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雀庵の「大戦序章/16)敗戦ロシアは長い氷河期へ向かう」

2022-03-24 19:53:37 | 日記
雀庵の「大戦序章/16)敗戦ロシアは長い氷河期へ向かう」
“シーチン”修一 2.0


【Anne G. of Red Gables/449 2022/3/24/木】産経は保守論壇のリーダー格だが、年号は和暦と西暦を使い分けている。国内の記事では和暦、国際記事では西暦が基本になっているようだが、記事によっては和暦と西暦が入り混じるから困ることが多い。例えば連載中の「日本共産党100年」の記事には「平成12年」「51年綱領」「31年」「昭和26(1951)」「平成5年」「昭和26年」・・・とあり、時系列を把握するのにとても疲れる。


日共の「51年綱領」は1951年の暴力革命の開始を決定したものだと小生は知っているから分かるが、歴史の流れを辿るときに「和暦・西暦混交表示」はいささか面倒、面妖だ。


世界史的な時代の流れを追う面では西暦がいいし、その時代の日本の雰囲気を知る面(ウェット)では和暦が役に立つようだが、それでも混じり合うとややこしい。


「君、何年生まれ?」「昭和26年です」、「1951年と言えば団塊世代の後だね、朝鮮戦争特需で急速に戦後復興が加速し始めた時だ」「翌年にはサンフランシスコ講和条約が発効しました」、「1956年には“もはや戦後ではない”と『昭和31年度経済白書』でうたわれたから、敗戦から10年ちょっとで復活した」「1964年の東京五輪は世界に向けての復活宣言ですね」、


「・・・ん? 雪だな・・・降る雪や 昭和は遠くなりにけり、昭和は62年あたりまでかな?」「えーっと、スマホでは・・・1989年、平成元年・昭和64年とありますね。昭和は1989年・昭和64年の1月7日で終わり、平成は翌日1月8日からです」、「昭和を西暦にするときは25を足せば良かったが、平成とか令和はどうやっているのかなあ」「やり方はあるみたいですけど・・・難しそうです」、


「産経は2022年(令和4)とか表記してくれるとヂヂババには助かるんだが・・・せめて令和4年(2022)とかにならんものか」「今どき新聞読むのはヂヂババですからね、そんな声が高まれば改善してくれるんじゃないですか。とりあえず自分なりに西暦和暦表を作ってみたらどうです? そこにあれこれ・・・たとえば家族の出来事なども書き込んでいくと家族史にもなりますから、きっと面白いですよ」


まあ、明治からの西暦和暦表を作ってPCの傍に置いてみるか。これにて一件落着・・・面倒臭いが、生きるとはそういうものか? カミサンは楽しそうに生きているなあ、“買っては捨て、捨てては買う”消費人生・・・ストレスが小さいと長生きするみたいだ。


長生きは手段ではなく、「長生きすること自体が目的」なのか、どうも分かりにくい。夏彦翁曰く「理解なき妻」、「あなたの書いていることはさっぱり分かりませんと妻は言う。それでもファンの集いを喜んでくれた」、奥さんに先立たれて夏彦翁は後を追うように昇天。男女はついぞ理解し合えないが、それでいいのだ、ということか。


ああ、人生は分からないことばかり、絶対的な解がない、蜃気楼や逃げ水みたいだ。ま、「だから面白い、興味深い、悲喜こもごも、スリリング」ということにしておこう。


「なにぶつぶつ言ってるのよ、えっ?・・・バカバカしい、アンタを看取るために私は長生きするの! お米3合、仕掛けておいてよ、行ってきまーす!」


老兵は死なず、ゴミ出し、米研ぎ、何でも致します・・・男は兵隊、女は娼婦の役だとビシッと決まると言った映画監督がいたが、大昔から戦場では兵士と娼婦はコラボしていたのだろう。平時の感覚で戦時を云々するのはどうかと思うが、従軍娼婦などは終戦になると後ろ指をさされることが多かったようだ。石光真清の手記には戦地のお娼妓さんの愛国心あふれる支援が記されているし、荷風散人の「墨東奇譚」もお娼妓さんがいなければ生まれなかった。落語の「紺屋高尾」、プルーストやワイルドの作品も然り。平時でもお娼妓さんは大事な職業であり、世話にならなかった男はまずいないのではないか。娑婆ではとても相手にできないだろう美女が癒してくれるのだ。そういうお娼妓さんを叩くのは女で、一種の嫉妬のよう。嫌な感じ。


