から。
<警官を刺傷した後に自身の胸を刺して死亡した梁健輝氏(50歳)は生前、すでに休刊した『りんご日報』で資料収集のアルバイトをしていたことが分かった。
7月3日付香港各紙によると、梁氏はSNSで活発に書き込みを行うユーザーではなかったが、近年の社会運動の情報には相当留意しており、警察への憎悪の感情は極めて深かった。梁氏はUSBに多くの遺書を残してあり、警官を殺した後に自殺すると称し、両親への説明が含まれていた。
警察は2日、屯門の勤務先のオフィスで捜査を行い、単独で犯行に及んだとみられ、まだ共犯がいる手がかりは見つかっていない。梁氏は独身で、前科とメンタル上の病歴はなく、両親と同居していた。性格は内向的で、両親とも会話は少なく、両親も彼の仕事を一切知らなかった。
2008年には数カ月の間、『りんご日報』の資料室で資料収集を担当していた。16年に(事件により不買運動で叩かれた)ビタソイグループに入社し、購買主任を担当していた>
法輪功系の反中メディア「大紀元」2021/7/5は――
<事件当日の夜、香港政府は犯行を「テロ攻撃 」と認定した。キャリー・ラム行政長官は、事件を強く非難し、警察が徹底的な調査を行うと述べた。
しかし、多くの香港市民はネット上で死者を「勇者」「烈士」「兄弟(大切な仲間)」などと呼び、哀悼の意を表していた。2日、事件現場では、警察が厳重に警備し、白い花を持つ市民を止めて調べていた。
米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)は2日夜、YouTubeで梁氏をどう評価するかの投票を行なった。2時間弱で集まった2000票のうち、79%が「烈士」を選び、「暗殺者」「孤狼(攻擊性のある人)」「テロリスト」がそれぞれ約3%、「わからない(歴史が決める)」が約13%だった。
米国在住の時事評論家である唐靖遠氏は3日、自身の動画チャンネル「遠見快評」で、「今回の事件は、中国共産党の驚異的な破壊力を再び浮き彫りにした。中国共産党による一党支配という権威主義体制は、行く先々で人々の道徳観を破壊し、人々を、悪の追随者か抵抗者のどちらかになることを強要している」と指摘した。
中国の専門家である豪シドニー工科大学の馮崇義教授は大紀元に対し、香港エリート層の長期的な抵抗を維持するためには、非暴力・非協力運動がより適切で持続可能な方法であるとし、「香港の希望は失われておらず、香港人は国際社会との結びつきを強め、国際連合と協力して中国共産党に立ち向かうべきである」と述べた>
民主主義者≒アカモドキは「私は善人」と(表向きは?)お行儀が良いが、マルクスの僕である預言者レーニンは「警察国家を転覆するために人民が唯一の実行可能な策はテロである」と煽ったとか。実際に彼は列強諸国の圧迫の中で大急ぎでソ連体制を固めるために「暴力と内戦」を大いに活用したのだ(ホーフマン「スターリン主義と反共主義」)。
「政権は銃口から生まれる」と毛沢東は言い、死ぬまで軍隊の指揮権を離さなかった。いずこの国も旧国家から新国家への移行は「暴力と内戦」による。ジャンケンや選挙ではなく「暴力と内戦」が新しい国を創ってきたのだ。それを十分に知っているはずの産経新聞だが、表向きは「テロ、暗殺、暴力、内戦」を煽るわけにはいかないから「台北支局」による以下の記事でお茶を濁している。
<2021/7/2「香港で警官刺され重傷 共産党創建100年の夜」
中国共産党が創建100年を迎えた1日夜、香港の繁華街コーズウェイベイで、警官が男に刃物で刺されて重傷を負った。男は警官を刺した後、自分の胸を刺して病院に搬送されたが、死亡したという。香港警察はこの日、1万人規模の警官を香港全域に配備し、当局への抗議活動を取り締まっていた。香港メディアによると、国旗侮辱や公務執行妨害などの疑いで少なくとも19人を逮捕した。
英国から中国への返還記念日でもあるこの日、香港では例年、市中心部で大規模なデモが行われてきた。今年は警察当局がデモの出発場所となるビクトリア公園を封鎖し、デモを押さえ込んだ>
まあ、いずこの国も14億市場の中共を敵にしたくはないから反共メディア以外は大人しい記事のようだ。「テロの嵐で習近平にNO!を」「タリバンに学ぶ自爆テロ!」なんて先進国のお行儀の良い商業メディアは書けない。全体の風向きに従うのが常で、夏彦翁曰く「1000万人なら我も行く」か。
ピュー・リサーチセンターの最新の国際世論調査では中共はますます嫌われている。産経2021/7/2「先進諸国の大半で中国に否定的評価 米機関調査」から。
<日米など先進諸国で中国に対する否定的評価が最高水準にあることが米調査機関ピュー・リサーチセンターが実施した国際世論調査で明らかになった。
同センターが2~5月に実施した先進17カ国・地域の成人約1万8900人を対象に実施した調査によると、15カ国・地域で過半数の人々が中国を「好ましくない」とみていた。
特に否定的な評価が多かったのが日本で、88%が「好ましくない」と回答した。スウェーデン80%、オーストラリア78%、韓国77%。米国76%がこれに続いた。また、韓国と米国、カナダ(73%)、ドイツ(71%)では「好ましくない」がこれまでの調査で最高となった。
また、「中国は国民の自由を尊重していない」との回答は、17か国中15か国で80%を超えた。
米中のどちらと強い経済関係を望むかについては、シンガポールを除く16カ国・地域が米国を選んだ。
中国の習近平国家主席への信頼度は、シンガポール(70%)を除く16か国・地域で10~36%の低水準だった。最低は日本で10%。
中国との経済関係を犠牲にしてでも人権問題を重要視する回答が70%以上を占めたのは米国、オーストラリア、ニュージーランド。日本は54%、台湾は45%。一方「経済関係を優先する」との回答が上回ったのは韓国(57%)とシンガポール(55%)だった>
ピューは米国人だけの数字も発表している(拙訳)。
<ほとんどのアメリカ人は中国に「冷たい」見方をしている。中国に対する否定的な評価は2018年の前回調査以降、大幅に増加した。今日、アメリカ人の67%が「体感温度計」で中国に対して「冷たい」感情を抱いており、2018年調査の46%から増加している。「否定的な感情」も増えており「非常に冷たい」感情を持っているという割合は23%から47%に上昇した。(倍増!)
