来月に迫ったダイヤ改正で、昔から唯一残存していた石炭専用列車の廃止が正式発表された。浜川崎と秩父鉄道の三ケ尻までの専用列車で、長年に渡り鉄道ファンに親しまれた列車だっただけに、今回の廃止は残念でならない。ダイヤ改正ごとに運転時刻が変わったり、けん引する機関車が変更になったりと、ダイヤ改正の中では、話題の一つにいつも上がる列車だったのではないか。アントンKも近年においてだが、この列車の存在を知り、ある程度撮影することが出来たが、こういった一目で解る特別な列車は、やはり魅力的に映ってしまう。同一の貨車を20両繋いで走行する姿は、圧巻であり、鉄道ファンが一度見たら病み付きになってしまう。列車編成の均一観、統一感が美しく、被写体映えするのだ。年々こういった専用列車は減少してしまうが、時代の流れを考えたら、やはり致し方ないことなのだろう。今のうち、しっかり目に焼き付けておきたい。
掲載写真は、その石炭列車ではないが、やはり前記事と同じ時代に上越線で撮影したセメント専用列車。貨車の形式こそ違うが、列車のイメージは同じで、見た目が綺麗で編成美がとても素敵だ。また忘れられないのが走行音であり、歯切れのよい小刻みのジョイント音が特徴で、これだけとっても大変魅力的に思うのだ。雪の峠を越えて山郷まで下りてきたセメント列車は、EF641000けん引。機関車、貨車に雪化粧をまとい爽快に通過していった。
1996-02-22 6778ㇾ EF641027 JR東日本/上越線:津久田付近