一方で敗戦になると男は将兵のみならず老いも若きも多少はあれど鬱勃とした気分になるみたいだ。父が銃と実弾を多摩川に捨てたのは1962/昭和37年あたりだった。父の大東亜戦争がようやく終わったのだ。


戦争はないに越したことはないが、戦争が新しい時代を創ってきたのは歴史の真実だ。勝者がいい思いをするのは当たり前だが、敗者も「終戦」により少なくとも戦死から免れるから「残念無念ながら敗戦を受け入れる」となるのだろう。しかし、敗者となった男どもの鬱屈はやがて「臥薪嘗胆」「敗戦の屈辱を忘れまい」、そして「リベンジ」志向になるのが珍しくない。「軍事で負けたが経済で勝ってみせる!」、それが日本の高度成長のパワーにもなった。


プーチン・ロシアのウクライナ侵略は、ソ連崩壊で失った誇りとシマを取り返し、屈辱を晴らし、世界を睥睨したソ連帝国を再生したい、というリベンジのように見える。ほとんどビョーキだが、2014年のクリミア侵略で制裁されて経済が伸び悩み、支持率も下がっていたので、一点突破、全面展開の賭けに出たようだ。一気呵成にウクライナを黒帯の背負い投げで潰すつもりが、イソップ童話の「北風と太陽」のようにウクライナは北風に負けじと必死で反撃している。


この反撃も大誤算だったが、クリミア侵略ではさしたる反発をしなかった米英EU日豪加はもとより、永世中立国のスイス、ロシアとの緊張を回避してきた北欧のフィンランドとスウェーデン、さらにシンガポールまでが激怒してプーチン・ロシア叩きを開始した。自由陣営のこの激しい動きはプーチン・ロシアの想定外であり、自滅か、一か八かの戦線拡大による滅亡しか選択肢がないのではないか。屋山太郎・日本戦略研究フォーラム会長/政治評論家の「世界再建の道は民主政治」から。


<国連が全く機能しなくなり、核大国のロシアが国際秩序をぶち壊し続けている。世界秩序をどう回復すべきか、世界中が知恵を絞る必要がある。その前提として、我々が認識しなければならないのは、世界に二種類の政治体制が存在しているという現実である。一つは自由・民主体制を守ろうとする政治、もう一つはプーチン氏のロシア、あるいは習近平氏の共産主義中国のような、軍国主義的な専制国家である。


今、世界中がプーチンの動きに注目しているが、ロシアはすでに国際社会の中では脱落した。プーチンに下された評価は「常人ではない」というものだ。常人でない人の下した判断は誰にも信用されない。中国は、中露一体となった台湾奪取を試みることはないだろう。片割れが危なっかしすぎるからだ。


プーチンはウクライナ全土をロシアに組み入れたいのだろうが、自由・民主制陣営が削り取られ、専制主義の支配下に入ることだけは阻止しなければならない。NATOやアメリカの主張、要求はビタ一文負けてはならない。ウクライナ報道を見ていると、全ジャーナリズムが勝敗の行方や惨劇だけを注視して、専制主義化が成功した場合の大きな負の部分を見ていない。ベラルーシの後を追わせてはいけないのだ。


ロシアへの金融制裁にはNATO主要国、日本が同調した。ドイツはかつてモスクワまで攻め込んだのに、ロシアが東西ドイツの統合を認めてくれたことに恩義を感じていた。だからこそエネルギーの半分をロシアに依存する程、信頼したのだ。このドイツの政策転換はまさに「目覚めた」という程の転換で、ヨーロッパ史の流れを直角に曲げる程の衝撃だった。加えてショルツ首相は軍事予算の増額を打ち出した。これをきっかけに「眠れるNATO」ははっきりと目覚めたのである。


