アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

スクロヴァチャフスキの訃報に触れて

2017-02-22 18:00:00 | 音楽/芸術

今朝早くに突然悲しい知らせがあった・・・(2月21日、ミネアポリスにて死去。亨年93歳)

5月の来日がキャンセルされ、心のどこかでいつも気にかけていた事がとうとう現実となってしまった。

昨年1月に「極致のブルックナー」と銘打って行われた2回の演奏会がアントンKにとって最後となった。この時は、中一日置いた1/21と1/23の2日間に第8番一曲と言う演奏会で、芸劇とオペラシティという場所を変えての演奏会。どちらの演奏も心に響く内容だったことは、昨年書いた通りだが、この2日間とも独特な雰囲気に包まれていたことは、今考えてみても大変貴重な体験だった。ちょうど2000年のヴァントの第9の時(オペラシティホール)、2001年9月の朝比奈の第9の時(大阪シンフォニーホール)と同じような、聴衆の雰囲気と緊張感。心のどこかで、もう聴けないんではないか、最後のお別れの演奏ではないのか、と思ってしまう彼岸の匂い。こんな気持ちがこの時宿っていたことは事実だ。

この演奏会の直後、BSにて芸劇の方の演奏会が放映されたが、その時の終演後のオケの方々の様子がどこかおかしいことに気づかされていた。管楽器奏者の方は、耐えきれず目を拭っていたが、やはりあの時の雰囲気は、いつもの読響とはどこか違い、安堵の想いだけではなかったような気がしている。

アントンKのとってのスクロヴァチャフスキとの出会いは、かなり昔のこととなってしまうが、NHK響や読響の指揮者としてたびたび来日してくれたおかげで、実演奏にも数多く触れることができ、思い出多き指揮者の一人となった。演奏からはその年齢など思いもつかないのだが、現実は93歳という高齢であり、我々ファンの想いも届かず旅立ってしまった。今はとても悲しい。辛い。ブルックナー演奏においても、また一人名指揮者が逝ってしまったのである。

このスクロヴァチャフスキのような演奏解釈は、実演でこそ理解でき感動する部類のもので、数多く発売されている録音では、中身は半減してしまうから・・

今までの数々の名演奏に感謝申し上げたい。

深く深くご冥福をお祈り申し上げます。

合掌

 


東海道を駆け抜けた大窓機

2017-02-22 10:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)

先日、久しぶりに東海道沿線に出向き、このところ毎週のように運転されている甲種回送列車を撮影してきたが、偶然にも知人に会いご一緒させて頂いた。近年川崎界隈で顔見知りとなり、お互いによく話もできていなかったから、良い機会であったが、ちょうど同年輩の彼との昔話に花が咲き、思いもよらぬ楽しい時間を過ごすことが出来た。

ここ東海道線に来ての昔話となると、ゴハチの話題は外せない。二人して記憶をたどるように国鉄時代にへと遡って行った。忘れかけていた懐かしい列車話など、思いがけずわくわくしてしまったが、話の行きつくところ、昔は良かったなぁという結論に達してしまい苦笑い。しかしこの現代でも、彼の写欲とでも言うか、昔から鉄道への思いは今も不変であり、その行動力や精神力は尊敬に値する。大したものだ。アントンKもまだまだ頑張らなくては・・と思う瞬間なのである。

そんな昔話で思い出が甦ったので、ここでは古い国鉄時代の写真を出したい。東海道のゴハチと言えば、何と言っても大窓機で、その人気は絶大なものだった。御召機のロクイチは別格としても、ブルーのゴハチの大窓機がまだ走っていた、今にして思えば大窓機晩年の時期、友人や先輩からカマ番を教えて頂きよく沿線に出かけたもの。現代のようにSNSなどもちろん無いアナログの時代、黒電話で情報をやり取りし沿線に出かけ一喜一憂したものだ。

写真は、宮原区の秘蔵っ子53号機の牽く銀河52号。この年は、GW期間中の53号機がずっとこの臨時銀河の任に当たっていた。宮原区にはもう一台ヒサシ付きの大窓機47号機がいて、人気を二分していたが、アントンKにはこの53号機の方が魅力的に映っていた。東の東京区に対して西には宮原区が君臨しており、どのゴハチも綺麗に整備されていた印象だった。こうして今写真を見返しても、大変優雅なたたずまいであり、何と言っても品があり走る姿が大変美しい。

現代でも機関車好きな鉄道ファンは多く存在し、昔のように機番コレクションしている方々を数多く見かける。アントンK自身もそうであるように、それはそれでコアな趣味人であると思うが、現代社会がネット社会へと変化して便利になった反面、最近人とのアナログな繋がりが気薄に感じることが多く、どこか心に寂しさが残ることも事実なのだ。

1980-04-30     6102レ  EF5853 銀河52号  東海道本線/早川-根府川