快晴の土曜日を迎えて、紅葉のピークは過ぎている事はわかっていたが吾妻渓谷へ行ってきた。
吾妻線の撮影は何年振りだろうか。どこまで記憶を遡っていいのかわからないくらい。とにかく久しぶりとなった。今回は、俯瞰ポイントを求めて山に入るつもりで、それなりの装備と覚悟で珍しく出発したのだが、結果はショルダーバックにカメラを入れ、手袋を着用し、上着も忘れずに着るくらいのことで終わった。渋川からR353へ折れて奥へ行くにしたがい明らかに紅葉の色合いも変化して色が渋くなっていた。道中、下調べした地図にはない道がたくさんあり、およその見当で山奥へ向かってみた。これらの地図にはない道、例の八ツ場ダム建設のためにできた道路のようで、当然装着しているカーナビにも道の表示がなくなったが、多くのダンプカーとすれ違い、トンネルを抜ける。ようやく急勾配をせり上がって行くと目的地らしき光景が見えてきた。何台かの同業者の車も確認できたが、皆さん熊避けの鈴を鳴らして山へ入っていた。確かに最近では、考えられない所に出没と聞くから、ちょっと怖くなったものの、ここまで来て引き下がれない気持ちで準備。ポイントは、樽沢トンネルが見下ろせる地点で、しばらく登っていくとすぐにわかった。日本一短いトンネルがはるか下界に見え、また近くの変電所あたりまで見渡せる光景だ。空気は澄み渡り、風が心地よい。こんな中、手前の黄色を入れて静かに列車を待った。しばらくすると青空の下、慣れ親しんだモーター音が山々に響き渡ってきた。来訪の途中には、全く周りの景色にはそぐわない新線の橋などが建設中だったが、本当にここもダムの底に沈んでしまうのだろうか。
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2013(H25)-11-16 3031M 185系(OM09) 草津 JR東日本/吾妻線:岩島-川原湯温泉