プーチンが引っ込んでも、ロシアの専制主義体質は変わらないだろうが、西側は彼らが専制主義国の面積を拡大させないことを見張ってなければならない。


日米両国は中国が台湾奪取に来るのを前提に「インド太平洋戦略」を構築しつつある。日米豪印のクアッド、米英豪のAUKUSも成熟しつつある。この種の防衛構想の深化とともに、中国も対抗策を練ってくるだろう。


中国の上空から東向きに撮った航空写真がある。沖縄、尖閣列島、台湾が一列になって中国が本土から太平洋へ向かう道を遮断している。「太平洋を半分」さらに、米国本土をも視野に入れる中国にとって、台湾を所有することは必要不可欠である。台湾が国の将来の道を塞ぐように見えるに違いない。


それなら香港のような一国二制度で共存すれば良かったのだが、軍国・中国は納得しない。共産党は、中国を治める政治家や官僚を操るシステムだから、予想し得る将来に亘って共産主義を捨てることはなかろう。自由・民主主義陣営にとって負けてはならぬ勝負なのである>(令和4年3月23日付静岡新聞『論壇』より転載)


「ドイツの(反ロシアへの)政策転換はまさに『目覚めた』という程の転換で、ヨーロッパ史の流れを直角に曲げる程の衝撃だった」・・・これはちょっと違うのではないか、屋山先生、油断禁物ですぞ。


メルケルの育てたドイツのアカ政権はピンクに衣替えしただけで本質は共産主義社会を目指していると警戒しておいた方がいい。つまりプーチン・ロシアの同志みたいなもの。川口マーン惠美氏「シュトゥットガルト通信:寒がりません勝つまでは? ドイツの『ロシア制裁』が早くも行き詰まっている理由」2022.3.11から。


<EUが輸入しているガス全体の40%がロシアから来ている。安全保障上、ロシアシェアは3割程度に抑えるということが不文律となっていた。つまり、現在の40%というのは、誰が見ても依存度が高すぎる。ところが、ドイツを単独で見てみると、依存率はさらに高く、55.2%(2020年)。こんな国はEUには他にない。


ノルドストリーム(古い方)は2011年に稼働した巨大なパイプラインだが、これでロシアからドイツへのガス輸送に弾みがつき、ロシアシェアが鰻登りになったのである。もちろん、この安いガスで、ドイツ経済は繁栄した。ドイツは石炭の48.5%、石油の33.9%もロシアからの輸入だ。


EUがロシアからのガスを減らすなどというのは烏滸がましい話で、もし、何らかの理由でガスが来なくなった場合にどうしようかという算段の方が喫緊の課題だ。その答えは少なくともドイツの場合、一つしかない。ロシアのガスを引き続き輸入するということ。


つまりドイツ政府は、「ロシアに最大の痛みを感じさせるための大規模経済制裁」を敷いていると言ってはいるものの、実際にはノルドストリームも、ベラルーシおよびポーランド経由のヤマル・パイプラインもフル回転中なのである>


ドイツでもアカは平気で嘘をつくが、TV、新聞などマスコミもほとんどアカだからまったく問題にならないようだ。まともな国民が「それはおかしい」などと言えば殴られるか村八分になるのは野党AfD(ドイツのための選択肢)への日常的な暴力と一緒だろう。


どこの国のアカも似たようなもので、彼らが善人面のお面を剝いで牙をむくのは「帝国主義戦争を内乱へ転化せよ」といった有事や国政選挙、すなわち権力奪取の時である。そもそもドイツ人は「我らは優秀な民族であり、正義は我らにある」という自惚れが強いから、いったん思い込むと暴走しやすい。ヒトラー・ナチスに心酔して自滅したが、警戒心が薄いのだ。マルクスの故郷でもあるから今でもロシアや中共に親和性があるように見える。ワルに対してノーズロ、そう言えばメルケルは先月、スーパーで財布を盗まれた。古人曰く「油断大敵」。