自由形式回答の質問「あなたが中国について考えるとき、最初に考えることは何ですか?」を分析したところ、「中国人や国の長い歴史と文化」はほとんどないことが分かった。代わりに中国政府の政策や国際的な振る舞いなどと経済が焦点になっている。中国についてアメリカ人が懸念している事柄は人権20%、経済19%、政治システム17%である>
習近平とその子分が今、一番恐れているのは軍による暗殺ではないか。冒頭の「ハイチのモイーズ大統領暗殺」の実行グループはコロンビア国籍26人、アメリカ国籍2人の少なくとも28人にのぼる」(WIKI)そうだが、最近「コロンビアのデューク大統領は、習近平国家主席にビデオで挨拶した」という。
<北京7/9新華社 コロンビアのデューク大統領は最近、習近平国家主席と中国政府と中国国民にビデオで感謝と挨拶を述べた。デューク大統領は、両国が外交関係を樹立して以来、中国の継続的な支援に感謝していると述べ、特に最近、中国はコロナワクチン接種プロセスを支援し、二国間関係をさらに強化し、両国の友好関係を持続的に発展させ、両国の人々の発展のためのより多くの機会を創出したと述べた>
ハイチは「台湾承認国」である、つまりハイチのモイーズ政権は中共にとって“敵性国家”である。コロンビアのデューク(ドゥケ)大統領が中共との関係強化を促進するためにハイチのモイーズ政権を叩きポイントを稼ぐ・・・といった想像もあり得ない話ではないだろう。まるでミステリー映画。
おまけにモイーズ大統領を襲撃したテロリストのうち11人が治外法権の台湾の在ハイチ大使館に侵入し、あたかもテロが台湾の指示によるものだと偽装したようだ。台北中央社2021/7/9「台湾の在ハイチ大使館に侵入者 地元警察が傭兵11人を逮捕」から。
<台湾と外交関係を結ぶハイチで8日早朝、武装集団が首都ポルトープランスの在ハイチ中華民国大使館の敷地内に侵入し、警察に逮捕された。一部の窓やドアが破壊されたが盗難被害などはなかったという。
ハイチでは7日未明、モイーズ大統領が暗殺される事件が発生し、非常事態宣言が発令された。これを受け大使館は7日から9日まで対外業務を停止しており、職員も全員リモートワークに切り替えていた。大使館の庭にいた不審者を見つけた警備員の通報を受けた警察が捜索を開始し、同日午後4時ごろに傭兵11人の身柄を拘束した。
外交部は、暴力行為に対する「強い譴責」を表明するとともに、ジョゼフ暫定首相が難関を乗り越え、民主主義的な秩序を回復させるのを支持する台湾の姿勢を改めて強調した>
コロンビア映画最新作「中共忖度による台湾排除のクサイ芝居」を見せられている気分。ダサっ!
習近平は帝王学である三跪九叩頭の蛮族夷狄をお行儀良くする華夷秩序、朝貢外交を学んでいないのではないか。下賜をケチったらアカンで、毛主席曰く「欲しがるものはみんなくれてやれ」、天子様は太っ腹でないと務まらないのだ。コロンビアは「ボクは忠実な良い子です、もっとおカネを!」とアピールしてるんとちゃうか? ホンマに気が付かんボケやな、奥さんに捨てられるんも当たり前や。
一事が万事、習近平は中共軍を完全掌握しているのかどうかも怪しいで。一人っ子ばかりの将兵にやる気があるんか、督戦隊はちゃんとあるんか、外国相手にまともな戦争経験がないのに戦えるんか・・・小生にとっても分からないことばかりだ。もっともっと研究しなければならない。習近平・中共は小生のボケ防止に役立つことは確かである。
目安箱:ishiifam@minos.ocn.ne.jp
https://blog.goo.ne.jp/annegoftotopapa4646
まぐまぐID 0001690154「必殺クロスカウンター」