アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

雪の「竹倉」~想いを極めた至福の時間

2020-02-13 20:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)

2月も半ばとなり、陽ざしに春を感じるような気候になってきた。このまま暖かくなるとは思いにくいが、やはり暖冬と言われる昨今でも特に今年は暖かかった。早咲きの桜(河津桜?)がもう花をつけているのには少々驚いたが、ただでさえ時の過ぎる速さを嘆いているのに、季節までなぜそんなに急ごうとするのだろう。今年もアントンKは置いてけぼりだ・・

富士山バックに列車を狙う撮影地といったら、まず三島-函南の築堤を思い浮かべる。もちろんここは、東海道本線、メインはいつも九州ブルトレだったが、富士山が綺麗に良く見える冬場から春先にかけては、今で言うところの南岸低気圧が太平洋側を通り、寒波を伴って雪景色に代わるシーンも珍しくなかった。低気圧が近づくと、当然空は曇り富士山は見えず、涙を呑むことになるが、明け方まで雪になり、夜明けとともに天気が急速に回復すれば富士山バックの雪景色も夢ではない。そんな想いをもって何度かチャレンジし出かけた時の思い出のシーンが今回の掲載画像。ここがあの竹倉か?と思えるほど、雪でまるで景色が違って見え、音のない世界が広がっていた。架線は随分張り巡らされ、コンクリーの柱も太く見苦しく思えたが、この時は全てが白にコーティングされいつもとは別世界。足元から続く樹氷に見とれていると、静けさを割ってEF65のモーターが響き渡った。バケペンのファインダーを凝視し、シャッターを下ろした瞬間、身震いしたことは言うまでもない。こんな想いでまたシャッターを切りたい。

1984-02-04  8ㇾ EF651101  富士  東海道本線:三島-函南