孫武「孫子」の「第2 作戦編」に曰く――


<戦争の原則は戦車千台、輜重車千台、武具を付けた兵士十万、千里の外に食糧を運搬する場合には、一日千金をも費やしてはじめて軍隊を動かせる。従って、戦いが長引くと軍を疲弊させて鋭気をくじくことにもなる。


その状態で城を攻めれば戦力が尽き、軍隊を露営させておけば国家の経済は窮乏する。軍も疲弊し鋭気をくじかれて力も尽き財貨も無くなったということであれば、外国の諸侯たちはその困窮につけこんで襲い掛かり、たとえ味方に智謀の人がいても防ぐことはできない。


だから戦争は拙速(まずくとも素早く切り上げる)がよい、長引いてうまくいった例は少ない。そもそも戦争が長引いて国家に利益があるというためしはない。戦争の損害を十分に知り尽くしていない者は、戦争の利益を十分に知り尽くすこともできない>


「第12 火攻編」に曰く――


<戦って勝ち、攻撃して奪取しながら、その戦果をおさめ整えないのは不吉なことで、これを「費留」(無駄な費用をかけてぐずついている)と言う。だから聡明な君主は良く思慮し、立派な将軍はよく修め整えて、有利でなければ行動は起こさず、利得がなければ軍を用いず、危険が迫らなければ戦わない。


君主は怒りに任せて軍を興すべきでなく、将軍も憤激にまかせて合戦を始めるべきでない。有利な情勢であれば行動し、そうでなければ止めるべし>


失敗は成功の元だが、成功するとそれを繰り返す傾向がある。負けた方は敗因を必死で研究し、「二度とその手は食わない」となる。結局、勝者は前回の戦術を「必殺技」と思い込んで同じ戦術を繰り返すから大負けすることが多いようだ。


プーチンとその取り巻きは2014年のクリミア侵略で大成功した戦略・戦術を繰り返した、一気呵成にウクライナを屈服させられると思った、これがウクライナのみならず国際社会から思わぬ猛反撃、猛反発を買ってしまい、怒涛の進撃とはならなかった。初戦でミスった。


アゼルバイジャン軍に30年勤務しナゴルノ・カラバフ紛争などの実戦経験もある、ロシア軍の内情を知る軍事評論家アギーリ・ルスタムザデ氏は3月19日、「ロシア軍の侵攻は準備に欠けた非常識な戦術だった」と断じた。以下、ルスタムザデ氏の分析(ロイター3/24)。


<ロシアは兵力と兵器の数では世界で2番目の軍事大国だが、新しい戦略での戦闘を行っていない。歩兵と戦車隊中心の第二次大戦と同じ戦術だ。この「特別軍事行動」は失敗するだろう。戦争計画を立てた段階では、ウクライナの民衆とウクライナ軍の抵抗を計算していなかった。これは許されない過ちだ。


ロシアはもはや侵攻を始めた時のロシアではない。強力な経済制裁にさらされ、日々弱体化している。これほどの規模の経済制裁は例がなく、専門家でも1カ月後、1カ月半後を占うことはできない。しかし1カ月後のロシアは戦争前とは全く違った国になるだろう。経済状態は破局へ向かうだろう。平時と戦時では軍の費用は10倍違う。ロシア経済はそれに耐えられないだろう>


プーチンは撤退=事実上の敗戦を受け入れることはできない。となればロシアの高官や軍幹部が「プーチンは体調を崩して入院した、プーチンの指示により休戦、軍は撤収する」というソフトランディングのシナリオしかないだろう。ロシアの事実上の敗戦だが、戦後復興には最低でも10年はかかる。厳寒の10年・・・自由民主の国へ変革できるかどうか、第3次ロシア革命への道は霧に包まれている。革命がどこへ向かうのか、今は誰も分からない。
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